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2009-02-25

東観音町 中華そば「すずめ」

今日は昼飯を食いそこなって、半端な時間になってしまったので、午後3時から開店の「すずめ」へ。
言わずと知れた、広島ラーメンの繁盛店、僕は広島に来てすぐの時に一度食べに来て( )、本当に、大変、おいしいと思ったわけなのだが、それからもう半年以上が過ぎ、食べたラーメンも数知れず、ここらで一回、この店の味を改めて、確認しておかなくてはいけないな、という気持ちもあった。

メニューは、中華そば600円と、ビールのみ。
すごいというか、何というか。
ここは広島ラーメンの元祖と言われる人から、直接教えを受けた人がやっている店で、教わったのがラーメンだけだったから、それ以外には出来ない、というところなんじゃないかと思うが、普通だったらギョウザだ、なんだ、と色気を出しそうなところ、こういうストイックな姿勢で数十年という年月をやり通すところが、たしかにすごいことだと思うし、それが今の評価にもつながっているのだろうな。

中華そば。
今回、ここに来るにあたって実は、もしおいしくなかったら、どうしよう、と、不安に思う気持ちもあったのだが、心配ご無用、やはり最高においしいラーメンだった。
スープを一口すすった瞬間、自分が抱えている重荷を全部下ろし、ふー、っと心から癒されるような、そういう感じ。
僕がこういうラーメンを食べたいと思っていたってこと、分かってくれてたんだね、と訊きたくなるような感じ。

構成としては、よくある広島の中華そば、特別変わったことはない。
というかこちらが元祖なのだが。
何がどう違う、ということではないのだが、嫌味なところ、引っかかるところ、そういうものが一つもない。
スープから、麺から、具の一つ一つに至るまで、そうだよね、そうだよね、といちいち心に落ちていくのである。

豚骨だしなわけだが、かなり濃厚なのにもかかわらず、臭みの気配が微塵もない。
濃い目の醤油味、よく味噌のようなえぐみが出てしまうことがあるのだが、そういうことも全くない。
麺は中細で、白っぽくて、もそもそした感じのものを、固めにゆでている。
昔のラーメンって、もっと黄色っぽい麺をやわらかくゆでることが多いと思うのだが、ここは違うのだよな。
僕はこの麺に、ノックアウトされてしまう。
固めのチャーシューと、細い適度な固さのもやし、それに青ねぎも、主役の邪魔をせぬようわきまえて、自分を主張したりはしない。

どうやったらこんなラーメンが出来るのかな。
まあ名人とはそういうものだよな。
材料の一つ一つ、下処理の一つ一つ、火加減の一つ一つ、さじ加減の一つ一つに、味が見えているのだ。
すごいよな、ほんとに。

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