きのうは久しぶりの家めし。グルメシティで豚バラのブロック肉が安く出ていたので、それを角煮にした。
角煮の作り方を料理本で見ると、初めに焼いてみたり、おからを入れたり冷蔵庫に入れて一晩冷やしたり、けっこう手間をかけているものが多い。これは要は、豚バラ肉から出る大量の脂をどう取り除くかということを考えるからで、焼いて脂を出したり、おからに吸着させたり、冷やして固めたり、ということになるわけだ。
しかし豚の脂を取り除く必要など、まったくないのじゃないか。だいたい豚の脂はラードであって、これはわざわざ炒め物に使われたり、お好み焼きに入れられたりするように、うまみが凝縮されたものなのだ。ラーメンだって、分厚い豚の脂の膜がスープの上を覆っているものは、うまいと相場が決まっている。
体にわるいと思うかもしれないが、豚の脂は鶏や牛の脂とちがって、オレイン酸など体によい成分が豊富にふくまれているというのを、ネットで見かけたことがある。沖縄のひとが長生きなのは、豚肉をよく食べるからだとか。これは嘘かほんとかわからないが、もし体のことを気にするのならば、豚の脂をどうこうすることを考える以前に、角煮自体を食べなければいい。
なので角煮は、何も考えずに、ふつうに煮るのがいちばん正しい。酒をがっぽり入れた水でコトコト煮て、下ゆでした大根をくわえ、まず砂糖とみりん、そして2回か3回に分けて醤油を入れて、徐々に味をつけていく。汁が多ければ、最後に火を強めてすこし煮詰めて、火を止めたらしばらく煮汁につけておけば出来上がり。