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2011-07-27

炭水化物とおかずをひと手間でつくれる焼きそばは、ひとり暮らしメニューの優等生


一人暮らしで自炊するとなると、メニューに「炭水化物」をどのように取り入れるかというのは大きな問題だ。

「ご飯を炊く」というのが王道ということになるのだろう。
しかしこれは、「どうしてもご飯じゃないとダメ」という場合を別として、けっこうめんどうくさい。

まずご飯を炊くというのが、けっこう手間がかかる。
30分以上前には米を研いで水に浸しておかなければならない。
ご飯が余るとラップにくるんで冷凍庫に入れないといけない。
炊飯器の内釜を洗わないといけない。

さらにご飯を炊けば、どうしたって味噌汁がいるだろう。
ご飯におかずだけというのは、日本人としては普通耐えられない。
そうなるとご飯に味噌汁、そしておかずと、3品も作らないといけないことになる。
これは自分一人の食事を作る手間としては、大きすぎだと言わざるをえない。

そこでなんとか、「炭水化物を含んだおかず」を作れないかと考えることになる。
その解決策として、
「焼きそば」
はかなりの優等生なのだ。



焼きそばにはご承知の通り2種類ある。

1つは、
「具と一緒に炒めるタイプ」

これは作り方として、まず具を炒め、タレを注ぎ込み、そこに焼きそば麺を投入して具と一緒に炒め上げる、という手順になる。
これは炒め物を作るのと、手間としてほとんど変わらない。
洗い物も増えない。
ご飯を炊いて、味噌汁を作って、さらにおかず、というのとは天と地ほどの違いがある。

それからもう1つは、
「あんかけ焼きそば」

これはまずフライパンで焼きそば麺をこんがりと焼く。
焼けた麺は皿にうつし、今度は同じフライパンであんを作る。
炒め物とくらべてひと手間増えるが、洗い物は変わらない。

僕は食事のとき酒を飲むが、やはり炭水化物もあったほうがいい。
そこでこのところ、焼きそばは多投されているのだ。


◎ 焼きそばメニューの基本的な考え方

焼きそばというと、どうしても、
「肉とキャベツを入れて粉末ソースをふりかけたアレ」
を思い出してしまう。
縁日の屋台などで紅しょうがを添えて出てくるやつだ。
しかしいくら何でも、それを毎日食べるわけにはいかない。

中華屋で焼きそばを食べたことがある人なら、縁日の焼きそばとは違った焼きそばがあるのは知っている。
でもそれだって、何種類もあるわけじゃない。
毎日食べるわけにはいかないだろう。

ここで毎日のように焼きそばを食べ続けるための「考え方」が必要となる。
それは、
「焼きそばを、炒め物に焼きそば麺がプラスされたものと考える」
ということだ。

「焼きそば」を一体のものとして考えるのでなく、「炒め物」と「焼きそば麺」とを分けて考えるようにする。
そうすると、この「炒め物」の部分は、「何だっていい」ことになるのだ。

「ゴーヤチャンプルー」に焼きそばを加えれば、
「ゴーヤチャンプルー焼きそば」

「チンジャオロースー」に焼きそばを加えれば、
「チンジャオロースー焼きそば」

自由自在だ。
焼きそばのバリエーションは、一気に広がることになる。

ただしここで気を付けないといけないことが1つある。

「ナスの味噌炒め」のような粘度の高いタレを使う時、麺を一緒に炒めこんでしまうと、麺がパリッと仕上がらなくなる。
そこでそういう場合は、まず麺だけ焼き、そのあと、麺の上に炒め物をかけるという、
「あんかけ焼きそば風」
にする必要がある。


◎ 麻婆茄子やきそばの作り方

というわけで昨日作ってみたのは、
「麻婆茄子やきそば」

パリッと焼いた麺に麻婆茄子をかける。
これはいかにも美味そうじゃないか。

まずはフライパンで麺を焼きます。


多めの油をフライパンにしき、焼きそば麺を入れる。火は強火。
麺をほぐして丸く形をととのえたら、あとはかき混ぜたりせずそのまま焼く。
こんがり焼けた頃になったら上下をひっくり返し、同じように焼く。
焼けたら皿に取り出しておく。

次に麻婆茄子を作るわけだが、これをどのようにするかは考えどころだ。

料理の本を見ると麻婆茄子は、けっこうめんどうくさい作り方がされてるはずだ。

  • 茄子を素揚げする
  • フライパンに油をしき、まずニンニクとショウガ、長ネギ、唐辛子のみじん切りを炒める
  • そこにひき肉を入れ炒める
  • 酒や醤油などの調味料を入れる
  • 水を入れ、素揚した茄子をもどしてちょっと煮る
  • 片栗粉でとろみを付ける
  • ゴマ油をたらして風味付けをする

これはもちろんそれぞれ理由がある。

ナスと油はとても相性がいいので、揚げると美味い。
ニンニクやショウガ、長ネギ、唐辛子等々の香辛料は、油で揚げると香りが引き出される。
ゴマ油を最初から入れてしまうと風味が飛ぶから、最後に入れる。

これらは油の使い方について研究に研究を重ねた、中華料理ならではのテクニックだ。
たしかにこうやると美味いというのは間違いない。

でも物事は、ちょっとしたことを省くだけで、「ずいぶんラクになる」ということがあるものだ。
そこで上の油に関するテクニックは、すべて省くことにする。
だいたい料理の本というものは、必要以上に「テクニック」や「小技」を載せたがるものだ。
しかしおおよそ、そういうものはすべて省略してしまっても、味は大して変わりがない。


まず初めから、たっぷりのゴマ油をフライパンに入れる
火を通すと多少香りは落ちるが、べつに気にするほどのことでもないのだ。

これでひき肉をよく炒める。
ひき肉は本当は豚が美味いのじゃないかと思うのだが、昨日は豚ひき肉、小さなパックがなかったので、牛との合い挽きにしておいた。

ひき肉に火が通ったら、食べやすい大きさに切ったナスを入れる。
ナスは揚げない。炒めるだけ。
ナスは油を吸うから、油が足りなくなったら、ゴマ油を足してもいい。

そこにまずタレを入れる。
タレはたっぷりの酒と、醤油、それにチューブのニンニクとショウガ。
それに韓国唐辛子をたっぷり振り入れる。
ニンニクとショウガはチューブのものを使う
唐辛子は韓国唐辛子を使う。
こうすると、べつに油で処理しなくても、それなりの風味がちゃんと出る。

そこに水を加え、ちょっと煮込む。
最後に「水で溶いた片栗粉」を加え、とろみを付けて出来上がり。
焼きそばの上にかけて食べる。

ところがですねえ、これだけ書いておいて何ですが、昨日はちょっと失敗してしまったのです。
水が少なすぎて、とろみを付けたら、汁気が全く残らなかった。
やはりあんかけ焼きそばは、とろみの付いたあんがパリッと焼けた焼きそばをふやかしていくところが美味しいわけだ。
全くそうならなかったというのは、残念でした。トホホホ…。

でも味については、上の作り方で間違いないです。(と力説)