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2012-06-19

塩サバの酒焼き、油揚げの袋煮


今日の晩酌。

まずは塩サバの酒焼き。

サバは生のサバに塩をふって焼くよりも塩サバのほうがうまいけれども、これを酒焼きにするとさらにうまい。

酒焼きは、ただ塩サバに酒をシャバシャバとふりかけ、20~30分おいて焼く。

酒のおかげで身がやわらかくなり、うまみがグンと増す。

サバは酢でしめたりこうして酒にひたして焼いたりすると、ちがう魚かというくらい味が変わる。



油揚げの袋煮。

油揚げはさまざまな活用の方法があるけれど、袋にひらいて中に詰め物をするのもまた楽しい。

袋煮は、袋にひらいた油揚げの中に卵を入れて、出しで煮たもの。



油揚げは半分に切り、中に指を入れ破かないよう袋にひらく。

卵を袋に入れるには、いったんコップに割り入れてからするとやりやすい。

味付けは酒とみりん、うすくちしょうゆですこし甘めにする。

青ねぎなどをふり入れてもいい。

甘めの出しをたっぷり吸い込んだ油揚げに、ほっくりした卵の取り合わせは、いかにもホッと癒される。

中に卵がまるごと入っているから、半分に切ると見た目も華やか。



ナスのおひたし。

ナスのおひたしというのは、あまり思い付かないとおもうけれども、簡単にできてとてもうまい。

ヘタを取ったナスをほんの少しの塩をふった水でゆで、水で冷やしてよくしぼる。

ゆで時間は10分くらいだけれど、箸ではさんでやわらかさを見て決める。

おかかにおろしショウガ、それにポン酢で食べたけれど、ゴマ和えや酢味噌和えもうまい。

1人で2本くらいは軽くイケてしまう。



あとはじゃこおろしとキュウリの浅漬で、芋焼酎の水割り。

水割りの量は氷の量によりいくらでも変わるのだから、杯数などあてにならないことがわかった。






夜の散歩に出ようとおもったら、財布には銀行からおろしたばかりの1万年札しか入っていない。

酒を飲むと気が大きくなり、あり金を全部使ってしまうから、いつも夜の散歩のときには千円だけしか持たないようにしているけれど、ないものは仕方ない。

ポケットに1万円をねじ込んだ。



「今夜は鈴之助のバーへ出かけてみよう・・・」

初めて行ったときに鈴之助のバーにいた杏里似のお姉ちゃんも、もしかしたらいるかもしれない。

とそのとき、着ていたポロシャツがお姉ちゃんに会ったときとおなじ色のを着ているのに気が付いて、別のに着替えて家を出た。



大宮通を北に上がり、電気の消えた三条商店街をやり過ごす。

そのまま行って、姉小路を東に入る。

やがて鈴之助のバーの小さな白い看板が見えてくる・・・。



はずだったのだが、看板は見えてこない・・・。



鈴之助のバー、日曜日はお休みだった。



がっかりしたが、せっかくここまで来たのだから、さらに足を伸ばすことにする。

堀川通御池の角にあるビルの2階に、バーがあったのを思い出す。



テクテク歩いて行ってみると、たしかにバーは営業している。

しかし1階に出された看板をよくみると、「ガールズバー」と書かれている。

男性にはチャージが千円。

今夜は1万円もっているから、払えないこともないけれど、「千円で飲む」という夜の散歩の趣旨に反する。

それにたしかに女性と話はしたいけど、それをお金で解決するのはつまらない・・・。

それで店には入らず、もうすこし歩くことにする。



四条大宮の鉄板焼屋のマスターが、このあたりで店をやっていたのを思い出す。

聞いたあたりへ行ってみたら、店はすぐに見つかった。

4~5人すわれるカウンターがある、イタリアンっぽいダイニングバー。

顔見知りのマスターにあいさつし、カウンターの端にすわって角ハイボールを注文。

こちらは330円。



ちょびヒゲを生やした背の高いお兄ちゃんが、カウンターの中に立っている。

きいたら専門学校生。

東京へはまだ行ったことがないというから、「新宿での飲み方」を伝授する。

マスターも、新宿で店を出してみたいと思っているとのこと。

マスターの気らくでユルイ雰囲気は、新宿は似合うのじゃないかと僕もおもう。

「がんばってほしい」と応援して店をでた。



四条大宮へもどり、いつものホームグラウンド。

芋焼酎水割りを注文し、マスターに夜の散歩の報告をする。

「たしか四条大宮の西の方にも、朝方まで開いているバーがあったでしょう」

とマスター。

「あ、そういえばありましたね。でも西の方は店がまばらにしかないから、歩いて行ったはいいけれど開いてる店がなかったら、四条大宮まで戻るのが大変だとおもい、あまり行っていなかったんですよ・・・」

「夜の散歩は、歩くのが目的なんだから、開いてるとか開いてないとか、あまり考えちゃいけないんじゃないですか」

マスターのほうが、夜の散歩をよくわかっている。



すこし話して店を出る。

はす向かいのスナックからカラオケが流れ、若い女性の歌声が聞こえる。



「そういえば今夜はまだ、女性と1人も話していなかった・・・」



猛然と女性と話がしたくなる。

今夜は1万円もっているから、スナックでもガールズバーでも余裕で行ける・・・。



しかし今夜は、まだわずかな理性が残っていた。

必死の思いで効かなくなったブレーキを踏みつづけ、なんとか家にたどり着いて布団に入った。