きのうは買い物に行きそびれてしまい、そのまま夜遅くになってしまったので、家でめしを食うのはあきらめて、近所で唯一、今まで行ったことがなかったラーメン屋へ出かけてみたのだ。この店は夜8時半から12時半頃までというのが営業時間で、夜、外でめしを食うというのは、基本的に飲み屋で飲むことを意味する僕にとっては、なかなか行きにくい。一度はシメにラーメンを食おうと思って行ってみたら、もう終わってた。
かなりの人気店のようで、食べログの評価も高い。何度か営業しているところを見かけたことはあるのだが、いつもよくお客が入っている。
当然とりあえずまずビール。ラーメンにビールは、やはり欠かせない。キムチか何かがあれば、注文しようと思ったが、つまみになるのはギョウザだけみたいだったから、夜も遅い時間に食い過ぎるのもなんだからと思ってやめておいた。
メニューは基本は2種類。「こってり」と「あっさり」というやつだ。これはやはり京都発祥のラーメンチェーン店「天下一品」の用語なわけだが、天下一品はスープは鶏なのだそうだけれども、この店は、店員に聞いたら、どちらも豚骨なのだそうだ。「どちらがおすすめか」と聞いたら、「どちらということもないが、こってりが人気だ」というから、それをたのんでみた。
こってり、630円。
このラーメンは、もう先に結論を言ってしまうと、うまかった。スープはかなりこってりしていて、まさに天下一品とおなじくらいの、ドロドロという状態なのだが、天下一品とちがうところは、上にも書いたとおり、鶏ではなく豚を使っていることと、それから醤油の風味が、ちょっときつめに出ていること、それから魚介だしがブレンドされている。
そう書くと、いまわりと流行りの、東京・大勝軒風の、煮干風味のラーメンかと思うかもしれないけれど、それとはぜんぜん、まったくちがう。魚介の風味は正面には出てこなくて、あくまで地味にサポート役に徹していて、全体の味をひとことで言えば「クリーミー」。醤油も魚介もとがったところがまったくない。
これだけの濃厚な豚骨だしだというのに、いわゆる豚骨の臭みは皆無。このスープは、取るのにかなりの時間がかかると思うな。この店の営業時間は、夜の時間帯の4時間しかやっていないわけで、一見ラクな商売をしているみたいなのだが、たぶんそんなことはなく、店主はおそらく、午前中からスープを仕込みはじめて、それが夜の8時半までかかるということなのじゃないかと思う。これだけの濃厚な、臭みのない豚骨スープを取るためには、弱火でものすごい時間をかけなければいけないはずなのだ。
ラーメンを作るたびに、スープとタレを小鍋で煮立て、それをいちいち味見するというように、かなり神経を使った作り方をしている。麺は細めのぷりぷりとしたやつ。これも極太麺の大勝軒とはまったくちがう。薄ネギのチャーシュー数枚に青ネギがのっているが、これは好みで、チャーシューを増量したり、味玉子をのせたり、ということもできるようだ。
四条大宮かいわいのラーメン屋としては、新福菜館三条店、たかばしラーメンBivi二条店に次いで、いいのじゃないかと僕は思う。
言い忘れたが、このスープ、ものすごくこってりしているにもかかわらず、しつこいところはまったくなく、全体の印象としてはさっぱりしていると言ってもいいくらい。最後まで飲み干してしまった。
ラーメン ガッツン (ラーメン / 四条大宮駅、大宮駅、西院駅(京福))
夜総合点★★★★★ 5.0