韓国と言えば、やはり韓国料理。今回の韓国行き、とくにB級グルメを中心に、フルに満喫してきた。
韓国料理と言えば、まずは何と言っても、朝食。韓国では「朝食」(チョンシク)という物が、ただ朝食べる食事、というだけでなく、一つの様式としてあるみたいで、例えばこんな感じ。
釜山・新東亜市場地下食堂の朝食
これで4,000ウォン、450円くらい。
ご飯に白菜とワカメの味噌汁、その上にサバの味噌煮、右にスンドゥブ(豆腐のチゲ)、その上にケジャン(カニの辛味噌漬け)、そして胡麻豆腐に、もやしのナムルに、いりこの和え物に、キムチ、カクトゥギ、チャプチェ、海苔の和え物。すごいボリューム。どれから食べようか、迷いながら箸をつけていくのが楽しい。釜山の魚市場の地下にある食堂なので、海産物系のおかずも豊富。韓国の人たち、朝からこれだけのもの食べるのだから、敵わない。
釜山は豚肉料理が有名で、色んな種類の豚肉料理があるのだけれど、そのなかで、トェジクッパ(豚肉クッパ)。
釜山・四面(ソミョン)トェジクッパ通りのトェジクッパ 4,500ウォン
これは豚の背骨をぐつぐつ煮込んだスープに、ゆで豚とご飯、薬味が入っている。それに自分で、一緒に出てくるニラやアミの塩辛、それに塩で味をつけて食べる。生の青唐辛子とにんにく、玉ねぎが見えると思うが、これは味噌をつけて、そのままかぶりつく。けっこうな刺激だが、色んな料理の副菜として、わりかし普通についてくる。すごい。
あとカムジャタン。
釜山南浦洞・豚足ストリートの外れにあるトェジクッパ屋のカムジャタン 5,500ウォン
これは出汁を取るために使う豚肉の肉付背骨が、そのままガシャガシャ入っていて、そこにジャガイモが一つ、ぼこっと入っている。ちょっと辛いが激ウマ。
釜山・海雲台(ヘウンデ)に、ソコギクッパ(牛肉クッパ)の店が何軒か連なっている場所があって、そのうち二件が隣同士で張り合っているのが、微笑ましくも笑える。
海雲台のソコギクッパ屋
創業者なのだろうと思うが、おばさんのでっかい写真入の看板、どちらが先に出したのか知らないが、それを追っかけたのだろう。店にいる客の人数を確認し、多かった左の店に入ってみた。
海雲台のソコギクッパ 2,500ウォン
とろとろの牛肉の入っているクッパだが、それほど辛くない。店の前には大きな釜が三つ、そこで肉と野菜を煮込んでスープを作っている。
ソコギクッパ店の店先
コクがあってまろやか、日本人好みの味だし、この看板と大釜のパフォーマンスをそのまま導入して、日本で店を出したら、けっこう流行るんじゃないかと思った。
四面のトェジクッパ通りにあった、カルグクスという麺。
カルグクス 3,000ウォン
肉系の温かい出汁に、うどんみたいな太目の麺と薬味が入っている。これもさっぱりしてうまかった。
あとこれはほんとに、ウドンという食べ物。
ウドン 2,500ウォン
いりこ出汁に醤油と塩で薄く味をつけたような汁で、にんじん、玉ねぎ、ニラ、長ねぎ小口切りと一緒にうどんを軽く煮る。うどんは日本のうどんとまったく同じ。器によそって、韓国海苔、揚げ玉、ゴマをトッピング。これも日本の立ち食いで出したら受けるんじゃないかと思う。キムチの横にある、タクワンに見える黄色いものは、ほんとにタクワン。キムチと色と味のコントラストが良く、ファストフード的な店ではよく付け合せに出てくる。タクワンは日本独自だと思っていたが、韓国由来なのだろうか?
屋台は大きく分けて、昼の屋台と夜の屋台がある。昼の屋台は女子学生や主婦、などで賑わう。
四面の屋台
置いてあるのは、まずトッポッキ。
トッポッキ(食いかけ御免) 玉子入りで2,000ウォン
トクという韓国式の餅の、薄切りではなく棒状のものを、甘辛い汁でからめたもの。
それからおでん。
おでん(食いかけ御免) 一本300ウォン、4本で1,000ウォン
これは魚のすり身を薄く延ばして揚げた、さつま揚げみたいな感じのもの。
あとマンドゥ。
マンドゥ(食いかけ御免) 1,000ウォン
あとパジョン(お好み焼き)なんかが置いてある。まぁどれも手軽に食べられるが、味はそこそこ。
パジョンは、済州島の民俗村で食べたパジョンが、死ぬほどおいしかった。
済州島・民俗村のパジョン
夜の屋台は、サラリーマンやアベック、地元のおじさんなんかが中心だ。
釜山・南浦洞の夜の屋台の光景
昼もそうなのだが、屋台はすべて、オモニ(中年の女性)が調理、接客を一人で切り盛りする。
ある屋台
料理はこんな感じ。
夜の屋台料理
もろきゅう、玉子焼き、鶏砂肝の塩炒め、ホタテ焼き。それにもちろん、ソジュ(焼酎)を飲む。屋台のオモニを相手に、道行く人を眺めながら飲む酒は、これまた格別。日本で言うと、スナックに相当すると思う。勘定は25,000ウォン、2,800円くらい。食べ物の値段にしてはちと高いが、スナックと考えれば納得。
街中ばかりではない。ここが?と思うような場所で食べる物が、また大変うまい。
済州島に向かうフェリーの食堂で食べた、プルコギ(焼肉)定食。
フェリー食堂のプルコギ定食 6,000ウォン
済州島のサウナの軽食コーナーで食べた、カルビタン。
カルビタン 5,000ウォン
韓国はほんとに、B級グルメ天国。日本にも相当するものは色々あるが、全体のエネルギーとしては、韓国がはるかに上回ると思う。
またそのどれもが、日本と比べた場合、圧倒的にうまい。日本の場合、安い食事を出す店はチェーン展開されていて、本部から送られてくる食材を、現場で加工する、という形になっていることが多いと思う。それに対して韓国のB級グルメは、その店や屋台を仕切るオモニが、一から作る。特にどこでもスープがうまいのだが、すべてのスープは現場で時間をかけて取られている。これは敵うわけがないのである。