2012-02-20
ニンニク、バター、トマトの完璧なまでの取り合わせ。
「豚つみれの塩バタートマト鍋」
鍋も和風のしょうゆ味ばかりでなく、洋風の味を取り入れると、また世界が一挙にひろがり、楽しさも倍増する。
とくに肉をつかった鍋だと、しょうゆより洋風味のほうが、おいしい場合が多い。
しょうゆで味付けすると、肉の場合、どうしても和風だしを使わないと、物足りなくなってしまうのだけれど、洋風の味付けにすれば、肉のだしをそのまま使い、あとは調味料を入れるだけで済み、手軽なのもいい。
洋風鍋といえば、まずは代表的なのはカレー鍋だろう。
ミルク鍋もうまい。
そしてやはり、最近の流行は、トマト鍋ということになる。
トマト鍋は、多くのレシピがトマトジュースか、トマトの水煮缶を使うことになっている。
しかしそれだと、日本酒に合わなくなる。
完熟トマトの濃厚なコクは、なぜだかわからないけれど、日本酒と相容れない。
鍋はやはり、日本酒に合わないと、魅力半減となるだろう。
そこでトマト鍋には、フレッシュトマトを使う。
コクは、トマト以外のところで補うことにして、トマトには、さわやかな酸味だけを担当してもらうことにする。
トマトは完熟しないと、リコピンなどの栄養分が十分とはならないらしいが、それは仕方のないところだ。
ヘタを抜き、上に十文字の切り込みを入れたトマトを沸騰した湯に入れ、湯むきする。
こうして湯につけると、トマトの皮は簡単にむける。
皮をむいたら細かく刻んでおく。
トマト鍋には、豚でも鶏でも、どんな材料でも合うけれど、今回は豚のつみれ。
鍋の場合、肉はつみれにして入れたほうが、そのまま入れるよりうまい。
まず何といっても、だしがたっぷり出る。
にもかかわらず、つみれの方にもきちんと味をつけているから、出がらしになった感じがしない。
さらにだしの味を吸い込みやすいのもいい。
肉をそのまま入れるより、ひと手間かかることにはなるけれど、それほど面倒くさいということもない。
豚ミンチ250グラムに、長ねぎ10センチ分ていどのみじん切り、おろしたしょうが1かけ分、卵黄1個、しょうゆ大さじ1ていどに、味噌と塩をそれぞれ少々。
卵白は捨ててしまったが、半分くらい入れても、悪くなかったかもしれません。
これを粘り気がでてくるまで、手でよくこね混ぜる。
水にだし昆布とニンニク1~2かけ、それに酒カップ1くらいを入れ、火にかける。
沸騰したら、スプーンでつみれを適当な大きさにまとめ、入れていく。
アクを取りながら10分くらい煮る。
バターを2~3かけ、それに塩で味付けする。
入れる野菜は、何でもいいけれど、昨日は白菜、油揚げ、玉ねぎ、シイタケ、それに水菜。
まず水菜以外のものを入れ、火を通す。
最後にトマトを入れ、ひと煮して、水菜を入れたら火を落とす。
トマトは酸味を担当してもらうのだから、べつに煮込む必要はない。
粗びきの黒コショウをかけて食べる。
これが、死ぬかと思うくらい、うまかった。
ニンニクとバターのコクに、フレッシュトマトの酸味は、完璧といえる取り合わせ。
つみれや野菜の味を、申し分なく引き立ててくれる。
うどんも死ねる。