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2012-04-23

手軽でうまい。
「ナスとニシンの炒め」
「トマトと卵の炒め」



「和食の方法論的な意味での進化は、鎌倉時代で止まってしまっているのじゃないか」

と思い始めているんですよ。



料理の歴史をふり返ってみると、一番大昔は、「生」で、塩などをかけただけで食べていたと思いますけど、そのうち「干す」ことをし始めるようになったでしょう。

塩をした魚を、そのあたりに置きっ放しにしてしまったものを食べてみたら、「生よりうまいじゃないか!」みたいなこと、あっただろうと思いますよね。



そのうち、いつ頃かわかりませんけど、「火」が発見されたでしょう。

火で「焼く」ことができるようになると、料理の幅は、はるかに広がることになる。



人間はかなり長いこと、「生」「干す」「焼く」くらいの方法で、料理をしていたのでしょうが、やがて世紀の大発明がされることとなった。

「鍋」の発明ですよね。

日本では、「縄文式土器」が1万6千年ほど前に発明されたと言われていますが、これによって「煮る」ことができるようになり、料理は決定的に進化した。

「スープ」が登場することになったんですね。



それまでは個別の食材を、それぞれ料理しないといけなかったものが、煮ることができるようになると、多くの食材をあわせて、それらから出てくるさまざまな味を、「スープ」として1つにまとめることができるようになった。

さらにスープは、煮詰めることにより、「ソース」へと発展していく。



だいたいこのあたりで、和食の基本的な「方法」は出そろって、和食はあとは、その中で内容をひたすら深化させるということになったと言えるんじゃないでしょうか。



ところが世界の趨勢は、この後さらなる技術革新を迎えることになる。

鉄器の製造と、石炭による強い火力を手にすることにより、「炒める」ことが行われるようになるんですよね。



中国では、ちょうど日本の平安時代の後期にあたる、「北宋」の時代から、炒め物がされるようになったのだそうです。

どっちが先かは知りませんけど、中国とシルクロードでつながったヨーロッパでも、おなじような時代から、炒めることを料理に取り入れるようになったのでしょう。

それ以降、現在に至るまで、料理法のスタンダードは、

「まず炒め、それから煮る」

ということになった。

高温で炒めることにより、調理時間を短縮したり、食材のクセをやわらげたり、油により、さらに多様な味付けができるようになったりしたわけですよね。



ところが日本は、その世界的な料理の発展の、蚊帳の外にいた。

江戸時代が終わるまで、和食の料理法として「炒める」が取り入れられることは、ほとんどありませんでした。



日本は平安時代以降、徐々に閉鎖性を強め、ついには鎖国までして、海外の文化を取り入れるのをやめてしまったんですから、料理法についても、その一環だったということができるのでしょう。

日本が閉鎖された中で、独自の文化を反映させることは、「ガラパゴス化」と揶揄されることも少なくありませんが、日本は閉鎖的であることで、自国の独立を勝ち得てもきているのですから、閉鎖的であることが悪いと言うつもりはもちろんありません。



しかし和食で「炒める」ことがされないのは、何か本質的な理由があるのでなく、ただ歴史上の偶然の産物だったとすると、べつに和食であっても、炒め物があってもいいということになるわけです。

