休日というと土曜と日曜ということになるのだが、やはり誰でもそうだと思うが、土曜のほうが圧倒的に開放感がある。
日曜は、翌日からまた、頑張らないといけないからな。
その開放感に、存分に浸るとなると、やはり何といっても昼酒。
昼酒は一日を棒にふるということと引き換えに飲むものだから、このあまりにも無意義なことを、人前で堂々とやるということの快感が、酒を余計にうまくさせる。
気を付けないと廃人になりかねないという、この危うさが、たまらないわけなのだな。
しかしなぜこういう危ないことが、人間は好きなのかな。
こういう無意義なことって、やっぱり「死ぬ」ということと関係あるのじゃないかと思うのだが、人間誰しもそのうち死ぬわけだから、それを求めているところが、心の奥底にあるということなのじゃないか。
僕は死ぬのが怖いとは、一度も思ったことがなく、まあ始まってしまった人生だから、なんとか有意義にはしたいとは思うが、べつに明日死んだとしても、それほど問題は感じない。
まあどうでもいいが。
これは広島にいた頃についた習慣だな。
家の近くで、昼にやってるすし屋のなかでは、一番いいのはここ、源八鮨。
ということで、今日も来てみた。
ここはとにかく、気取らないのがいい。
すし屋というと、どうも気取ったところが多く、親父が講釈したりしがちなわけだが、僕はそういうところはあまり好かない。
ここはすしも、関東風と関西風の両方を出し、さらに食堂料理、居酒屋料理、ひと通りをすべて出す。BGMは昔の歌謡曲。
昼に来るお客さんはだいたい、すしよりも定食みたいなものを食べ、しかも全員酒を飲んでいる。
酒飲み天国とはこのことなのだ。
ちなみに今日は、熱燗は一本にしておいた。
それ以上飲むと、ほんとに一日、何もできなくなってしまうからな。
って、セコイか、それ。
ここがもう一つ、いい理由は、とにかく安い。
この上盛りあわせ、1,600円なのだが、マグロにしても、ハマチにしても、ネタがでかい。
1センチはあろうかという分厚さ。
鮮度もそこそこ悪くない。
シャリがまたでかくて、個数もたっぷりあるので、これだけで完全にお腹いっぱいになる。
このなかで特にうまいのは、真ん中あたりに鎮座ましますサバずし。
これはやっぱり関西なのだな。
旬で脂がのりまくったサバを、ちょうどいい加減にしめてある。
焼きハモに甘辛いタレをまぶしたものがのっている。
「京都にしかないやろね」とのことだった。
京都らしい、手の込んだ味がする。
お勘定は以上で、2,300円。
かなりいいのじゃないですか。
それでこのあとは、言うまでもなく昼寝と洒落こんだ。
ごくらくごくらく。