2012-01-25
甘い大根おろしが、ブリの味を引き立てる。
「ブリと水菜のみぞれ鍋」
ブリといえば、やはり合わせる材料の定番としては、「大根」ということになるわけですよね。
ブリも大根も、冬が旬。
「旬のものどうしは相性がいい」と言いますが、このブリと大根も、ブリの臭みを大根が消し去り、また大根の素朴な味わいが、ブリによって引き立てられるという、まさに名コンビだといえるでしょう。
ブリ大根は言わずもがな、ブリを塩焼きして、大根おろしを添えるのも、またうまい。
そしてこのみぞれ鍋も、ブリの食べ方として代表的なものの一つだといえるでしょう。
ブリの鍋の、仕上げに大根おろしを入れるわけですが、大根おろしというと、なんとなく「辛くてさわやか」なイメージがあるかもしれません。
しかし大根おろしは、火を通すと、甘くなるんですね。
素朴な甘さの大根おろしが、ちょっとクセがあり、やんちゃなブリを包み込み、奥行きのある、まろやかな味にしてくれる。
だから大根おろしは、薬味としてちょっと入れるという感覚でなく、最低でも大根を1本の半分程度は使い、「だし」の一部と考えることが、みぞれ鍋をおいしく食べるポイントなのじゃないかと思います。
ブリは、あらを買うと、ほんとに安い。
店にもよりますが、昨日買った近所のスーパー、山盛り入って198円也。
あらは見た目がグロいとか、料理するのも食べるのも面倒とかの理由で、敬遠する人も少なくありませんが、煮炊きに使うには、切り身よりもよっぽどうまいです。
あらを買ったら、家に帰ってきたら、すぐに表うらに塩をふり、そのまま冷蔵庫に入れておく。
べつに何時間でもかまいません。
塩があらの臭みを取り、うまみを増してくれることになるんですね。
塩をふったあらは、さらに湯通し。
給湯器のお湯が、90度程度あるのなら、そのまま使うので十分です。
あらを湯に入れ、すこしかき混ぜて、アクが出た湯を捨てる。
これを2~3度やってもかまいません。
湯通ししたら、ていねいに水洗い。
血のかたまりとヌメリが、臭みの原因となりますので、これを手でこすったり、ほじくり返したりしながら、よく落とします。
以上であらの下準備は終了。
大根もおろしておきます。
みぞれ鍋は、大根をたくさん摂るのには、最も適した料理ですね。
大根おろしは、汁ごと使います。
鍋に昆布をしき、水を張り、大量の酒を入れ、火にかける。
これでブリを、あくを取りながら15分くらい煮る。
魚のあくは、臭みの元となりますから、ていねいに取った方がいいですね。
それから味付け。
入れるのは醤油だけ。
大根おろしの甘みがあるから、みりんや砂糖は必要ありません。
あとから大根おろしを入れると、煮汁がすこし薄まることになるので、味は濃い目につけておく。
野菜を入れる。
定番は、水菜、長ネギ、それに油揚げか豆腐。
野菜を入れ、煮汁が沸いてきたら、すかさず大根おろしを入れる。
ふたたび沸騰してきたら、出来あがり。
七味をふって食べると最高。
シメのうどんも、たまりません。