炒め物というと、どうしても「中華」か「イタリアン」になりがちな現代、「和風の炒め物」には、広大な未開の天地が広がっているようにも思えるんですね。



* * * * *



そういうわけでこのところ、いくつかの和風炒め物に取り組んできているわけなんですが、昨日やってみたのは「ナスとニシンの炒め物」。

ナスを「ソフトにしん」と炊き合わせるのは、お惣菜の定番ですが、これを「炒め煮」で作ってみる。

ニシンは、「蒲焼き」で食べたりもしますから、焼いてから、甘辛い味をつける料理法は、まったく悪くありません。



ちょっとたっぷりめのサラダ油で、大きめに切ったナスを、中火で気長に炒めます。

火が通ったナスは、皿に取り出しておく。



次に1口大に切ったソフトにしんを、こんがりと焦げ目がつくまで、サラダ油でじっくり炒める。




ニシンが焼けたら、

「砂糖小さじ1、醤油大さじ1、みりん大さじ1、酒大さじ2、水大さじ3、おろしショウガ小指の先くらい」

というくらいのタレで、2~3分煮ます。

煮汁がなくなってきたら、火を強め、片栗粉でとろみをつければ出来あがり。



ナスとニシンの炒め。

山椒と七味唐辛子をたっぷり振って食べます。

ただ煮付けるより、こんがりとして、また油のコクもでますから、とてもおいしいです。

唐辛子や山椒は、後から振るのでなく、料理の最中にいれるようにしても、よかったかもしれません。



* * * * *



あとは「トマトと卵の炒め」。

これは和風も中華も洋風もなく、定番中の定番ですね。



多めのサラダ油で、卵を大きめのかたまりに、中火でふっくらと焼く。



卵をいったん取り出して、あらためてサラダ油を引き、トマトを強火で炒める。

トマトの皮は、湯剥きしたほうが歯応えはいいですが、べつにそのままでも、べつに問題ありません。

トマトがしんなりしたら、砂糖と塩、それに醤油で味付けすれば出来あがり。



トマトと卵の炒め。

トマトと卵の相性は最高で、これはほんとに、「ほっ」とする味になります。



酒は焼酎お湯割り。

焼酎は、うすく作れば、杯数を稼げますから、割ることができない日本酒と比べると、飲み過ぎる危険が少ないです。



2012-04-22

和風炒め物2品と和風パスタ。
「イワシの梅炒め」
「もやしの高菜炒め」
「高菜とじゃこのパスタ」



炒め物というと、どうしても「中華」か「イタリアン」になってしまいがちなのですが、べつに「和風」の炒め物があってもいい。

そう思って昨日は2品の和風炒め物、さらに今朝は、和風パスタを作ってみました。



まずは「イワシの梅炒め」。



ウー・ウェン「大好きな炒めもの」に、「さんまの甜麺醤炒め」というレシピが載ってるんですね。

フライパンでサンマを焼いて、これに甘辛い味噌ダレで味付けするというものなんですが、これが非常にうまい。

ニンニクが入っているから中華風ではありますが、甘辛い、「蒲焼き」のような味で、和食の感覚とそれほど変わらない。

そこでそれを参考にして作ってみたのが、このイワシの梅炒め。



イワシは、「梅煮」というのが定番ですよね。

梅干しを入れた甘酸っぱい煮汁が、イワシにはよく合うわけですが、これを応用し、イワシに梅干しを入れた甘酸っぱいタレを絡めるようにしてみました。

これは非常によかったです。



◎ イワシの梅炒め

■ 材 料


・イワシ 5~6尾

・梅干し 2~3個



・醤油 大さじ1

・みりん 大さじ1

・酒 大さじ2

・砂糖 小さじ1

・ショウガ1かけ



・サラダ油 大さじ2

・片栗粉



■ 作り方

イワシは、頭のついたやつを買ってきた場合は、包丁で頭と尾びれを切り落とし、腹を割いて、ハラワタをかき出し、水でよく洗います。

頭を落としたやつを買ってくれば、尾びれを落とし、水洗いするだけ。

水をよくふき取って、3等分ほどに切り、片栗粉をまぶしておく。



梅干しは、種を出し、包丁でよくたたく。

これを醤油、みりん、酒、砂糖、それにすり下ろしたショウガと合わせ、よく混ぜておく。



フライパンにサラダ油をいれ、中火で温め、イワシをじっくり焼く。

片面にこんがり焼き色がついたら、橋で1つ1つひっくり返し、反対側を焼く。



イワシの両面が焼けたら、火を強火にし、合わせ調味料を入れる。

鍋を返しながら、調味料をよく絡めつければ出来あがり。



イワシの梅炒め。

これはとてもうまいです。



梅煮と、味付けはまったく同じですが、梅煮が「ふっくら」と煮えるのに対し、こちらは「こんがり」と焼けますから、食べごたえが違うのが楽しいです。

甘酸っぱいタレが、濃厚にからみつくのも、またいいところです。

酒の肴にはもちろん、ご飯のおかず、お弁当などにもいいのではないでしょうか。



これは、骨を入れたままになっていますが、骨は小さな子供でもなければ、問題なく食べられます。

もちろん、骨を外しながら食べてもかまいません。



* * * * *



次は「もやしと高菜の炒め」。

もやしは安くて、お財布にやさしいばかりでなく、栄養も豊富なんだそうですね。

「もやしっ子」などといって、ひ弱なものの代名詞になっていますが、豆が発芽したものですから、豆に含まれる栄養素が含まれているのはもちろん、さらに発芽の作用により、さまざまな栄養素が、新たに作り出されるのだそうです。



