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2011-08-06

簡単なのにエスニックな味わい。ソーミンチャンプルー


素麺を食べるというと、普通考え付くのは、
「ゆでて、薬味と具を添え、タレで食べる」
というものだったりするわけですよね。

でも素麺ってけっこう便利で、いろんな料理に手軽に加えて、炭水化物を追加することができる。

僕がよくやるのは、煮魚に素麺。

煮魚の汁って、せっかく魚の汁が出てうまいのに、イマイチ活用しきれないところがありますよね。
もちろん最低でも、ゴボウや大根を煮て、野菜をおいしくするということはあるのだけれど、煮魚を食べ終わった後の皿には、せっかくの煮汁が残ってしまっていて、それは捨てるということになってしまう。
ちょっと味が濃いから、飲むわけにはいかないんですよね。

でもここで素麺登場。
茹でて水にさらし、よく水を切った素麺、煮魚の脇に添えておくと、だんだんとそれが煮汁を吸って、勝手においしくなってくれる。
そして皿には煮汁は一滴も残らないという、見事な企画。

これは西日本の郷土料理「鯛そうめん」の考え方なんですが、
「せっかくの煮汁を一滴たりとも残すものか」
とかいう心意気、いかにも家庭料理という感じがして、僕は好きなんですよね。

同じことは、アサリ酒蒸しにも可能。
アサリ酒蒸しの煮汁も、せっかくおいしいのに、一口二口すすることはあるにせよ、全部飲み干すことはあまりしない。
これも素麺を入れておけば解決。

素麺は乾麺だから保存もきくし、けっこう重宝に使えるいいやつなんですよね。


その素麺なんですが、実は炒めてもおいしい。
素麺を炒めるって、普通まったく考え付かないことだと思いますけど、さすが沖縄、一風変わった日本料理の宝庫。
「ソーミンチャンプルー」
というものがあるんですね。

麺は
「炒めるとおいしくなる」
というのは、基本なんじゃないかと思うんですよね。
どういうことによるのかよく知らないけれど、ただゆでるより、さらに炒めたほうが味わいが深くなる。
温度の関係なんじゃないかと思うんですけどね。
だから中国なんかでも、麺料理は汁そばより、どちらかと言えば焼きそばのほうが、基本だということを聞いたことがある。

日本では素麺を炒めたりはしないけれど、というか、日本は基本的に、なぜか伝統的には炒め物がない国だと思うんですが、当然ほんとうは、素麺だって炒めたらおいしくなるわけです。

それにソーミンチャンプルー、作り方は異常に簡単、材料もシンプルで、変わったものは何も使わないのだけれど、いかにも
「東南アジアの味」
がするんですよね。
沖縄は地理的に、そういうところの文化の影響を強く受けていたりとかするところがあるんでしょうね。
特別な調味料を何も使わなくても、手軽にエスニック料理が楽しめる。

さらにこのソーミンチャンプルーも、タンパク質に野菜、タンパク質、すべてが入った完全食だから、お昼の食事とかにパパっと手間をかけずに作るのうってつけ。
僕もしょっちゅう、ソーミンチャンプルーをお昼ごはんに食べてます。

というわけで、ソーミンチャンプルーの作り方。

材料はまずツナ缶。これはノンオイルのやつじゃなく、きちんと油が入ったやつを選んでください。
それにニラ。
素麺。
以上。
調味料も、塩コショウだけです。
シンプル。

素麺はあらかじめゆでておく。
素麺って、フライパンでゆでるといいですよ。
片手鍋とかに比べればお湯の量もたっぷり入るし、底面が広いから、火力をめいっぱいの強火にしても、鍋の端から火がはみ出たりしない。
後から炒めるのでフライパンを使うから、調理器具を色々使わなくてもすむことになるしね。
ちなみにほうれん草とかをゆでるのも、フライパンは便利です。

素麺はゆで時間2分ですが、あとから炒めるから、ちょっと短めで上げてしまう。
ザルにとって、水にさらしてもみ洗いし、よく水を切っておく。

炒め開始。
まず油も何も引かないフライパンに、ツナ缶をまるごと投入。
中の油もすべて、そのまま入れてしまいます。
このツナの味がたっぷり染み込んだ油を、炒め油としても使用するということが、この料理のポイントになるんですよね。

ニラを入れる。
ニラがしんなりするまで軽く炒める。

続いて素麺を入れ、適当に炒めて、塩コショウで味付け。
塩は、すでにツナ缶の塩味があるから、「ちょっと少ないかな」というくらいでちょうどいい。
以上で完成。

こんな簡単な話なのに、どこかエスニックなソーミンチャンプルー。
ぜひお試しください。