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2012-05-15

一人酒の肴を公開する理由。
「油揚げのはさみ焼き」


酒を呑むか呑まないかというのは、世代的なものも大きいかとは思うんですよね。

僕くらいの世代から上の人たちは、酒を呑むことが、実際にコミュニケーションのツールとして、大きな役割を果たしていたところも、確かにあると思うんです。

人脈は、何より「呑む」ことにより広がっていくというところがあり、僕の世代でも、学生の部活の時代から、会社に入ってからも、とにかく先輩や上司と呑みに行くことが、非常に重要な意味をもっていたというところがありました。

高校時代から、僕より上の世代は多くの人が、例えば文化祭があっても、前夜祭で呑み、文化祭の最中に呑み、文化祭が終わって呑み、ということをしていたのではないでしょうか。



それを大きく変えたのが、インターネットだったと思うんですね。

昔なら、人と気安くつながるには、とにかく呑むしかなかったものが、今やインターネットで、どんどん人脈を広げられるようになった。

ツイッターにしても、フェイスブックにしても、僕自身も実感として、以前でいえば酒を呑んで出来ていったのとおなじような人のつながりが、出来ていくところがあると思えます。

付き合い方としては表面的ではあるけれど、とにかく「知り合い」が、たくさんできるんですね。



ですから今の若い人達は、「人脈」を広げるためのツールとしては、酒を呑むより、インターネットを利用するほうが、はるかに実用的であるということになっているでしょう。

もう酒などあまり呑まないという若い人も、多くなっているのではないでしょうか。



しかし酒なしでは、すでに食事もままならなくなっているような、僕らおっさん世代は、今さら酒をやめろと言われても、できるわけがありません。

毎日の習慣となってしまっているのですから、そんな簡単には変えることができないんですね。

それで僕などは、まったく、何の役にも立たないけれど、家で自炊して、一人で酒を呑むということになっているわけです。



ですから僕が、こうして毎晩の酒の肴を、ブログに載せてアップするなどというのは、一種天然記念物的なところもあるのかもしれません。

何の役にも立たないことを、あいも変わらずやり続け、それを人様に公開するなどということまでしている。

自分がこのブログを続けるにあたっても、それにどのような意味があるのだろうと、実際のところ、考えてしまうことも、ないではないんですね。



しかし、「酒の肴」は、1つの大きな文化であることは、間違いありません。

ただ大酒を食らってしまうのでなく、体を壊さない程度に、酒が「嗜める」ように、先人たちは、大きな努力を払ってきた。

すこしでも酒に合う食事を考えだすことで、酒を食事に取り込み、酒が日常生活に害がないようにしていく。

そのための工夫が、「酒の肴」というものの中に、凝縮されているのではないでしょうか。



人間、「欲望」が、さまざまな活動を駆動していくのは、間違いないことでしょう。

でも欲望が、抜き身のままで、世の中で大手をふって歩くようになってしまうと、やはり世の中は、世知辛いものになってしまう。

そうではなく、欲望をうまくコントロールし、他人に害がないようにしていくこと。

それこそが「文化の力」であるといえるのではないでしょうか。



ですから僕が、ほとんど「過去の遺物」であるともいえる、一人酒の酒の肴を、こうしてブログに公開することも、「酒を呑みたい」という欲望を、先人がどうやってコントロールしてきたのかという、文化の一例を知るという意味で、意義があるといえるかもしれません。

もう僕などは、これまで生きてきた年数より、死ぬまでの年数のほうがはるかに短く、「自分がどう死ねるのか」を真剣に考えざるを得ない年齢に差し掛かっていますから、そういう世代が、自分のやってきたことを、若い世代に伝えることは、それがすでに、役に立たないことであったとしても、まったく意味がないとはいえないようにも思えます。





今日は昼間、人と食事をしてきたので、夜は軽い肴で酒を呑みました。

まずは「油揚げのはさみ焼き」。

油揚げを半分に切り、中を開いて、そこに色々なものを入れてサッと焼く、というもので、中に入れるのは、今日は納豆でしたが、ねぎ味噌とか、おかか醤油とか、チーズとか、色々考えられることになるわけです。

油揚げは、やはり3枚100円とかいう安いのではなく、1枚100円程度の、多少高級なものにした方が、おいしいことはいうまでもありません。


<材料>

・ 油揚げ 1枚
・ 納豆 1パック
・ 細かく刻んだネギ 大さじ1くらい (長ネギでも青ネギでもかまいません)


<作り方>

1. 納豆をよくこねて、ネギを入れ、付属のタレで味をつける。カラシは入れない。油揚げを半分に切り、それぞれ切り口から中を開いて、納豆を入れる。

2. 焼き網か、オーブントースターで、油揚げをかるく焦げ目がつく程度にサッと焼く。

3. カラシ醤油で食べる。



ちなみに中身はこんな感じです。





次は「コンニャクのちぎり煮」。

ちぎったコンニャクを乾煎りし、醤油で味付けするというもので、またこれが酒の肴には最高です。


<材料>

・ コンニャク 1パック
・ 醤油 大さじ3くらい
・ 七味唐辛子


<作り方>

1. スプーンでちぎったコンニャクを、フライパンに油をひかず、弱火で乾煎りする。5分くらいかけ、コンニャクに水気がなくなるまでやる。

2. 醤油を入れ、さらに煎る。醤油の量は、味見をしながら、自分ごのみに調整する。

3. 七味唐辛子をふって食べる。





ゆでナスの酢味噌和え。

ナスは、焼いたり蒸したり、炒めたりというのは定番ですが、「ゆでる」というのは、意外に思い付かないのではないでしょうか。

でもゆでたナスも大変おいしく、1人で2本くらいは、あっという間に食べられてしまいます。

作るのがわりと簡単なのも、いいところです。

今日は酢味噌で和えましたが、これは単に、かつお節をふり、醤油をかけただけでもおいしいですし、そのほかゴマだれとか、カラシ醤油などでもおいしいです。


<材料>

・ ナス 2本

・ 白味噌
・ 酢
・ 砂糖
・ カラシ


<作り方>

1. 鍋に湯を沸かし、ヘタを取ったナスを、大きさにもよりますが、だいたい7~8分くらいゆでる。ナスは浮き上がってくるので、落としブタか、さらをかぶせるようにする。ゆで上がったナスは水に取り冷やしてから、水気をしぼり、2センチ幅程度の小口切りにする。

2. 白味噌と酢は同量くらい、そこに砂糖とカラシをちょっとずつ入れて酢味噌を作り、ナスを和える。





凝った料理より、こういう簡単なものほど、酒にはよく合うので不思議です。

今日は昼間も、そこそこ呑みましたけれど、夜は夜で、いつもと同じくらいは呑みました。





今日は晴れ後雨。

昨日までは寒かったですが、今日は暖かく、こういう春らしいお天気は、ほんとに気持ちがいいですね。