今日は所用で山口市へ。空き時間にちょっと観光。
三大名塔とも呼ばれている、五重塔。
いやたしかにほんとにきれいで、ちょっとした庭園の中にあるのだが、小高い山に抱かれるようになっていて、日本人としてのツボを、押さえまくられてしまう。
雪舟庭というのもあって、時間を過ぎていたので中には入れなかったが、やはり同じように、古寺が山に囲まれ、その風情は胸がきゅんとするものがある。
厳島神社の素晴らしさも、波に洗われる鳥居、山に抱かれる神殿。ただ建物自体の美しさではない、自然の美しさの中の人間の営為。人間が自然をどうとらえているのかということ、そのものの表現となっている、建築のあり方。見れば分かるのだ、1500年前の人たちが、いかに自然を愛したのか、ということ。
最近思うのは、日本人というのはもしかしたら、世界で唯一、そのような感覚を持っているのかもしれない。虫の声を雑音としてではなく、ある風情をもったものとして聞けるのは、日本人だけだとも言う。
いろんな国に行ってみて、道路が日本ほどきれいな国はないのではないかと思う。必要以上にきれいなのだ、という気がする。
最近はなくなってしまったかもしれないが、黒電話の下に敷物を敷く、別にそんなもの何の必要もないのだけれど、でもやはり無いのは寒々しい、
今の効率社会の中では切り捨てられてしまいがちなところなのだが、でも日本人は、色んなところで、無意識に、必要以上の何かをし続けているのだと思う。
目的と手段、そのための効率、それを追い求めることにより、近代社会は発展してきた。しかしそれが今、明らかに限界に来ていることを、たぶん誰もが感じている。
近代にたいする批判は、それこそ山のように、提出され続けてきた。それは必要なものだったろう。しかし状況は改善されては来なかったのだ。
人間はどこに向かって進んでいったらいいのか。もちろん食べなければ、生きていけない。しかし人間は、パンのみに生きるものにあらず、である。
食えなくはなりたくないが、夢も捨てたくはない。
今日のお好み焼き。みっちゃんサンモール店。
モールの中にあるので、色々な種類の人に対応しなければいけないだろう。マヨネーズがデフォルトでついてきたのはこの店が初めて。こしょうと七味唐辛子も置いてあった。
しかしこの店は、これまでの店の中で一番と言えるくらい、きっちり丸い、端正なお好み焼きを作っていた。
すべての人に合わせることは、どんなに努力したとしても、できることではない。
いつも変わらず、きちんとした仕事をすることだけが、人を振り向かせることができるのだと思う。