人間が、ものを「食う」ために費やす労力は、相当なものだと思うんですね。
だいたいはまず、仕事というものが、根本には食うためにある。
もちろん仕事は、食うためだけのものではないですが、一生食うに困らないだけのお金があれば、もう仕事などする必要がないですもんね。
そして消費者としての立場だけを考えても、まず何をどう食べるかを考え、買い物へ行き、実際に料理する。
これを毎日やり続けないといけない。
さらにその手前に生産者の人たちは、野菜や動物を育て、魚を獲り、それを加工して出荷し、お店の人たちがそれを売るという膨大な作業を行なっている。
人間が自分の胃袋を満たすためにそれだけのことをすることが、何の意味があるのかを考えると、それはもちろん、人間が生き残るためなわけで、それでは何のために人間は生きるのかと問えば、そこにはどうも、答えがない。
人間は一度生まれてしまったら、死ぬまでは生きないといけないことになっているんですよね。
生きるというのが、やらなければ仕方のないことなのであれば、どうせなら自分が納得ができる生き方がしたいと、誰でもが思うことでしょうけれど、僕なども思います。
まあそういうわけで、今晩何を食べるかについては、かなりの時間をかけて考えることとなってしまう。
べつに大したものを作りたいと思うわけではないんですが、納得できるものをと思うと、考え付くのにどうしても、30分や1時間くらいは軽くかかってしまう。
しかもそれが、買い物へ行ってコロコロと変わることも、少なくないんですね。
昨日も行きつけのカフェでブログを更新し、そのあと晩飯に何を食べようかを考える。
そうするとそれがなかなか思い付かず、1時間くらいかけた末、豚肉を大根やニンジンと、みそ味で煮込もうと思ってカフェを出る。
でも商店街へ行ったら、今日はやはり、魚屋で何か買わないとなと思いなおす。
魚屋には、今日なら新鮮なイカがあるだろうと考え、それをジャガイモと一緒にトマト味で煮込もうと考えて、魚屋へ行く。
魚屋へ行ったら、予想通り新鮮なスルメイカが200円で売っていた。
女将さんに、スルメイカの食べ方を聞いてみると、
「夏らしく、さっとゆでてショウガじょうゆ。おいしいよ」
とのこと。
「それにしよう」と心が決まり、ゲソは塩辛にすることにした次第。
長い前置きですいません。
スルメイカのことについては、ここで何度となく書いていますが、新鮮なものが手に入れば、ゲソはワタといっしょに塩辛にし、胴は何かべつに料理するというのが、イカを無駄なく味わうために、1つの効率のよいやり方だと思います。
まずは胴に指をいれ、中身とくっついている部分を指が届く範囲ではずしたら、ぐっと力をいれて中身を引きぬく・・・。
塩辛を作るには、ワタの袋にタテに包丁をいれ、器にワタをしごき出す。
小さじ2分の1くらいの塩をふり込み、洗ってよく水気をふき取り、ぶつ切りにしたゲソを漬け込む・・・。
食べる直前に、酒とみりん、それにポン酢果汁をひとたらしして混ぜる・・・。
ゆでイカのショウガじょうゆ。
イカの胴を、タテに入っている軟骨を引き抜いたら水でよく洗い、5ミリ幅くらいの輪切りにする。
ショウガをのせ、しょうゆをかけて食べる・・・。
いただきます!
イカの塩辛・・・。
イカのショウガじょうゆ・・・。
キュウリの浅漬も作った・・・。