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2012-04-21

ブロッコリーの和食料理法。
「ブロッコリーとしめじのからし和え」
それに「わかめ炒め」
「高菜のゴマ和え」



「ブロッコリーの料理法」という問題について、

和食に合わない

と僕は思っていたわけなんですが、それは大きな勘違いで、単に

「和食を知らない」

だけだったことがわかりました。



「ブロッコリーを和食で料理する」といって、僕のイメージにあったものは、

「かつお節と醤油をかける」

というものです。

ほうれん草のおひたしの要領です。

たしかにブロッコリーに、かつお節と醤油だけかけて食べても、ブロッコリーの青臭さに味付けが負けてしまうところがあって、あまりおいしくない。

ポン酢をかけてもイマイチです。

しかしだからといって、それで

「ブロッコリーは和食に合わない」

と結論付けてしまうのは、「あまりに早計」というものでした。



「カツオやジャコやのだしに醤油」という味付けは、もちろん和食の基本になるものだといえるでしょうが、それだけのものでないことなど、いうまでもありません。

和食には、だしや醤油にくわえて、さまざまな調味料が使われるんですね。



「ポン酢」に代表されるように、「酸味」をくわえることで、食材の味を引き立てるということがある。

「ゴマ」の風味も、重要なものの1つでしょう。

あとは「辛み」。

唐辛子やら、ショウガやら、わさびやら、からしやら。

そういういろいろな調味料を駆使することにより、和食はさまざまな食材と「折り合い」をつけていくわけなのでしょう。



「調味料」というのも、なんとも不思議なものではないですか。

栄養的にみた場合、調味料は何かの役割を果たしているんでしょうか。

ゴマには「セサミン」という栄養分が含まれているとか、唐辛子には「脂肪を燃焼させる」働きがあるとか言いますが、すくなくとも動物は、調味料を必要とはしないでしょう。

人間だって、塩は別として、肉や野菜をたっぷり食べていれば、調味料をかけなくたって栄養失調で死ぬとは思えないから、調味料はその名のとおり、純粋に「味を調える」だけのものなのでしょう。



「うまい」とか、「まずい」とかいうことは、「栄養になるもの」と「害になるもの」を見分けるために、生物に元々そなわったものなのでしょう。

犬だって猫だって、うまいものとまずいものを見分けられなければ、生きていけないにちがいありません。

でもたとえば「パンダ」なら、「笹」以外のものを「うまい」と思うことはないのに対し、人間だけは、どんなものにでも、「うまい」と「まずい」を感じられる心をもち、さらに「もっとうまいもの」をつくり出せるようにもなった。

その能力は、おそらく「音楽」や「絵画」を生み出すのと、同じものなのでしょう。



不思議なのは、たとえば「肉」には、いわゆる「甘い、辛い、酸っぱい、苦い、塩っぱい」の「五味」は、ないわけです。

肉自体には味がない。

だから人間は、肉には味付けをしないと食べられないわけですが、もし「味」が「栄養」を見分けるものならば、栄養たっぷりの肉に、何かの味があってもよさそうなものでしょう。

また逆に、唐辛子のように、食べなくても問題がなさそうなものに、味があるのもわからない。



だから「味」というものは、単に「栄養」ということだけからは考えることができなくて、それとは切り離れて、人間の、今はやりの言葉でいえば「脳」が、独自に生み出したものだということなんでしょう。


「料理」は、かなりの知的作業であるということなんですね。



* * * * *



というわけで、「ブロッコリー」なんですが、「からし醤油」があうというのをコメントでもらい、昨日やってみたのでした。

「ブロッコリーにからし」は、ちょっと意外な感じもしますよね。

でも考えてみたら、ブロッコリーは「菜の花」と、味も姿もちょっと似ているところがあり、「菜の花のからし和え」は、和食では定番ですからね。



◎ ブロッコリーとしめじのからし和え

■ 材 料

・ ブロッコリー 半茎。今回は、房のところだけで、茎は使いませんでした。房を切りはなし、さらに大きな房は半分に切って、味がしみやすいようにしておきます。

・ しめじ 半パック。べつにしめじは、入れなくてもいいですが、ブロッコリーとしめじは、食べごたえも味も、とり合わせとしていいと思います。

・ じゃこ 1つまみ。

・ 醤油 大さじ1

・ みりん 小さじ1

・ からし 小さじ2分の1


■ 作り方

・ ブロッコリーとしめじは、塩をふった水でさっとゆでます。

・ ゆでたブロッコリーとしめじ、それにじゃこ、醤油、みりん、からしを器にいれ、よく和えれば出来上がり。



なるほど、これは大変おいしいです。

からしがブロッコリーの青臭さや苦味を、うまく消してくれるんですね。

ほかにも調味料を工夫することで、「ブロッコリーの和食料理法」が、まだまだいろいろできそうです。



* * * * *



昨日は他にも、いくつかおかずを作りました。



わかめ炒め。

これは向田邦子のレシピから。

「わかめを炒める」というのは、あまり聞かないと思うんですが、大変うまいです。

ワカメは、乾燥わかめより、塩漬けだけした鳴門わかめとか、今なら生わかめも旬で出回っていますから、そういうものの方がおいしいです。



乾燥わかめは水でもどし、鳴門わかめなら水に浸して塩抜きする。

生ワカメは、まったくゆでていないものなら、サッとゆでる。

よく水を切って、3センチくらいの長さに切る



フライパンにサラダ油とゴマ油を半々くらい、適当な量をいれ、ワカメを炒める。

ワカメは炒めると油はねするので、向田邦子は「塚原卜伝」のように、鍋蓋を片手に炒めたとのこと。

適当に炒めたら、かつお節たっぷりと醤油適量をいれ、ひと混ぜすれば出来上がり。



高菜漬けのゴマ和え。

水洗いしてよくしぼり、好きな長さに切りそろえた適当な量の高菜漬けを、醤油、みりん、ゴマ油、それぞれ少量、それに適量のすりゴマで和える。

これは高菜の食べ方の定番ですね。



ひろうず(がんもどき)の含め煮。

酒とみりん、うすくち醤油で味付けしただしで、ひろうずをコトコト30分ほど炊き、しばらくそのまま、煮汁につけておく。



サワラの西京漬け。

西京漬けは、魚屋で買ってきたもの。

味噌をサッと洗って水気を拭い、焦がさないよう弱火で焼く。



* * * * *



昨日はこれらのつまみで、冷や酒を飲みました。

やはりこういうものが、つくづく幸せを感じるんですね。

このごろ各国料理に手を出していましたので、和食の食卓は久しぶり。

つい飲み過ぎてしまいました。



しかしこの「幸せを感じる」とは、どういうことなのでしょうか。

中華などは、どんなに、死ぬほどうまかったとしても、幸せを感じたことはないんです。

幸せを感じるのは、「和食に日本酒」か、「新福菜館三条店の餃子にビール」の場合だけ。

やはり「日本人」ということなのでしょうか。



朝めしは、「温玉うどん」。

冷凍うどんを釜揚げにして器にいれ、生卵とかつお節たっぷり、青ネギ、それに生醤油をかけて食べる。

冷凍うどんは、お湯でゆがくだけですから作るのもラクだし、また味も、下手なうどん屋のうどんよりよっぽどうまいですから、非常におすすめです。