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2012-04-03

料理をおいしく作るには。
「イカとセロリの塩炒め」
「ジャガイモのシャキシャキ炒め」



昔から知っている、今は主婦の女性から、

「いつも自作の食事をおいしそうに食べているようだけれど、自分は料理が苦手で、レシピ通り作っているのに、どうもおいしくできない。なぜだろう」

と聞かれたんですね。

「だしを自分で取ってみたらどうか」と答えたら、

「だしを使わない、たとえば唐揚げとかでもおいしくできない」

とのこと。

僕は最近では、自分の作った料理が「まずい」と思うのは、よっぽどの失敗をしない限りないんですが、たしかに昔は、作った料理があまりにまずくて、腹がたって捨てたこともあったような気がします。

料理がなかなかおいしく作れないという人、もしかしたら少くないのかもしれないですね。



自分のことを振り返ってみて、まず思うのは、自分の作った料理がおいしくないという場合、

「料理を楽しんでいない」

ことが大きいんじゃないかという気がしますよね。

レシピ通りに作ればおいしい料理ができるかといえば、必ずしもそういうことではないわけで、料理の味は、作っている人の「気持ち」そのものが表れてしまうところがある。

よく「夫婦喧嘩しているときは、奥さんの料理がまずくなる」と言ったりしますよね。

自分が作った料理に、「料理を楽しんでいない」という気持ちがはっきりと表れているのを、自分自身で感じとってしまい、それが「おいしくない」と思うことにつながってしまっているのかもしれません。



料理を楽しみたいと思ったら、レシピ通りに作っていては、なかなかうまくいかないでしょう。

「自分が作りたいように作る」ことが必要なんですよね。

「いや自分は、レシピ通りに作りたいんだ」と言うかもしれませんけれど、それは「先生や上司の言うことを聞くいい子でいたい」というのとおなじ、「立場」に関することで、「料理」とは関係がない。

レシピとはあくまで、「大まかな参考」にしかならないもので、微妙なさじ加減によって、味は大きく変わってくるのだから、「レシピ通りに作ればおいしい料理ができる」という考え自体を、まずは捨てないといけないのかもしれません。



「料理を楽しみたい」と思ったら、これまで100万回くらい書いてきているように、だしを取ってみることをすすめます。

だしを取ることは、単に「料理が100倍おいしくなる」ことにとどまらず、「料理の本質」を理解することにつながる。

本質がわかるからこそ、応用ができるようになり、それが楽しさにつながるんですね。

「料理が楽しくない」と思う人は、だまされたと思って、だしを取ってみてほしいです。



だしを自分で取るようになると、世界が変わりますよ。

僕はわりかし小さな頃から、料理が好きで、ちょこちょこ手を出していたんですが、しかし自分の料理の世界は、「だし以前」と「だし以後」と呼びたくなるくらい、だしを取るようになって決定的に変わりました。

それまで料理の世界を外から「傍観」していたのが、だしを取るようになって初めて、内側から「発見」できるようになったという気がします。

また料理は、人間の生活の中心に位置するともいえるものですから、料理の世界がちがって見えてくると、すべてがちがって見えてくるようなところがあるんじゃないかと思います。



あと最近の失敗を思い出すと、「味見をしなかった」ことが、失敗の原因となることも多いような気がします。

とくに照り焼きのタレとか、典型的なんですが、レシピ通りに入れているように思っても、醤油と砂糖の微妙な加減により、甘すぎや塩っぱすぎになってしまうことがあるんですよね。

だからレシピ通りにやっていても、きちんと味見しないと、おいしい味にはなかなかならない。

煮物なら、味付けしながらゆっくり味見をする時間があるわけだし、タレを入れて焼くような場合には、タレを調合したら、砂糖や塩が溶けるまでよく混ぜて、それを味見してみることが必要なのじゃないかと思います。



