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2012-08-29

鯛のかぶと煮

昨日の晩酌は・・・。
鯛のかぶと煮。






ご主人がビールやワイン、ウィスキーを飲む場合は、
つまみは肉のほうがいいと思いますが、
焼酎や日本酒など日本の酒には、つまみはやはり魚が合う。
魚の中でも鯛は、日本酒への合い方が尋常ではなく、
つまみの王道と言っていいものだと思います。



魚屋やスーパーで鯛を買う場合、刺身を別とすれば、
頭などのアラにするか切り身にするかの選択がある。
たぶん女性は、アラは料理するのも面倒だし、骨があって食べるのも面倒だから、
切り身のほうがいいと思う人が多いんじゃないかと思うんですよね。

実際値段も、切り身はアラの倍以上する。



でも酒を飲む男なら、圧倒的にアラがいいと思うんじゃないかと思います。



まず第一に、男は頭をありがたがるところがある。
「頭を取る」とか、「ヘッドになる」とか、大好きなんですね。
だから鯛の頭が出てくるだけで、ほんとは値段は安いのに、
すごく豪華なごちそうであるような気がしてしまう。



それから酒のつまみには、チビチビ食べられるものがいい。
お腹が一杯になってしまうと酒がまずくなるから、
酒飲みはつまみをできるだけ少しずつ食べ、
ちょっとでも長いあいだ、酒を飲んでいたいと思うんですね。

その点、魚のアラはこれ以上のものはありません。
骨のあいだからちょこちょこと身をつまみ出したり、
骨をチューチューと吸ったりするのは、
酒を飲むときの儀式としては最高のものだと思います。






鯛のアラは、いちばん簡単に料理するなら、
ウロコだけ取って塩をふって焼き、
ポン酢でもちょんとつけて食べれば十分おいしいですが、
定番はかぶと煮。

たしかに下処理の手間はかかりますが、それほど面倒臭いこともありません。






まず表裏に軽く塩をふり、5~10分くらい置いておく。






80度くらいの熱湯でさっと湯通しし、そのあと水でよく洗う。
残っているウロコをすべて取り、血の塊やぬめりを落とします。






鍋に昆布をひき、水と酒をカップ2分の1ずつ、みりんとしょうゆをカップ4分の1ずつ、
砂糖を大さじ2~3杯入れ火にかけて、沸騰したら、アラと水にさらしたゴボウを入れる。
軽くアクを取って落としブタをし、強めの中火で10分煮る。
調味料の分量は、アラが2人前になっても、変えずに同じでかまいません。






鯛のかぶと煮。







目のまわりのゼラチン質が、また珍味。







口のまわりもうまい。







鯛のうまみがしみたゴボウも死ねる。







「でも最近の若い人はあまり魚を食べなくなったと聞くよ」
そうかな。会社にでも勤めていれば、上司や先輩に飲みに連れて行ってもらって、
魚の食べ方を習っていると思うけどね。






背骨が入っていれば、15分くらいコトコト炊いて、
酒とうす口しょうゆ、それに塩それぞれ少々で味付けして吸物にする。
味がにごるからと何も入れなかったけれど、豆腐くらい入れてもよかった。






さっとゆでたゴーヤにかつお節とポン酢。
これは八百屋の奥さんに教えてもらった食べ方。






酒は焼酎水割り。
つまみがよすぎて、延々2時間半も飲んでしまった。