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2011-01-20

砂肝煮物、かぶ煮物

僕はいつも、スーパーに行って売っているものを見ながら、献立を考えるわけで、これはこれから料理を始めようという人には絶対に薦めたいやり方で、何を作ろうか考えるためにレシピ本とにらめっこしてしまい、レシピ本に過度に依存してしまうということを避けることができる。
スーパーにおける材料との出会いというのはあるもので、特売で安く出ていたりとか、いつもはないものがたまたまその日だけ出ていたりとか、たまたまその日、それがすごく食べたいと思ってしまうとか、材料を見たときの自分の心の動きをきちんと読み取り、それに忠実に従うことができれば、物事はだいたいうまくいく。
栄養だなんだと、いろいろ気を付けないといけないことが、本には書いてあったりするわけだが、そんなものはすべて無視しても、自分がほんとに食べたいと思うものを食べているかぎり、あまり大きくまちがうことはないというのが、僕の持論。
魚などの鮮度も、いかにもおいしそうに、サバやイワシがピカピカと青光りしていたりするものは、だいたいうまい。

ただその場合、問題になることは、食べたいと思ったものの料理法を、知らない場合があるわけだ。
いかにもうまそうなイワシがあったとしても、それをどう料理したらいいのかがわからない。
そういう場合にいちばんいいのは、店の人に聞くこと。
スーパーでも、調理場が売り場から見えるようになっているところも多いし、そうでなくても、従業員の出入口から呼べば、誰か出てきてくれる。
鮮魚コーナーのお兄ちゃんとか、まちがいなく、ものすごくていねいに教えてくれる。

もし夜遅かったりして、鮮魚のお兄ちゃんがもう帰ってしまっていたりして、誰にも聞くことができないとかいう場合、それでもその、料理法のわからない材料を、とりあえず買ってみるというのも、また悪くない。
これはかなりの勇気がいるのだが、ちょっとした冒険の気分を味わうことができる。
どういう料理の仕方をしたって、スーパーに売っているものを食べて死ぬことなどないのだから、泥縄式にネットを検索したりしないで、自分が思うとおりにやってみる。
失敗してまずくなり、悲しい思いをすることもあると思うが、冒険というのはそういうものだ。
そのかわり自分が思ったとおりのやり方をして、成功したときには、とてつもなく嬉しい。
この嬉しさが、料理をするということの醍醐味なのであって、どんなにレシピ本に書いてある通りに作って、おいしいものができたとしても、それだけでは、人生を豊かにするものは何もないというのが、僕の考え。

というわけで、昨日はスーパーへ行って、特売の日ではなかったので、あまり安いものも、変わったものも出ていなかったので、どうしようかと色々ぶらぶら眺めていると、それなりに見つけたりはするわけだ。

まず砂肝。
これは僕は、ほとんど使ったことがないので、これを生姜煮にしてみることにした。

それからかぶ。
僕はかぶはけっこう好きなのだが、今年の冬はまだ一度も食べていなかったから、これをお揚げといっしょに炊いてみることにした。

砂肝は、2つのコブがつながっているので、これを半分に切る。

ショウガはたっぷり、コブ一つ分をまるまる使い、それを千切りにする。

これを鍋に入れ、酒をドバドバと入れる。
水は入れずに煮ようという企画だ。

それに醤油とみりん。
汁の量は全体として、砂肝がかぶる程度にしておく。
火にかけ、味を見て、辛ければみりん、甘ければ醤油を足す。

煮時間だが、これは砂肝が、ちょっとコリコリしたくらいがうまいだろうということで、10分と決める。
10分で、煮汁をそこそこ煮詰めたいので、初めは弱めの火でスタートするとして、このままでは煮詰まらないと思ったら、火を強くする。
フタはせず、そのまま煮詰めて、10分後に、汁が多少は残っているという状態する。
火を止めてからも、味はしみるので、汁を上からかけたり、上下をひっくり返したりして、煮汁をからめながら冷ましたら出来上がり。

かぶを炊くのに、だしをどうしようか、いろいろ考えたわけで、ふつうなら事前にまずだしを取って、それを使って煮るというようにするわけだけれど、そうすると、煮汁の量を材料の量をきちんと見極める前に決めないといけないし、だいたいだしというものを分離して、べつに取るというのは、いくつもの料理を次から次へと作る料理屋や、人数の多い家庭だったら、もっともなやり方だとは思うが、一品くらいの料理を作る場合だと、段取りとしてあまりに無駄が多い。

そこで、煮ながら同時にだしも取ってしまうことにして、鍋に少し水を入れ、そこに昆布をひたしておいて、その上から切った材料を、どんどん入れておくことにした。

かぶはよく洗い、茎と葉はざく切り、実の部分は皮をむいて、縦に8等分にする。

お揚げも好きな大きさに切る。

これを鍋に入れたら、ものすごい量になってしまった。

水が上がるのを見越して、ちょっと少なめに水を張り、だしパックを入れ、これは写真では上にあるが、当然中に押し込んだわけだが、酒と淡口醤油とみりんで自由に味を付け、火にかける。

ところでかぶを炊く場合、最大のポイントは、煮時間なのだ。
かぶは驚くほど早くやわらかくなるから、大根と同じようなつもりで煮ていると、ドロドロに煮崩れてしまう。
なので、沸騰してから3分。
それで火を止める。
今回これで、煮崩れる寸前という感じだった。
2分でもよかったのかも。
火を止めたらこれも、そのまま冷まして味をしみ込ませる。

砂肝の生姜煮。
これはさすが、水をまったく使わず、酒だけで煮ただけあって、味は濃厚、最高にうまかった。
煮時間10分というのもバッチリで、砂肝はコリコリの歯ごたえ。
肉や魚は、酒だけで煮たほうが絶対うまいのだ。
ただ酒は高いから、量が多い場合は、なかなかそこまでできないが。

かぶとお揚げの炊いたん。
これもかなりバッチリ。
だしも、煮ながら取るのでまったく問題なかった。
でも大鍋いっぱいのかぶは、やはり多すぎて、湯豆腐のために豆腐を買ってあったがそれは翌日にまわし、すごく頑張って食べることになってしまった。
上の写真でも全体の1/4ほどなわけで、なんとか半分は消化したが、まだ半分近くが、ベランダに保存されている。
あとで気が付いたのだが、これは全部を炊いてしまわないで、半分は塩をふって一夜漬けにしたりしてもよかったな。

昨日はそうやって、かぶをがんばって食べたおかげで、酒は2合。
まあしかし、2合というのはちょうどいい量ですね。