コメントで「本場熊本よりおいしい熊本ラーメン」とのことだったので、チャリを飛ばして早速行ってみた。
今朝は広島、初雪が降ったらしい。
さぶかったー。
この店、撮影禁止だということは聞いていたが、取材自体を断わっているらしい。
さらに子供連れの入店禁止、ビールなどの酒もなし。
土日祝日は休み。
店主はまだ若い感じで多分40歳位じゃないかと思うが、下を向いて黙々と作業をしている。
かなりの職人気質らしい。
出てきたラーメン大盛630円（普通盛と値段はいっしょ）、スープをすするとこれはうまい。
帰りに店主に
「元々熊本ラーメンなんですか」
と訊くと、にやっと笑って
「基本は」
と答えていたが、豚骨のスープに揚げニンニクと香油が入り、一見すると熊本ラーメンのようなスタイルだ。
しかし熊本ラーメン（黒亭 ）と比べると、まず塩気がきつくないのと、何より圧倒的なスープのコク。
黒亭で食べたときスープのコクが足りないと思ったのだが、「あ、やっぱり同じこと思った？」と言いたくなるような感じだった。
麺はちょっと細め、ここは自家製麺だそうだが、広島ラーメンによくあるような中細でまっすぐ、白っぽくてちょっとモソモソした感じの麺を固めにゆでていた。
チャーシューは香ばしくてジューシー、これは熊本ラーメンみたいだな、それにもやしと青ネギ、これは広島ラーメンみたい。
そうこの店、ひとことで言うと「熊本ラーメンと広島ラーメンのあいの子」という感じだ。
熊本ラーメンの欠点であるとぼくが思った（ってあくまで黒亭の場合だけど）、スープのコクが足りないこと、麺が太いが味がないこと、が、広島ラーメンのノウハウを使って見事に補われているという感じなのだ。
餃子430円も頼んだが、ちょっと小さめのが8個、これが多分焼くというより揚げているのだろう、皮にパリッと火が通っていて、しかも中の具はジューシー。
ラーメン店の餃子は特徴のない普通のものであることが多いが、ここは珍しく主張を感じる餃子を出す。
ラーメンも餃子も大変満足し、ラーメンのスープは全部飲み干してしまったが、一つ気になるのはこの店、「あそび」が少ない。
あれもダメ、これもダメと禁止して、客が「楽しく食べる」空間としてはどうなのかなと。
味についてもよく出来ているのだが、隙がない。
物事って隙があったりするほうが、逆に人気が出たりするものだと思うから。
僕的にはラーメンがどんなにおいしくても、ビールが無いというのはポイント低い。
でもまあ、そういう客は来なくていい、ってことだよな。
広島ってこういうストイックな店がけっこうあって、しかもそれなりに繁盛していたりするから、それはそれでいいのかも。
満得 （ラーメン / 舟入幸町）
★★★★★ 5.0