レシピには、「味見する」とはあまり書いていないんですね。

このことが、レシピの1つの、大きな盲点なのかもしれません。



* * * * *



昨日作ったのは、「イカとセロリの塩炒め」と「ジャガイモのシャキシャキ炒め」。

イカとセロリの炒め物は、知り合いのブログに似たようなのが載っていて、それを見たら、食べたくなりました。



炒め物は、簡単そうに見えるんですが、おいしく作るのは、意外に難しいですよね。

まず炒め加減が、つい炒め過ぎてしまいがちだし、それから味加減も、つい調味料を入れすぎて、塩辛くなりがち。

短時間で火が通ってしまうから、段取りをきちんと整えておかないとバタバタしてしまう。



炒め物は、強い火力も必要だし、鉄の鍋がないとうまくいかないし、土器の発明とともに生まれた煮物にくらべ、だいぶ最近になって開発された料理法なのでしょう。

ですからやり方も、煮物にくらべると、だいぶ高度になっているということなのじゃないかと思います。



イカは、スーパーで安く売ってるスルメイカ。

中身をとり出し、胴は中にタテに入っている軟骨をひっぱり出して、輪切りにする。

皮はむく必要ありません。

中身は、目の真ん中あたりで包丁を入れ上下に分け、ワタは捨て、ゲソはくちばしを取ってぶつ切りにする。



切ったイカは、鍋に塩と油それぞれ少々を入れた湯を沸かし、湯通しする。

ほんとにサッとでいいので、火を通しすぎないのがポイントですね。



セロリも筋を取り、茎は斜めうす切りに、葉はざく切りにして、おなじ湯で湯通しする。

これもサッとでいいですね。

湯通ししたイカとセロリは、ザルにあげておきます。



合わせ調味料。

酒4分の1カップほどに、塩と砂糖ひとつまみ、醤油小さじ1杯くらい、それから片栗粉も、小さじ1杯ほど、この中に入れてしまいます。

片栗粉を入れる前に味見して、塩辛いようなら砂糖をふやし、甘いようなら塩をふやします。



鍋に油をひいて、強火にかけ、たたきつぶしたニンニク1かけと、輪切りの唐辛子をまず炒める。

油はサラダ油でいいですが、ラードを使うと、コクが出ますよね。

つづいてイカとセロリを投入。

湯通ししてあるので、ニンニクと唐辛子の味のついた油が、全体にまわればOKです。

炒めるのは、火を通すというより、「味付けするため」なんですね。

間髪入れずに、合わせ調味料。

すぐにとろみが付いてきますから、鍋をあおって、これを全体にからめれば出来あがり。



これはうまいっす。

やわらかいイカと歯ごたえのあるセロリの、コントラストがたまりません。

味付けも、オイスターソースを使えば、よりコクが出るかと思いますが、べつに醤油で不足はありません。

ニンニクと唐辛子がきいているのがポイントですね。



つづいてジャガイモのシャキシャキ炒め。

これはウー・ウェン「大好きな炒めもの」を参考にしました。



まず斜め薄切りにし、さらにせん切りにしたジャガイモは、水にさらし、そのあとよく水気をきる。

サラダ油と、すこしのゴマ油を鍋に入れ、強めの中火程度で熱し、ジャガイモを入れる。

すこし炒めて、全体に油がまわったら、酢を大さじ1ほど入れる。

ジャガイモやレンコンなど根菜類は、酢をいれて炒めると、シャキッとするんだそうです。

このまま3分ほど、ジャガイモが透き通ってくるまで炒める。

ジャガイモが焦げやすいので、あまり火を強くしすぎないのがポイントです。

砂糖ひとつまみと塩少々、それに酒大さじ1ほどをいれ、全体を混ぜ合わせれば出来あがり。




シャキッとしたジャガイモは、たいへんおいしいです。

これはジャガイモ2個を使い、2日分と思っていましたが、あまりうまくて全部食べ、ちょっと食べ過ぎてしまいました。



あとはシジミの赤だしとキムチで、焼酎のお湯割り。

味噌汁は、和風ですが、味がしっかりしているからでしょう、中華のおかずにも合いますね。



それから朝めしは、「菜の花とスパムの焼きそば」を作りました。

油をしき強火にかけたフライパンで、まずスパムをこんがり炒め、そこに酒4分の1カップほど、醤油大さじ1、おろしショウガ少々の合わせ調味料をいれる。

ひと混ぜしたら、菜の花とうす切りにしたシイタケ、それに焼きそば麺をいれ、麺に調味料を吸わせながら、よく炒めれば出来あがり。

最後に味を見て、塩気が足りなければ、塩をふる。

菜の花と豚肉の相性は抜群。

これも大変うまかったです。