今日は「
御食事処おかだ」で昼めし。この店、まさに僕が探し求めていた店だったのだよな。おばちゃんがやってる昔ながらの食堂、クチコミサイトで探してたんだが、見つからなかった。それがこんなに近くにあるとはな。この頃は午後眠くなるというので、昼めしにビールを飲まないことが多いのだが、うまいものを食べようという時に、酒を飲まないというのはやはり反則だな。この店のビールは大瓶なのでちょっと迷ったが、やはり飲むことにした。
きんぴらごぼう。ひとくち食べると牛肉を一緒に炊きこんだのかと思うような濃厚なコク。聞いたら牛肉ではなく朝一番でとっただしで炊くのだそうだが、そのだしの加減なのか、また調味料の加減もあるのだろうな、尖ったところが一つもない何ともまろやかな味。僕が過去に食べたすべてのきんぴらのなかで、これが一番うまい。極薄にささがけされたごぼうは、一晩水に漬けておくのだそうで、舌触りよく、えぐ味のかけらもない。
なすの炊いたん。一度揚げてから炊くのだと思うが、やわらかく煮え、よく味がしみている。これもきんぴらと同様なのだが、味付けが何ともまろやか。死ぬしかない。
こちらでは「ぐじ」というのだが、甘鯛の干物の焼いたん。甘鯛の干物、初めて食べたが、淡白で上品でありながら、ほんのり海の香りがしてうまい。京都の人は鯛より甘鯛の方が好きだと、おばちゃん言ってた。
ビールが終わったらご飯と味噌汁。いやほんとにたまらん。
食後のコーヒー。おばちゃんは豪快なよくしゃべる人で、食べながら話をするのもおもしろい。世間話がいちいちおかしいのだ。ここに再現しようとすると、おかしくなくなってしまうのだが。夜は8時までは開けていると聞いたが、こないだ7時半頃通りかかったらもう閉まっていたと言ったら、この頃は暑いから、お客さんがいないとすぐやめてしまうのだそうだ。たしかにそうやって、無理しないことが、長くつづける秘訣だよな。