福岡で最後に食べたラーメン。小屋か何かに見える外観と、この投げやりとも思える店名から、若い人がやっているんだろうなと思ったが、店主はたぶん40代後半から50歳くらいの感じ、夫婦でやっている。聞かなかったが、脱サラでもして始めたのかなという雰囲気。
らあめん450円。ひとことで言うと、無化調ラーメンの出来損ない、という感じ。スープはクリーミーな感じで、店主は丹精こめて、だしを取っているんだろうなと思うのだが、まさに化学調味料に相当するところの味、ちょっとピリッとした舌触りというか、引っ掛かりというか、その部分ががっぽり欠けている。聞かなかったが、化学調味料、使っていないんだと思う。それを補うためだろう、焦がしたニンニクが入れられているのだが、それがそのラーメンとして足りない部分の味を補うことになっていなくて、不満足感だけが残る。
無化調のラーメンって、かなり難しいと思うんだよな。で中には、無化調は身体にいい、みたいな御託を山ほど並べてみたり、またカレーや唐辛子で刺激をつけるという方向に走ったりするのが出てくる。僕は申し訳ないが、そういうことには興味がないのだ。化学調味料を入れても入れなくてもいいから、単品の、普通のラーメンとしての完成度で勝負してほしい。
無化調ラーメンで成功している人達は、今のところ例外なく、魚介だしとのダブルスープなんだよな。やっぱりそれしかないのかなと思うが、この店も、ただ化学調味料を使わずに、精魂こめて取っただしを味わってもらいたいという、趣味の世界に留まっているのではなく、もう一歩、何かの形で踏み出すことがないと、無化調ラーメンが好き、という少数の人を除いては、今後は難しいのじゃないかという気がする。
らあめん坊主 (ラーメン / 天神、赤坂、西鉄福岡(天神))
★★☆☆☆ 2.0