ただもやしは味が淡白なので、脇役としての出番は多いけれど、主役というと、「もやし炒め」くらいしか思いつきません。

もやし炒めは、ふつうならベーコンなどと一緒に炒めるところでしょうが、今回は、「高菜とじゃこ」を味出しに使ってみました。

これは大変いいと思います。



◎ もやしと高菜の炒め

■ 材 料

・もやし 1袋

・高菜 ゴルフボール1個分程度

・じゃこ 大さじ1くらい



・うすくち醤油 小さじ1

・酒 大さじ1

・サラダ油 大さじ2

・塩 少々



■ 作り方

高菜は細かく刻んでおきます。

フライパンにサラダ油を中火で熱し、高菜とジャコを炒めます。

火を強火にし、もやしを炒めます。

もやしがしんなりしてきたら、酒とうすくち醤油をいれ、味をみて塩をくわえて、全体を大きく混ぜれば出来あがり。



もやしと高菜の炒め。

これもおいしいです。

好みでゴマ油を使ったり、唐辛子を入れてみたりしても、またいいのかもしれません。



酒は焼酎のお湯割り。

材料費は、総計200円にもなりませんが、十分な満足感があります。



* * * * *



「高菜とじゃこ」が、和風炒めの味出しとして非常にいいことが分かったので、朝はこれをパスタに入れてみました。

パスタですからオリーブオイルを使いますが、相性はバッチリです。



◎ 高菜とじゃこのパスタ

■ 材 料

・パスタ 1人前で適当な量

・高菜 ゴルフボール1個分程度

・じゃこ 大さじ1くらい



・オリーブオイル 大さじ2

・唐辛子 1本

・うすくち醤油 小さじ1

・酒 大さじ1

・塩 少々



■ 作り方

高菜は2センチ長さほどに切っておく。

唐辛子は小さくちぎる。



フライパンに、オリーブオイルを中火で温め、まず唐辛子、それから高菜とじゃこを炒める。

うすくち醤油と酒をいれる。

ここに、時間通りにゆで、ザルに上げたパスタをいれ、塩をほんの少しいれ、全体をよく混ぜ合わせれば出来あがり。

高菜とじゃこに、けっこうな塩気がありますから、塩はくれぐれも、入れ過ぎないのがポイントです。



高菜とじゃこのパスタ。

これも大変、おいしいです。

唐辛子は、好みで量を加減してください。

辛いのが嫌いな人は、べつに入れなくてもかまいません。



昨日は、雲がきれいでした。



2012-04-21

ブロッコリーの和食料理法。
「ブロッコリーとしめじのからし和え」
それに「わかめ炒め」
「高菜のゴマ和え」



「ブロッコリーの料理法」という問題について、

和食に合わない

と僕は思っていたわけなんですが、それは大きな勘違いで、単に

「和食を知らない」

だけだったことがわかりました。



「ブロッコリーを和食で料理する」といって、僕のイメージにあったものは、

「かつお節と醤油をかける」

というものです。

ほうれん草のおひたしの要領です。

たしかにブロッコリーに、かつお節と醤油だけかけて食べても、ブロッコリーの青臭さに味付けが負けてしまうところがあって、あまりおいしくない。

ポン酢をかけてもイマイチです。

しかしだからといって、それで

「ブロッコリーは和食に合わない」

と結論付けてしまうのは、「あまりに早計」というものでした。



「カツオやジャコやのだしに醤油」という味付けは、もちろん和食の基本になるものだといえるでしょうが、それだけのものでないことなど、いうまでもありません。

和食には、だしや醤油にくわえて、さまざまな調味料が使われるんですね。



「ポン酢」に代表されるように、「酸味」をくわえることで、食材の味を引き立てるということがある。

「ゴマ」の風味も、重要なものの1つでしょう。

あとは「辛み」。

唐辛子やら、ショウガやら、わさびやら、からしやら。

そういういろいろな調味料を駆使することにより、和食はさまざまな食材と「折り合い」をつけていくわけなのでしょう。



「調味料」というのも、なんとも不思議なものではないですか。

栄養的にみた場合、調味料は何かの役割を果たしているんでしょうか。

ゴマには「セサミン」という栄養分が含まれているとか、唐辛子には「脂肪を燃焼させる」働きがあるとか言いますが、すくなくとも動物は、調味料を必要とはしないでしょう。

人間だって、塩は別として、肉や野菜をたっぷり食べていれば、調味料をかけなくたって栄養失調で死ぬとは思えないから、調味料はその名のとおり、純粋に「味を調える」だけのものなのでしょう。



「うまい」とか、「まずい」とかいうことは、「栄養になるもの」と「害になるもの」を見分けるために、生物に元々そなわったものなのでしょう。

犬だって猫だって、うまいものとまずいものを見分けられなければ、生きていけないにちがいありません。

でもたとえば「パンダ」なら、「笹」以外のものを「うまい」と思うことはないのに対し、人間だけは、どんなものにでも、「うまい」と「まずい」を感じられる心をもち、さらに「もっとうまいもの」をつくり出せるようにもなった。

