コメント で教えてもらった店。
広電楽々園から北に行って、「八昌 」があるのと同じ通りにある。
ちなみに八昌の前を通りがかったら、オヤジさんが外でタバコを吸っていた。
僕はまだ、この八昌のオヤジさんが焼いたお好み焼を、食べたことがないんだよな。
他の人が焼くのとそんなに違わないとは思うが。
そんなことはいいが、「サーガル」。
入り口を入るとすぐ右手に、釜が設置されていて、そこでナンを焼いているインド人のお兄さんが、愛想良く挨拶してくれる。
憎めないよな、インド人って、そういうとこ。
そこが中国人とは違うところだ。
ランチは840円で、カレーを9種類の中から1種、ナンまたはライス、ドリンクを7種類から1種、選ぶようになっていて、それにサラダがつく。
やはり基本から攻めるべしと、最近学んだこともあって、チキンカレーを食べることにした。
辛さは中辛。
それにほんとはナンとライス半々が良かったのだけれど、それは出来ないとの事だったのでナン、食後にホットのチャイ、以上を選択。
サラダ。
玉ねぎに唐辛子がかかっている。
チキンカレー。
ナン。
このカレー、ひとことで言うと、僕が小さい時、家でカレーを作ると、翌日余ったカレーに牛乳を足して温め直していたのだが、まさにその味がする。
まずスパイスが、いかにもインドカレーというような、異国情緒満点の風味がするのではなくて、「カレー粉」という感じの、懐かしい味なのだ。
色もまっ黄色。
この頃は日本のカレーは、みな茶色くなってしまって、こんなにまっきっきなカレー、古い洋食屋とかでしかお目にかからないよな。
それからたぶん、実際に、牛乳かクリームをたっぷり使っているのだと思う。
でもよくありがちなインドカレーのように、脂っこい、という感じは全くなく、食べ終わって腹にもたれるなんてこともなかった。
「マイルド」という言葉がぴったりだな。
想像だがこの味、日本で店を出すにあたって、どんな味にしたらいいか、日本人がどんな味を好むのか、検討に検討を重ねた結果なんじゃないかという気がする。
そのキーワードが、「カレー粉」と「牛乳」だったんじゃないかと思うんだよな。
ナンも、自然な甘みがする。
砂糖がたくさん入っているという感じはしなかったので、たぶんこちらも、牛乳が入ってるんじゃないかと思う。
インドカレーとしては、珍しい味だと思うが、大変おいしく、最後まで一気に食べ、とても満足した。
食後のチャイ。
というか、メニュー上は、「ミルクティー」。
実際これ、ショウガやスパイスが入っていない、ほんとに普通のミルクティーだった。
スパイスが入っているのは「マサラ・チャイ」と言って、別に単品で頼まないといけないのだそうだ。
まあランチは安いから、値段的なことが第一の理由だと思うので、別にこれが不満だというわけではないのだが、この、チャイが普通のミルクティーだということも、この店の姿勢を表す事の一つだと思う。
インド人が作るインドカレーの店で、チャイが普通のミルクティーだったことは、今回が初めてだったから。
日本人には、スパイスの本当のおいしさは分からない、そう思っているんじゃないかと思う。
そしてそれは、たしかに正しい。
だしと醤油で育った人間に、そんなものが分かるわけないのだ。
実際最近よくある、日本人の作るインドカレーの店のスパイスの味、どれも似たような感じがすると思うのだが、あの同じ味が、インド人のインドカレーの店でしたことはない。
「このカレーは、昔ながらの欧風カレーとは違うんですよ」という、流行を追いかけた、記号としての意味しかないんだと思う。
そこのところをはっきり割り切った、というか、見切った、この店、けっこうな戦略家なのだろうと思う。
サーガル (Sagur) (インドカレー / 楽々園)
★★★★☆ 4.0