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2012-12-14

意外な組み合わせだけど実にうまい。
アサリとジャガイモのオリーブオイルしょうゆ炒め

今日の晩酌。
意外な感じがするけれども、アサリとジャガイモはとてもよく合う。これを、これもちょっと意外な感じがするけれど、オリーブオイルとしょうゆで炒める。オリーブオイルはバターをあっさりさせたような味だから、オリーブオイルとしょうゆは、ちょうどバターしょうゆのような黄金の組み合わせになる。さらにここに鷹の爪とレモン汁でピリ辛味と酸味をつけ、さわやかに仕上げる。





ジャガイモ1個は5センチ角くらいの棒状に切り、5分ほど水にさらす。
中火に熱したフライパンにオリーブオイルを引き、火が通るまでじっくり炒める。





ジャガイモは一旦皿にとり出し、あらためて中火で熱したフライパンにオイリーブオイルを引き、ちぎった鷹の爪を炒める。






つづいて砂出しし、よく洗ったアサリ200グラムを投入。
ひと混ぜしたら日本酒大さじ2を入れ、フタをしてアサリの殻が全部ひらくまで蒸し焼きにする。





アサリの殻がひらいたら、とり出しておいたジャガイモ、それにシメジを入れる。
砂糖としょうゆそれぞれ小さじ1くらいを味を見ながら入れ、2~3分、汁気がなくなるまで炒める。





最後にレモン汁大さじ1/2を入れ、器に盛って青ねぎをかける。






ちょっとジャーマンポテトにも似た味で、とてもうまい。
ジャガイモがあさりのだしをたっぷりと吸っているのがたまらない。





あとは菜っぱ汁。
菜っぱと揚げをみそ汁でなく、吸い物に入れるのがポイント。





うすくちしょうゆと塩で吸い物味をつけただしで、菜っぱと揚げを煮る。
菜っぱは水菜や白菜菜(はくさいな)の場合は下ゆでは不要、小松菜やほうれん草ならさっと下ゆでし、水気をしぼってからサッと煮る。





これはびっくりするくらいうまい。
酒のあてにも最高。











料理を始めると、おのずと調味料の世界に踏み込むことになる。

和食の調味料は奥が深いから、ぜひめんつゆなど使わず自分で探求してみることを、
一人暮らしの男性には勧めたい。



調味料は、それほど高級品を買う必要はないけれど、
あまり安いのではやはりおいしくない。

そんなにたくさん使うわけではないのだから、
1回に使う分で考えれば値段などたかが知れている。

酒は塩分が入っている料理酒では絶対ダメで、
安いものでいいから飲用の日本酒を使う必要がある。

みりんも「みりん風」ではなく、本みりんのほうがいい。



調味料は、砂糖と酒、みりん、しょうゆ、塩の割合が重要だとはたしかに言える。

平たくいえば、煮魚などこってりしたものなら、塩以外のものを全部1ずつ。

うす味の煮物なら、だしカップ1に対して酒とみりんを大さじ1、
うすくちしょうゆを大さじ1/2、あとは塩少々。

ただ調味料は、割合で覚えてしまうと、実はつまらなくなる。



和食の調味料が他の国の料理と違うところは、ニンニクを使わないこと、
そして砂糖を使うことだと思う。

和食では、他の国の料理でニンニクが果たす役割を、
砂糖が果たしているといえると思う。

この砂糖が、実に面白い働きをする。

他の調味料と関係し合うことで、和食独自の複雑な調味料の世界をつくることになる。



まず砂糖は、酢と関係する。

酢を使うときには、かならず砂糖を少し入れる。

これは甘みをつけるためではない。

砂糖は酢の角をとり、味をまろやかにする働きがある。



そして砂糖は、しょうゆと関係する。

この砂糖としょうゆの関係が、和食の広い世界をつくっている。

砂糖を入れると、しょうゆの塩辛さが相殺され、塩辛くなくなる。

だから砂糖をたくさん入れることにより、しょうゆをいくらでも入れられることになる。



砂糖としょうゆをたくさん入れると、塩辛くならずにどうなるかといえば、
「こってり」することになる。

このこってりとした甘辛い味が、世界にない、和食独自の発明だと思う。

さらに砂糖もしょうゆも、いくらでも量を加減できるわけだから、
砂糖としょうゆをたくさん入れたこってりとした味と、
砂糖をまったく入れない吸い物の味とのあいだに、
無限のグラデーションができることになる。

ここに和食ならではの宇宙がある。



グラデーションを、便宜的に区切ってみれば、
「こってり」「うす味」「吸い物」という具合になる。

しかし実は、区切りめなどないのであって、
材料や好みに応じて、グラデーションのどこに味を決めるかが、
和食を作るときの楽しみになる。





「そしたら計量スプーンは使わないほうがいいんだね。」
人のレシピをある程度真似してみてからな。