現代史は確かに学校で習っていない。中学でも高校でも、教科書には書いてあったが、授業の都合で最後まで行かなかった記憶がある。また社会人になってからは、新聞やテレビなどで断片的な情報を都度目にする事はあっても、一つ一つを体系的に知る機会は少なかった。
そういう意味でこの本は、第二次大戦以後の様々な事件、湾岸戦争、冷戦、ドイツ分断、中国、朝鮮、ベトナム、カンボジア等々、直近で起こった出来事から話しを引きながら、その大元の原因や経緯について解きほぐしていく。書名の通り「そうだったのか」と思う事も多く、大変役に立った。
現代史は評価の定まっていない問題も多く、書くのが難しい所もあるだろう。著者は気負わず淡々と、元NHKの記者という事もあるだろう、一般人の常識的な見方に沿った書き方をしていると思う。
それにしても戦後数十年という短い期間で、如何に沢山の人間が殺戮され、虐殺されてきたのか、改めて愕然とする。国家という名の元に行われる人殺し、なくす事は適わないのかと改めて考えさせられた。