木屋町通というのは、京都の繁華街の一つで、南北に長くのびる、細い道の両脇に、若者向けの飲食店とか、風俗の店なんかが並んでいるという、東京でいうと渋谷に近いような場所なのじゃないかと思うのだが、道の脇には、高瀬川という、むかし運河だったという、小さな川が流れていて、その川岸に延々と、桜が植えられているのだ。その数が半端じゃないし、また桜の枝が、川面にせり出していたりして、とても風情がある。
この一帯の建物は、とくに京都らしくもない、ふつうの無粋なビルが多いのだが、それを川と桜が、まったくちがう世界へ一変させているようで、昨日まわった平野神社と京都御苑、そして今日この後まわった、祇園白川、知恩院、円山公園、鴨川の中では、ここの桜が、僕はいちばん好きだな。
木屋町通