この所毎日ラーメンを食べて、プチラーメン評論家と化している僕だが、今日も先日ブログを見て、ぜひ行ってみたくなったこの店に、米子の帰りに立ち寄ったのだ。
店構えや内装は、基本は昭和系、ってこんな言葉あるのか知らないが、なのだが、店主の、趣味がいいのか悪いのかわからない、独自なテイストが加味されている。
この丸っこい文字、素朴と言えば素朴、人を食っていると言えば、人を食っている。
店内にかかっているBGMは、60年代のブルースやロック、ファンクなどがかかっていて、つぼを押さえたかなりいい感じなのだが、有線かと訊いたら、そうでなく、自分で編集したものを流しているのだそうだ。
昭和系の店舗に、歌謡曲や演歌でなく、ブルースやファンク、一見ミスマッチだが、1960年代といえば、昭和30年代後半から40年代前半、年代的にはぴったり合ってるのだな。
メニューは、ラーメンが、鶏がらの「しょうゆラーメン」と、「とんこつラーメン」、それにつけ麺もあるみたいだった。
とんこつラーメンは、以前の場所で使っていたという太麺と、新たに今回加えたという細麺とで選ぶことができる。
その他何種類かの酒のつまみ。
今は夜の6時から12時頃のみの営業だが、将来的には昼も営業するみたいだ。
とんこつラーメン太麺、600円。
広島のしょうゆ豚骨のラーメン、色々食べてみると、陽気やすずめのように、豚骨のほかに鶏がらとか、昆布とか、野菜とか、色々入れて、複雑な、そしてまろやかな味に仕上げたものと、わりと豚骨ストレート、という感じのとがあるんだな。
この店のは後者、豚骨ストレート勝負。
かなり濃く出していて、こってりしており、表面には厚い脂の層がある。
しかし臭みはまったくないので、色々工夫しているんだろうな。
それに濃いめのしょうゆが合わせてある。
ただどうなんだろう、僕にはこの豚骨ストレート、ひと味足りないような気がしたのだが、まあこれは、好みなんだろうな。
このひと味足りない感じが、素朴な感じがして、逆にいいのかも知れない。
麺は、ちょっときつねどんべいみたいな感じの、太い平打ち麺。
広島ラーメンの麺といえば、だいたい細いのだが、このこってりしたスープに、太い麺はよく合うな。
店主は「東京なんかのラーメンは、太い麺使いますよね」と言っていたが、たしかに、東京では、こってりしたしょうゆ味のスープに、極太麺を合わせたりする。
意外なのだが正解、という感じなんだろうな。
チャーシューはほど良く味付けされ、それに細くない、普通のもやし、青ねぎ、半熟卵。
全体として、伝統的な広島ラーメンを現代風にアレンジしたという感じで、それも麺屋元就みたいな技巧系、ってこんな言葉もないが、ではなく、わりとストレートに勝負している所が好感が持てる。
店主が前に近くでやっていた店は、ラーメン屋から韓国料理屋みたいな店になって、結局閉店してしまったそうだが、どうしてなのかな、飽きちゃったのかな、まあわからないが、今度は頑張って続けてもらえたらいいなと思う。
広島醤油豚骨 長谷川商店 (ラーメン / 横川一丁目、横川駅、横川)
★★★★☆ 4.0