夜中にどうにも飲みに行きたくなり、仕方ないことがあります。
酒は家で十分飲んでいるから、「酒を飲みたい」わけではない。
また「話したい」というのとも、ちょっとちがう。
1人でいるから人恋しいのかもしれないけれど、ただ飲み屋のカウンターに座っていたい気持ちになる。
飲み屋のカウンターに1人座って、肴をつまみ、グラスをかたむける。
マスターも、こちらが居場所があるくらいには話しかけてくれるけれど、とくべつ話し込むわけでもない。
酒の酔いを感じながら、マスターが立ち働くのを見たり、近くにいるお客さんが話すのを聞いたりしている。
そういうちょっとした孤独感が、なんとも心地いいことになるんです。
昨日はいつものバーへ出かけたら、定休日なのを忘れていて、ドアが開かなかった。
それで近くにある、前に1度だけ来たことがある鉄板焼屋に入ってみた。
もちろん食事はもう終わり、鉄板焼きなど食べられるはずがないから、しらすおろしに酎ハイレモン。
酎ハイが飲みたい気持ちだったから、ちょうどよかった。
店員は若いお兄ちゃんとお姉ちゃんで、お姉ちゃんはショートカットのけっこうな美人。
お兄ちゃんは入口近くの鉄板を、お姉ちゃんは奥の厨房を担当している。
鉄板の前は暑かったから、厨房の前にあるカウンター席へ移動したけれど、お姉ちゃんは出てこない。
べつに接客付きの店ではないのだから、酔っぱらいのおっさんの相手をする義理はありません。
そのうち若い7~8人の団体が入ってきて、それまでガランとしていた店は、急に賑やかになった。
お兄ちゃんとお姉ちゃんは、厨房で2人並んで、酒とつまみを作るので忙しい。
若い人達が頼んでいたのは、角ハイボール。
メニューを見たら180円で、酎ハイを頼むより全然安い。
とそこで、ふと厨房を覗いてみると、お兄ちゃんがお姉ちゃんの腰に手をまわし、耳元でなにか囁いている。
コクリとうなずくお姉ちゃん。
やっぱり思ったとおり、あの2人、デキているんだ。
毎日夜中じゅう、いっしょに働いて、何も関係がないわけがない・・・。
というのは、酔っぱらいのおやじの妄想。
勝手な妄想を、思う存分たくましくした挙句に、酎ハイレモンをおかわりし、お勘定は1100円。
満足して家に帰って、布団に入りましたとさ。
昨日の晩飯は、「ピーマンの肉詰め」。
ピーマン肉詰めは、子供から人気のおかずベスト3に入るとも聞いたことがありますが、僕も子供の頃、好きでした。
あと好きだったのは、豚肉のソテー。
下手に味をつけたのでなく、塩コショウだけのほうが好きでした。
大人になってからは、毎日のように通った渋谷の焼き鳥屋で、やはりピーマン肉詰めをよく食べました。
焼き鳥屋ですから、ピーマンに鶏のひき肉をつめ、甘辛い焼鳥のタレがかかっている。
大将は、どういうわけか、それを「つみれ」と呼んでいました。
昨日はそれを思い出し、甘辛いタレをつけたピーマン肉詰めを作ることにしましたが、作るには、とりあえずはすぐに出来るものから。
じゃこおろし。
大根をすりおろすだけですから、お湯を沸かしているあいだとかにやっちゃいます。
食べる時、醤油をかけます。
あとはあさりを買って、これで吸い物とぬたを作ります。
あさりはまずは、塩水に1時間ほどひたして、砂出しして、両手で殻をこすり合わせながらよく洗う。
青ねぎを洗い、4センチ長さくらいに、ざくざく、と切っておく。
鍋に水を張り、あさりを入れ、酒をドボドボと加えて火にかけて、沸騰したら青ねぎも入れて、アクを取りながら、あさりが全部口をひらくまで煮る。
あさりが口をひらいた頃には、青ねぎにも火が通っているから、4~5個のあさりだけ残して、あとは全部すくい取って、ザルにでも入れて冷ましておく。
鍋に残った汁に、うすくち醤油と塩少々で味付けすれば、あさりの吸い物の出来あがり。
器によそったら、とろろ昆布を入れる。
取り出したあさりと青ねぎは、冷めたらあさりの殻を外して、器に盛っておく。
それから酢味噌も作っておく。
白味噌と、同量くらいの酢、少なめの砂糖、それにちょっぴりのカラシ。
これを味を見ながら混ぜ合わす。
酢味噌は、食べる直前にかける。
これだけやってしまったら、あとはピーマン肉詰めを作ります。
ひき肉は、何でもいいけれど、昨日は豚肉。
200~250グラムくらい買ってきて、10センチ長さくらいの長ねぎをみじん切りにしたの、全卵1個、塩1つまみ、おろしたショウガ少々、片栗粉大さじ1くらいと混ぜあわせ、粘り気が出てくるまでよくこねる。
ピーマン4~5個を半分に割って、中の種をとり除く。
ひき肉のタネを詰めたら、フライパンにサラダ油を熱して中火で焼く。
ひっくり返して、表裏にこんがりと焦げ目を付けたら、肉の面を下にして、フライパンのフタをして、5分くらい、弱火で蒸し焼きにする。
蒸し焼きにしているあいだに、タレを作る。
醤油とみりん、酒をそれぞれ大さじ2、それに砂糖を小さじ1。
蒸し焼きが5分たったら、このタレを入れ、初めは中火、そのうち弱火にして、焦がさないように煮詰めていく。
とろりとしてきたタレを、ピーマンをひっくり返したりもしながら、表と裏によくなすり付ければ出来あがり。
肉が余ってしまったら、ただ団子にしていっしょに焼く。
酒は日本酒常温。
昨日は2合ほど飲みました。
ピーマン肉詰めは、けっこうな量があったけど、軽くぺろりと食べちゃいました。
洗濯もした。