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2009-05-27

岩国 「寿栄広食堂」

周南市で仕事だったので、帰りは岩国に寄って、山口県随一の老舗ラーメン店、寿栄広食堂へ行ってきた。

中華そば550円。

麺は広島ラーメンよりやや太め。

実は今日この店でラーメンを食べ、先日「ふじもと」で食べ、ラーメン店の人気の条件というものについて、考え込んでしまっているのだ。
料理というもの一般について言えば、それがおいしい条件とは、やはり良い素材を使い、それを丁寧に手をかけて調理する、ということが、かなり基本的なものとしてあるだろう。
しかし「ラーメンがおいしい」というのは、それとはちょっと違うんだな、たぶん。
自分を振り返ってみて思う事なのだが、日本人の中に「ラーメンの味」というものについてのイメージが、かなりはっきりしたものとしてあり、要はそれとどれだけ重なるか、ということが、うまいかまずいかを決めるのではないかと。
それでそのイメージのポイントが、「うまみとコク」なのじゃないかと思うのだな。
これはカレーにも同じ事が言える気がするが。

この寿栄広食堂のラーメンも、まさにそれとの合致度が高いのだと思う、だしの味はほんとに抑え目にしてあり、化学調味料の大量使用でうまみを増し、そして背脂を入れることで、コクを出す。
ふじもとも同じなんだな、魚粉を使ってうまみを増し、やはり背脂でコクを出す。
だしをどれだけ丁寧に取るか、などということではなく、そういう、あざといまでに日本人のツボを突きまくる、そういうものがおいしいという評価を得、人気を博す、ラーメンとは結局そういう世界なのじゃないかと思い始めてしまったのだ。
まあもちろん商売でやっているわけだから、当然それで良いわけだけど、なんだか虚しいというか、殺伐とした感じがするというか、そういう気持ちになってしまっている。
ちょっとラーメンに深入りし過ぎたかな、この所。
それともこの関門をくぐり抜けた先に、もっと広い世界があるのかな、ラーメン。