鳥取での仕事は昼過ぎに終わり、ホテルのフロントで教えてもらった店で昼食を食べることにした。ちなみにホテルは東横イン。
東横インは最安値のビジネスホテルよりは高いが、ワシントンホテルなど標準的なビジネスホテルよりは安い、という価格設定だ。主だった都市にはだいたいあるという感じなのだと思う。色々問題を起こしたりもするわけだが、僕がこれまで行った所はどれも比較的新しくて小ぎれいで、インターネットは無料で接続、新聞も無料でくれるなど、ツボを押さえたサービスのあり方が気に入っている。
まあこんなことを言うのはちょっと恥ずかしいのだが、だったらブログに書くなよという話だが書いてしまうと、僕が東横インで何より気に入っているのは従業員で、支配人以下全員が女性。しかも高級ホテルにいるようなすました感じではなく、スナックのママとか従業員とかによくあるタイプ、濃い目の化粧にベタな笑顔、暑苦しいサービス、そういう女性ばかりをよくもまあ、これでもかとばかりに揃えているのである。ビジネスホテルの主な利用客である日本のおじさんで、ああいう女性を「嫌いだ」という人はあまりいないと思う。社長もよく考えたものだ。
というわけで、その東横インのベタな支配人から教えてもらって昼食に行ったのは、鳥取駅北側の繁華街の東の端にある「かぶら亭」。
たぶん主に女性をターゲットとした中くらいのクラスの和食料理店だが、ランチの「刺身定食840円」を注文。
この値段だったら刺身は4、5切れかなと思っていたから、この量にはびっくり。「よこわ」というマグロの子供、これはこの辺りの呼び方らしい、かんぱち、ホタテ、近海もののヒラメ、「シロバイ」という貝。それにもずく酢、高野豆腐とかぼちゃの煮物、白菜ときゅうりのおしんこ、しじみと豆腐の味噌汁、ご飯。味付けなどはちょっと大雑把なところもあるが、魚の鮮度がいいからおいしく食べられる。鳥取はやはり大したものだ。
かぶら亭
★★★★☆ 4
鳥取県鳥取市末広温泉町655-2
0857-29-8668
帰りは雨の高速をひた走り、夕食はまた、北広島の「三八松浦」。おやじさんは配達で出たり入ったりしていて、女将さんと、たぶん息子さんなのだろう、高校生くらいの男の子が二人で鉄板を担当している。息子さんのコテさばきは慣れたもので、ひと通りの作業をすでに習得しているらしい、また女将さんと息もぴったり合っている。彼がこの店を継ぐのだろうか。ぜひとも頑張ってほしい。
女将さんと息子さんとで焼いたお好み焼き。
どうなのかなと思ったら、いやいやどうして、おやじさんが焼いたのと遜色ない味だった。三八系のお好み焼きは、食べごたえがふわふわした感じがする。アイロンで押し付けるのだからパリッとするのだろうと思うかもしれないが、全然ちがうのだ。
作るのを見ていて、初めソースの塗り方が雑だなと思った。きちんと全体に広げずに、ソースが塗られていない部分があったりするのだ。しかし食べてみて、これはわざとそうしているのだと分かった。ソースが塗られていない部分も、本体には麺のソースできちんと味がついているから、それはそれでソースが塗られた部分とは違うおいしさがあるのだ。
あと今日気付いたのだが、よく地域のお好み屋とかであるソフト麺をちょっと炒めてソースで味を付け、それをすぐ生地にのせてしまうやり方だと、ソフト麺のそのままの味がすることがある。ソースの味が麺の表面にしか付いていないからだ。しかしここでは炒めた麺ををさまし、冷蔵庫で冷やす、ということまでしているから、そのあいだにソースの味が麺の中心部にまで染みとおるのである。これもおいしさの秘密だな。
八昌を代表例として、お好み焼きはよく半分食べると、残り半分がモサモサしてしまい、大変食べにくくなることが多い。しかしここのお好み焼きは、全くそんなことはない。最後のひと口まで、「ああおいしい」と思いながら食べ続けることができる。この店、ぜひとも繁栄してほしい。
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