コメント で、ここのランチが「しびれる」ということで、来てみたのだ。
八丁堀の交差点から見ると裏手にあたるこの一角は、昔は市場だったそうで、たしかにごちゃごちゃして、ちょっと朽ち果てそうな雰囲気も漂わせている。
「はまもと」は、看板こそ外に出ているが、店はこの内部にあり、
いかにも昔の市場という風情の通路を行った先に、入り口が見えてくる。
「お食事処」ということで、昼は定食、夜は一品料理と酒を出す。
看板に「魚屋さんの店」と書いてあるが、実際に鮮魚を売っているわけではないので、もともと市場で魚屋をやっていて、それが食事も出すようになった所、市場がなくなって食事処だけが残った、という感じなのかな。
分からんが。
外の看板を見ると、基本の定食が720円で、それ以外にも850円とか900円のものもあるらしい。
魚料理が中心だが、とんかつとかハンバーグとか、そういうものもあるみたいだ。
入り口を入るといきなり正面に、皿に盛られた魚料理が並べられている。
焼き物、煮物、揚げ物とあって、どれも大振りだ。
これを一品選び、それから
小鉢を二つ選び、それにご飯と味噌汁が付いて、定食完成、となるようだ。
漬物は、取り放題。
これで720円は、確かに安いな。
どうしようかと思ったのだが、やはり魚屋の実力は、刺身を食べてみなければ分からないだろうと思い、
刺身を注文。
たぶんブリ、とマグロとタコ。
切り干し大根と、青菜の煮浸しの小鉢。
ご飯と味噌汁。
ご飯はお代わり自由だ。
さてこの刺身定食、結構きちんとおいしかった。
刺身も生きが良く、小鉢もしっかり味がしみている。
味噌汁がまたおいしくて、具はしじみにわかめに豆腐なのだが、だしがしっかり利いている。
何で取ったのかな。
全体として、昔おばあちゃんの家とかで食べたよな、こういうの、という感じの素朴な家庭料理だが、魚屋だから、魚にパワーがあるんだな。
漁師とかが、家に帰って食べる食事って、こんなのかも、と想像したりもした。
店の雰囲気は、市場感覚の名残だろう、とにかくガシャガシャして、カウンターのみ10席ほどの狭い店内に、食べ物やら、調味料やら箸やらお茶のポットやらが所狭しと置かれ、壁にはメニューを書いた貼紙が、隙間なく貼られているのだが、妙に居心地がいい。
店のオヤジさんも親切で、入り口を入ると、こちらが初めての客だったからだろう、ここからこれを選んで、こっちからこれを選んで、と丁寧に説明してくれるし、お茶だ、ご飯のお代わりだ、といちいち気を遣ってくれる。
気の置けない、親戚の家にでも来たような感じだ。
食事と、雰囲気と、とても満足して店を出た。
この店、夜もすごそうで、貼紙を見ると、おまかせ料理と酒をあわせて5千円というコースもあるようだった。
今度試してみないといけないな。
はまもと (定食・食堂 / 八丁堀、立町、胡町)
★★★★☆ 4.0