昨日の晩酌は・・・。
豚レタスみそ炒め。
昨日は昼間、たまたま肉屋の前を通る機会があったので、豚コマ肉を買った。
豚コマ肉は、スーパーより肉屋が、どういうわけか、安くてうまいとぼくは思う。
この肉屋は特に安くて、100グラム90円。
ただいつも買い物に行く魚屋や八百屋とは、商店街の反対側の端にあるので、こうしてついでの時でもないと行きにくい。
べつに昨日、豚コマ肉が食べたかったわけでもなく、2~3日中に使えばいいやと思っていたが、買うと食べたくなってくる。
それで豚コマ肉をどうやって食べるか、考え始めた。
豚コマ肉は、やはり炒めるのがうまい。
冷蔵庫にスナップエンドウがあるから、それと炒め合わせようかとも思ったけれど、なんだか普通すぎる。
食べるものは、うまければいいのであり、普通でいけないことはないとも思うけれど、それだとやはり、つまらない感じがする・・・。
そこで思い至ったのが、レタス。
冷蔵庫には、レタスも入っている。
生で食べるのが普通のレタスを炒めるのは、スナップエンドウよりは面白そうだし、第一炒めた豚肉とレタスは、相性がよさそうだ。
そこまで決まれば、あとは味付けについて考える・・・。
まずはコク出しに、玉ねぎのうす切りを入れる。
味は、豚肉といえばショウガ焼きが定番だけれど、相手はレタスだから、回鍋肉風に甘辛いみそ味がうまいんじゃないか。
さらにそれを、白めしに乗せてどんぶりにしたら、絶対いいに違いない・・・。
と、思って夜になった。
昨日は晩酌前に、「スピナーズ」へ行った。
例によって飲み過ぎて、ヘベレケになって帰ってきたから、もうご飯が炊けるのを待つ気力がない。
どんぶりの予定は変更し、ひやむぎに乗せることにした。
ゴマ油と輪切り唐辛子を入れたフライパンを強火で熱し・・・、
豚コマ肉200グラムを炒める。
豚肉の色が変わったら、合わせ調味料を入れる・・・。
合わせ調味料は、赤だしみそ(豆みそ)と酒、みりんを大さじ2と、砂糖大さじ1。
少し炒めたら、大きめにちぎったレタス半玉分を入れ・・・、
しんなりするまで炒めて、味を見て塩加減し、ゆでて水で洗い、熱湯で温めたひやむぎの上に乗せる。
予想通り、豚肉とレタス、甘辛いみその相性は最高。
ご飯だったらもっとうまかったと思ったけれど、ひやむぎでも十分うまかった。
昨日の昼めしは、冷やし生醤油うどん。
昨日はスピナーズで、20代の男性、30代の男性と話をした。
いつもなら若い人と話すと、説教になってしまうぼくなのだけれど、昨日は珍しく、話がさわやかに盛り上がった。
「以前は、いい大学を出て、いい会社に入って、結婚して、子供を作って、家を買って、幸せな家庭を築いて・・・、というのが、日本人にとって『幸せ』の黄金パターンだったけれど、バブルの崩壊でそれは崩れた。
今は一人ひとりが、『自分にとっての幸せ』を見つけて行かないといけない時代になっていると思う」
という、ぼくの日ごろの持論がきっかけだった。
20代の男性が、まずはそれに食い付いてきた。
「ぼくもまさにそうだと思うんです。
実際いま、『自分が将来どうしたいのか』を考えていない人が多いんですが、それではいけないと思うんですよね。
『これからどうするの』
と聞いても、
『いや適当に楽しく、暮らしていけたらいいかな・・・』
くらいの答えしか返ってこないことがほとんどです。
でもぼくは、小さいころ両親が離婚して寂しい思いをしているので、結婚して、幸せな家庭を持つことが夢で、それを目標に頑張っているところです。」
それを受けて、30代の男性は言う。
「ぼくは結婚して、子供もできて、幸せな家庭は手に入れたんですが、今は次の目標に向かっているんです。
それは、
『毎日飲みに行きたい』
ということなんですよね。
飲みに行くために、1回5千円が必要だとして、月に土日を除いた20日間飲むとなると、10万円がかかることになる。
10万円の小遣いを自由にできるようになるために、ぼくは頑張っているんですよ。
10万円の小遣いを使うとなると、普通に給料が上がったくらいでは、カミさんも
『なんでそれを家に入れないのか』
となるから、普通以上に給料が上がってもらわないといけない。
そのためには数字を上げて、それだけの評価をされるようにならないといけないんですよね。
そう考えると、
『仕事を頑張ろう』
と思えるんです。」
二人とも自分の夢を熱く語るから、ぼくも心地よく、聞き役にまわった。
しかし、そのあとがいけなかった・・・。
黙って酒を飲んだせいか、酔いが回り、絶好調になったぼくは、二人が帰るのに合わせて一緒に帰ればいいのに居残って、ギターを弾いて大声で歌い、マスターのキム君に注意されるわ、女性のお客さんを『カラオケに行こう』としつこく誘うわ・・・。
最後は女性のお客さんに体を後ろから押され、追い出されるようにして店を出た。
「またやっちゃったね。」
まったくトホホだよ。