広島へ来たら、何はともあれまずラーメン。
皮切りは、ビールにギョウザ。
さらにおでん。
そしてラーメン。
うまい。
ラーメンを食べたら本屋を巡回。
打ち合わせが終わったら、夜も酒。
再びおでん。
サバ寿司も、脂が乗りまくっている。
抱き合っているのは広島グルメ評論界の重鎮、シャオヘイ氏。
広島の人の気風を、ぼくの印象としてひとことで表現すれば、
「情が厚い」
となると思う。
しかも広島の人は、その情をまっすぐにぶつけてくる。
昨日もシャオヘイ氏と抱き合い、おでん屋の大将と抱き合い、帰ってきた。
ぼくはこれまで、男同士で抱き合ったことは、広島以外ではあまりない。
抱き合うにいたる前、広島では独特の手続きが踏まれることが多い。
相手はこちらを、何かけなすようなことを言ってくる。
昨日も初対面のおでん屋の大将、「おっさんひとり飯」をパラパラと眺め、
「写真が下手くそだなあ」
と言う。
こちらも負けずに、
「素人が一生懸命やってるんだから、もっと褒めろや」
となる。
といって、べつにケンカになるわけでもない。
相手もこちらも、たがいの距離を計りながらやり取りし、最後は抱き合って別れる関係になる。
その土地の気風は、初対面の人がどのように仲良くなるかに、強く表れるもののように思う。
名古屋では、自分の腹の底を見せることで、人と仲良くなれたように思う。
京都では、仲良くなるまで時間がかかるが、時間さえかければ、仲良くなれるように思う。
そういえば、長年暮らした東京で、どうやって人と仲良くなれるのか、意識したことがなかったから、いずれ機会があれば試してみたい。