その能力は、おそらく「音楽」や「絵画」を生み出すのと、同じものなのでしょう。



不思議なのは、たとえば「肉」には、いわゆる「甘い、辛い、酸っぱい、苦い、塩っぱい」の「五味」は、ないわけです。

肉自体には味がない。

だから人間は、肉には味付けをしないと食べられないわけですが、もし「味」が「栄養」を見分けるものならば、栄養たっぷりの肉に、何かの味があってもよさそうなものでしょう。

また逆に、唐辛子のように、食べなくても問題がなさそうなものに、味があるのもわからない。



だから「味」というものは、単に「栄養」ということだけからは考えることができなくて、それとは切り離れて、人間の、今はやりの言葉でいえば「脳」が、独自に生み出したものだということなんでしょう。


「料理」は、かなりの知的作業であるということなんですね。



* * * * *



というわけで、「ブロッコリー」なんですが、「からし醤油」があうというのをコメントでもらい、昨日やってみたのでした。

「ブロッコリーにからし」は、ちょっと意外な感じもしますよね。

でも考えてみたら、ブロッコリーは「菜の花」と、味も姿もちょっと似ているところがあり、「菜の花のからし和え」は、和食では定番ですからね。



◎ ブロッコリーとしめじのからし和え

■ 材 料

・ ブロッコリー 半茎。今回は、房のところだけで、茎は使いませんでした。房を切りはなし、さらに大きな房は半分に切って、味がしみやすいようにしておきます。

・ しめじ 半パック。べつにしめじは、入れなくてもいいですが、ブロッコリーとしめじは、食べごたえも味も、とり合わせとしていいと思います。

・ じゃこ 1つまみ。

・ 醤油 大さじ1

・ みりん 小さじ1

・ からし 小さじ2分の1


■ 作り方

・ ブロッコリーとしめじは、塩をふった水でさっとゆでます。

・ ゆでたブロッコリーとしめじ、それにじゃこ、醤油、みりん、からしを器にいれ、よく和えれば出来上がり。



なるほど、これは大変おいしいです。

からしがブロッコリーの青臭さや苦味を、うまく消してくれるんですね。

ほかにも調味料を工夫することで、「ブロッコリーの和食料理法」が、まだまだいろいろできそうです。



* * * * *



昨日は他にも、いくつかおかずを作りました。



わかめ炒め。

これは向田邦子のレシピから。

「わかめを炒める」というのは、あまり聞かないと思うんですが、大変うまいです。

ワカメは、乾燥わかめより、塩漬けだけした鳴門わかめとか、今なら生わかめも旬で出回っていますから、そういうものの方がおいしいです。



乾燥わかめは水でもどし、鳴門わかめなら水に浸して塩抜きする。

生ワカメは、まったくゆでていないものなら、サッとゆでる。

よく水を切って、3センチくらいの長さに切る



フライパンにサラダ油とゴマ油を半々くらい、適当な量をいれ、ワカメを炒める。

ワカメは炒めると油はねするので、向田邦子は「塚原卜伝」のように、鍋蓋を片手に炒めたとのこと。

適当に炒めたら、かつお節たっぷりと醤油適量をいれ、ひと混ぜすれば出来上がり。



高菜漬けのゴマ和え。

水洗いしてよくしぼり、好きな長さに切りそろえた適当な量の高菜漬けを、醤油、みりん、ゴマ油、それぞれ少量、それに適量のすりゴマで和える。

これは高菜の食べ方の定番ですね。



ひろうず(がんもどき)の含め煮。

酒とみりん、うすくち醤油で味付けしただしで、ひろうずをコトコト30分ほど炊き、しばらくそのまま、煮汁につけておく。



サワラの西京漬け。

西京漬けは、魚屋で買ってきたもの。

味噌をサッと洗って水気を拭い、焦がさないよう弱火で焼く。



* * * * *



昨日はこれらのつまみで、冷や酒を飲みました。

やはりこういうものが、つくづく幸せを感じるんですね。

このごろ各国料理に手を出していましたので、和食の食卓は久しぶり。

つい飲み過ぎてしまいました。



しかしこの「幸せを感じる」とは、どういうことなのでしょうか。

中華などは、どんなに、死ぬほどうまかったとしても、幸せを感じたことはないんです。

幸せを感じるのは、「和食に日本酒」か、「新福菜館三条店の餃子にビール」の場合だけ。

やはり「日本人」ということなのでしょうか。



朝めしは、「温玉うどん」。

冷凍うどんを釜揚げにして器にいれ、生卵とかつお節たっぷり、青ネギ、それに生醤油をかけて食べる。

冷凍うどんは、お湯でゆがくだけですから作るのもラクだし、また味も、下手なうどん屋のうどんよりよっぽどうまいですから、非常におすすめです。