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2011-07-16

祇園祭 宵々山の楽しみ方

祇園祭の宵山も、二日目にしてようやく、楽しみ方が何となく解ってきたような気がする。
何と言っても重要だったのは、初めからきちんと酒を飲むこと。

「まず全体を把握しよう」などと考えてしまって、初日はビールも飲まずに歩いてしまったのだが、これでは本末転倒だ。
お祭りはやはり自分が盛り上がらないと意味がないわけで、人が盛り上がっているのを外から眺めてしまうことほど詰まらないことはない。
酔っ払って人混みの中を歩くと、喧嘩でもしてしまうんじゃないかと、自分で自分が怖いところがあったのだけれど、さすがに僕もそこまでアホではなかった。


宵山をイベントとして考えると、その楽しみ方としてまず一つには、各所に「山」や「鉾」が飾られていて、歩きながらこれを見て楽しむこと。

大きなものは3階建てほどの高さがある。
これが山鉾巡行の日には、男衆に曳かれてすごい勢いで走り回るのだから、それを想像するだけでワクワクする。

裏通りに入ると、一般の住宅もこの期間だけ公開して、お宝を色々飾ってあったりする。そういうものを眺めるのもまた楽しい。


それからもう一つは、膨大な数の屋台。

宵山は基本は「縁日」で、その広大な歩行者天国の道沿いに、全国のすべての屋台が集結してるんじゃないかと思うくらいの、ものすごい数の屋台が軒を並べている。
まあ屋台など、どれも似たようなものなのだけれど、それを冷やかしながら、いくつか買い食いしてみたりするのは楽しい。

ちょっと話は脱線するが、屋台として
「広島風お好み焼き」
は、やはり定番だ。
「広島焼」と書いてあるのが多いが、広島の人はこれを見ると怒るのだ。
「これは『お好み焼き』だ」
というわけだ。
広島の人が最大に譲歩したものが、「広島風お好み焼き」という名称になる。

それで今回、屋台の中に、きちんと
「広島風お好み焼き」
と書いたのが見つかったから、食べてみようかと思って近付いていったのだ。
ところが焼いているところを見て愕然とした。

卵の入れ方が違う。
本物の広島風お好み焼きでは、本体がすべて焼きあがったその後に、鉄板で卵だけあらためて焼いて、それを本体に貼り付けるというようにする。
それをこうしてキャベツの上に割り落としてしまうというのは、やはり邪道だろう。
ということで食べるのはやめておいた。


話は戻って、「宵山の楽しみ方」について。
浴衣を着て練り歩き、山鉾を眺め、屋台を冷やかし買い食いする。
それももちろんそれなりには楽しいが、でもそれだけだと今一つ物足りないところはあるだろう。
「一般参加型」
という側面が全然ない。
これが東京や大阪などだったら、せっかく歩行者天国があるのだから、バンドやら芸人やらが山ほど集まり、自分たちの芸を競って披露しそうなところなのだが、京都ではそういうものはほとんど見られない。

変な格好をした人が数名歩いていたくらいだ。
これは京都という土地柄のせいなのか、それとも何かの規制があるからなのか、その辺りのことはよく解らないが、何とも不思議に思うところだ。

でも実は、「一般参加型」は存在したのだな。

四条通から室町通を北に入ったあたりで、ハイボールを売っている出店があって、ちょうどビールがなくなったところだったし、また売り子のオネエちゃんが妙に色っぽかったので、つい目が合い引き寄せられて買うことにした。
そしたら
「私達ももらっていいですか」
とくる。
一杯500円のハイボールを買うのに、二人におごって1,500円になるというのでは、ちょっと割りに合わないところだから、一杯だけおごってやることにした。
おごってやったのに、そのままサヨナラするというのももったいないから、
「ここで飲んでいってもいいか」
と聞いたら、
「どうぞどうぞ」
と言われて、奥にある椅子に案内された。
それで結局、30分くらいなものだったけれど、21歳大学生のかわいい女の子を横に侍らせ、キャバクラよりよっぽど楽しい時間を過ごすことになったのだ。

要は宵山の沿道に店舗をかまえる店の人達にとっては、「文化祭」みたいなものなのだな。

ハイボールを売っているのも、べつに飲食店ではなく、「ボディーアート」だかなんだか、肌に糊をつけて上からラメみたいなものを振りかけるという、まあそういう女の子に向けたファッション関係の店なのだ。
しかもハイボールを売っているのは、その店の店員ではなく、常連のお客さんで、その日だけそこで手伝っているとのこと。
だから一生懸命仕事するとかいう必要は全然なく、「自分たちが楽しむ」ことが目的なのだ。
ワケの解らん酔っぱらいのおっちゃんが来て、ハイボールをおごってくれるとなれば、そこで話をするというのも何も問題ないことになる。

ちなみに僕は、女の子に年を聞かれて、「いくつに見える」と聞いたら10歳も若く見られた。
ウハウハだ。


プチキャバクラを後にして次に向かった場所も、やはりそんな文化祭的なところだった。

このブログを見てくれている人から教えてもらったのだが、宵山のエリアの外れのあたりにある裏通り。
ガレージを出店にして、20種類くらいの日本酒が飲めるようになっている。

「ディックさん」というオランダ人が中心になっているようだったが、べつにディックさんもこれが仕事というわけでもないようだったし、売り子のオネエちゃんたちもこの時だけ手伝っているみたいだ。
そこに10人くらいの若い人達が集まり、奥で楽しそうに飲んでいる。
ネットのオフ会のようにも見える雰囲気で、草食系の男女が多く、酔っ払いのおっさんが乱入して雰囲気を壊してもいけないと思ったから、僕はちょっと離れたところで飲んでいて、あまり詳しく話は聞けていない。
まあでも楽しそうな雰囲気だったし、かわいいオネエちゃんもいたから、今日あとでもう一回行ってみようかと思ってる。

変わった日本酒が色々置いてあって、「るみ子の酒」というすごいネーミングのものもあった。
でももうけっこう酔っ払っていたので、味はよく覚えていない。