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今日の晩酌は、鯛あらの湯豆腐。
自分で飯を作るとなると、
「安くてうまいものをどうやって食べるか」
を考えるのが面白いところだと思う。
安くてうまいものの代表といえば、鯛あらだ。
鯛あらはスーパーなどでも、養殖物なら200~300円で売っている。
一切400~500円で売られる切り身より脂が乗っているし、骨からうまいだしが出るから、煮炊きするならこちらのほうが圧倒的にいい。
この鯛あらがなぜ安いかといえば、料理するのも食べるのも、少し面倒くさいからだろう。
でもちょっと手をかけることで、おいしいものが安く食べられるなら、そちらのほうがよっぽどいいとぼくは思う。
鯛のだしはハマグリとならんで日本人にとっては王道だから、鯛あらを料理するにはそのだしを活かすやり方を選ぶのが大切になる。
そのやり方の一つが、やはり湯豆腐。
鯛のだしがしみ込んだ豆腐は、たまらない。
ただ鯛あらの湯豆腐をするに当たっては、材料をあれこれ入れ過ぎないようにするのが最大のポイントだ。
ねぎやしめじなど入れてしまうと、せっかくの鯛のだしが台無しになる。
三つ葉だけ入れてシンプルにいくことにする。
鯛あらは、軽く塩をふって10分くらいおき、そのあと熱湯で湯通しする。
さらに水でよく洗ってぬめりや血のかたまり、それにウロコなどを残らず落とす。
鍋にだし昆布を引き、洗った鯛あらと大きめに切った豆腐、それに日本酒少々を入れ、水を張って火にかける。
煮立ったら弱火にし、アクをとりながら5分ほど煮て、うすくちしょうゆと塩で味付けする。
さらに5分ほど煮れば出来あがり。
ざく切りにした三つ葉をのせる。
鯛あらは骨ごと口に入れ、チューチューとしゃぶって食べる。
眼と口のまわりのゼラチン質が、特にうまい。
「切り身もうまいとは思うけどね。」
塩焼きにすると最高だよな。
あとはキャベツのおひたし。
塩ゆでしたキャベツを水にとってよく絞り、かつお節としょうゆをかける。