2011-10-18
いよいよシーズン到来の鯖寿司
魚屋は、休み明けの月曜に行くと、いつも特にいいものがおいてある。
昨日も、またまっ茶色の活きのよさそうなスルメイカと、キラキラと銀色に輝く鯖があり、イカは塩辛に、鯖はしめ鯖に、またしてみたいと思っていたから、どちらにしようか迷った末、鯖を買うことにした。
今回は半身でなく、丸々一匹分、買ってみた。全部をしめ鯖にし、当日に半身、残りの半身は、さらに2日かけて食べる。翌日のしめ鯖は、味がなじんで、当日とはまたちがった味になるし、さらにその翌日のもうまいのだそうだ。
お兄ちゃんに魚をおろしてもらい、お金を払っていたら、おばちゃんに、
「鯖寿司にするの」
ときかれた。
考えてみたら、鯖寿司は大好物。ただすし飯をまとめて、しめ鯖を上にのせればいいだけのことだとか。それなら簡単だ。
魚屋には、3枚におろしたのに塩を振ってもらったのを持ち帰ってくる。やり方を見ていたら、自分でもできそうだと思ったけれど、やってもらえるのならそのほうがいい。
鯖をおろしながら、魚屋のお兄ちゃん、
「腹の内側が白くなっているのは、脂がのってる証拠なんだ」
と、うれしそうに教えてくれた。いよいよ鯖のシーズン到来だ。
魚屋に、鯖をおろして、塩まで振ってもらっておけば、しめ鯖を作るのは何もむずかしくない。
塩を振った鯖を、最低3~4時間、できれば一晩おいて、水で洗って水気をふき取る。
酢にちょっぴりの砂糖を混ぜたものに、昆布といっしょに3時間漬ける。
「3時間」というのは、魚屋のお兄ちゃんが、確信をもって指定した時間だ。
漬かった鯖の、中骨を指で抜くのが、唯一めんどうくさい。腹骨は、もう魚屋で落としてもらっているから、抜く必要がない。
頭の側から、皮を指でつかみ、はいでいく。これは非常に簡単にはげ、気分がいい。日焼けしたあと皮をむく、あの要領だ。
これでしめ鯖は出来あがり。
しかし今回は鯖寿司だから、これで終わりじゃない。
寿司飯を炊く。
普通に白飯を炊いたが、今回食べてみて、味がすこしあっさりしすぎている感じがした。酢の調整も、色々してみたらいいのかとは思うが、米を炊くとき昆布を1枚、入れておいたらいいにちがいない。
酢の量は、米の量の10分の1。これは檀一雄 のレシピ。酢には砂糖を、ほんのすこし混ぜ込んでおく。
飯と酢を合わせるときも、檀一雄流に、扇風機の前でやる。扇風機は、まだ片付けていなかった。
寿司飯をふきんでまとめ、
しめ鯖をのせてさらに押し固める。
水で濡らした包丁で、全体を8等分ほどにすれば、鯖寿司の完成だ。
いやしかし、これはたまらん。
寿司飯がたしょう、あっさりしすぎだったとはいえ、脂ののった、レアのしめ鯖に、寿司飯は、ベストカップルであるのにまちがいない。
家でこれほど簡単に、鯖寿司が作れるとは、思ってもみなかった。
八百屋で「畑菜(はたけな)」を買ってきた。畑菜は京野菜で、これから出はじめて2月頃に盛りとなり、2月の「初午(はつうま)」の時に、からし和えにするのだそうだ。
油揚げと炊いてみたが、クセのすくない、おだやかな味がする。
油揚げは、豆腐屋で買ったものだが、これがまたふっくらとしてうまい。
冷や酒は、昨日は3合。電話しながら飲んでいたら、盛りあがって飲みすぎた。
昨日の昼飯は、先日の常夜鍋の、残しておいたスープに、大根と油揚げを炊きこんでお粥。
味付けは塩コショウ。