2011-12-25
手軽に作れる韓国の味。
「豚キム雑炊」
「豚キムチ」といえば、日本でも定番の家庭料理のひとつだが、豚キムチに水を入れて煮れば、キムチチゲになり、さらにそこにご飯を入れれば雑炊になるなど、意外に応用範囲が広い。
キムチは漬物だから、日本でいえばタクワンとか梅干しに相当するものではあるけれど、料理への使われ方はだいぶ異なる。日本と同様、お新香としてごはんの友に食べるのはもちろん、豚キムチでは、キムチは炒め物の材料であるともに、味付けとしても使わているわけだ。キムチはさらに、だしの材料としても使われる。
韓国には「キムチクッパ」という名前の食べ物があるそうだ。これは日本の韓国料理屋などではまずお目にかかることができないもので、要はキムチだけを煮て作ったスープに、ご飯を入れたものだ。韓国人の友人は、キムチクッパを「貧乏人の食べ物だ」と言っていたけれど、日本でいえばたぶん、日の丸弁当にでも当たるものなのだろう。韓国ではキムチは自分で漬けるもので、安いから、貧乏人が食べるものということになるわけだ。
日本ではキムチは高いから、そうそう気軽にたくさん使えるものではないけれど、おいしいキムチが手に入ったら、ただ食べたり、豚キムチにするだけでなく、スープにしたり、雑炊にしたりするのは、また楽しい。
豚肉は何でもいいのだが、かならずまず、キムチで下味を付けるようにする。そうしないとスープにした時、豚肉に味がしないことになってしまう。鍋に、まず豚肉をならべる。
その上にキムチを盛って、できればキムチの汁もかけまわし、そのまま10分ほど置いておく。そうすると、キムチの味で、豚肉に下味がつくことになる。
さらにそのまま、鍋にフタをして弱火にかけ、豚肉とキムチを10分ほど、蒸し焼きにする。キムチの汁が、さらに豚肉に味をつける。キムチの汁があるから、弱火でやれば、肉が焦げ付くようなことはないから、心配しないでだいじょうぶだ。
雑炊にするには、ここに洗ってザルに上げておいた米と、米の5倍量の水を注ぎ込む。5分ほど煮て、豚肉のだしが出たころになったら、味を見る。キムチをたっぷり使えば、塩を足すだけで十分なのだが、なかなかそういうわけにも行かないだろう。味が足りなければ、酒と醤油、韓国唐辛子、おろしたニンニクで味を足し、最後に塩で味を決める。
そのままさらに10分ほど煮て、米と汁の具合が好みの加減になれば出来あがり。長ネギとしめじなどを入れてみてもいい。
煮ているうちに、鍋の底がくっついてきたりするから、途中でときどき、かき混ぜるようにする。
好みでゴマ油を、すこしたらし込んでもいいが、豚肉のコクがきいているから、あまり入れすぎるとクドくなる。