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2009-06-17

楠木町 「大芝食堂」の中華そば

広島には「食堂」というのがけっこうあって、基本、カフェテリアスタイル、って最近の言葉を使ってみたが、焼いた魚やらおしたしやらのおかずがショーケースみたいなところに並んでいて、好きなのを選んで取って、あとご飯と味噌汁を頼む、みたいな風になっている。
これは東京では見たことがない方式で、まあたぶん、昔はあったんだけど、なくなっちゃたんだろうな、人が多いと食券だなんだとやらないとメチャクチャになってしまうのだろうが、これで済むなら、出すほうも食べるほうも、その方が簡単だものな。

それでその食堂、だいたいはうどんみたいなものをおかずとは別に出す場合が多いのだが、その中で、ラーメンを出すということが、けっこうある。
この食堂のラーメンが、意外にうまい場合が多いのだ。
きちんと自分でだしを取り、本格的にやっている。
誰に教わったということでもなく、自己流でやっているのだと思うが、「ラーメン職人」という言葉すらある今の時代、職人でもなんでもない、修行を積んだこともない、普通の人が、ラーメンを作ろうと思うこと自体が、広島に来て1年が経つのに、まだ東京の思考が頭から抜けない僕などから見ると、こちらはほんとにラーメンというものが、特別なものではなく、土地に根付いた、まさに文化になっているのだなと思ってしまうのだ。

まあそれでここ大芝食堂、うまいラーメンを出すという噂を聞いて、やって来たというわけなのだ。
聞いたらもう40年以上になるそうだが、建物は建て替えをしたのだろう、鉄筋で近代的。
時々ほんとにぼろい、朽ち果てそうな建物の食堂、あったりするが、ここはきちんとお客を集め、稼いできたということだよな。

中華そば420円。
安いんだ、また。
スープは豚骨、だと思う、それほどパンチはないが、きちんとコクがあり、臭いも皆無。
醤油がきつくて塩っぱめの、まさに食堂系と言いたくなる味付けなのだが、食堂のラーメンの醤油がきついのは、やはりご飯を一緒に食べることを前提としているからなのかな。

麺は中細の、かなり黄色っぽいやつ、それを固めにゆでてきて、わしっとした食感が楽しめる。
それに、これも濃いめに味付けされた腿肉チャーシュー、もやしに青ネギ。
全体としてかなりおいしかった。

年配のご夫婦でやってるみたいだが、給仕役のおばちゃん、けっこう年なのだろうが若々しく、話しかけても笑顔で答えてくれる。
まあこのおばちゃんに引かれて通い続けてる、なんて人も多いんだろうな、たぶん。

ちなみに営業は平日の11:30~14:00のみ、店内禁煙、駐車場が2台分あり。

大芝食堂 (ラーメン / 白島、牛田、横川)
★★★★ 4.0