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2008-10-12

広島五日市 お好み焼き 「ぼう。」

最近はこの日記を色んな人に見てもらえるようになり、メールやコメントでお薦めを教えてもらったりする。
普段ネットでブログや口コミサイトを見て行く店を決めるのだが、それに比べて教えてもらった所に行くと、当たり前だがおいしかったりいい目にあったりする確率が圧倒的に高い。
なので教えてもらったことには素直に従うことにしているのだ。

昨日は五日市の観音神社という所の神楽が昔ながらのものなので行ってみたら、というメールをもらっていたので出かけてきたのだが、これが実際すごくて、まあそれは改めて書くことにするが、途中で夕食をどこで食べようかということで、ちょうどみやっち(あは、呼び捨てですが、あだ名にさん付けするのあまり好きじゃないので)から「五日市の『ぼう。』は麺の焼きがすごい」とコメントをもらっていたので、そこに行くことにしていたのだ。

なのだが実は、観音神社からぼう。に向かう途中で、ちょうど近くに「五日市 八昌」があることを思い出し、ああ、まだ八昌のおやじさんの焼いたお好みを食べていないんだよな、今日なら大丈夫かもと思い、時間もまだ8時過ぎ、急遽目的地を変更して八昌に向かったのだ。
夜8時半ラストオーダー、9時閉店とのことでああ間に合ったと思ったら、なんと「材料がなくなったので今日は終わりです」とのこと。

前も実は初めて来た時、ランチ終了の午後2時半ちょうどに来たら、「もう鉄板の火を落としてしまったので」と断わられたんだよな。
八昌には縁がないなと思いつつ店内を見渡すと、カウンターの中に白髪角刈りの初老の男性を発見。
ああ、この人がおやじさんなんだな、きっと。
目がぎょろっとした仲代達也ばりの二枚目だった。

という訳で紆余曲折がありながらも結局「ぼう。」へ。
資料では夜8時半閉店とあったが、9時をすぎてもまだ営業しているようだった。

この店、パリパリした麺というのは、最近の僕的な流行りでは三八系のふわふわしたお好みなのでどうなのかなと思っていたが、けっこうおいしかった。
カフェバー風の洒落たインテリア、店主および従業員は全員若くてイケメン、イケメンコンプレックスの僕としてはそれだけでちょっと気圧されてしまうのだが、しかしイケメンというのは大体性格が良いのである。
接客の感じは申し分なかった。

店主はみっちゃん総本店で修行した。
これは後から色々ブログを読んだら書いてあったが、この頃は見ると分かるのだ。
キャベツを蒸すのに全く押さず、途中で中をほぐして空気を入れるようにすること、麺を片面だけ焼くこと、卵にはしっかり火を通すこと、余計な調味料は使わないことなどが特徴だ。
なのだが、みやっちもコメントで書いてくれていた通り、みっちゃん総本店で修行した人の店に行く場合、みっちゃんの焼き方をベースにしながらもどう、自分なりのやり方を見つけているのか、というのが見ていて面白いポイントとなる。

まずこの店、キャベツを蒸すとき途中でほぐすだけでなく、上と下を大きくひっくり返していた。
キャベツにむらなく火を通す工夫だろう。
食べ終わって店主に、
「同じようにしている店、一軒だけ知ってる」と言ったら、
「かんらん車ですか」と間髪入れずに答えがあった。
かんらん車の店主とは同じ時期にみっちゃんで修行し、今でも付き合いがあるのだそうだ。
やはり同じ時期にみっちゃんにいた「みっちゃん光町店」の店主も知っているとのこと。
僕は大して知りもしないくせに勝手に、かんらん車とみっちゃん光町店を「広島風お好み焼きニューウェーブ」と思っているのだが、ここの店主、そこに連なる人だったのだ。
興味深い。

さてここのウリのパリパリ麺だが、これがすごかった。
茹でた麺を鉄板上にあけ、みっちゃん流に丸く形を整えたあと、みっちゃんだとちょこっと油を垂らすところがジャーと言わんばかりに油を注ぐ。
中華風かた焼きそばを作るのと同じ要領で、焼くというより揚げるのだ。
ひっくり返さず片面だけだが、かなりの長時間である。
あとは普通どおりに焼けた麺の上に蒸しあがった本体をのせ、卵を割って黄身をくずして全体をのせ、卵に火が通ってからひっくり返す。

肉玉そば700円。

最初のひと口、麺がほんとに「パリッ」と言ったので、ちょっと笑ってしまった。
ここまでやるか、という感じで痛快だ。
キャベツはほくほくで、麺とのコントラストは絶妙。
好きな人多いんじゃないかと思う。

パリパリの麺というと八昌が有名である。
しかし八昌、食べ始めこそ麺はパリパリしているが、キャベツの水を吸ってしまうからだろう、じきにモソモソしてきて、半分を食べた頃にはかなり食べづらいものになってしまう。
ところがこの店、麺はいつまで経ってもモソモソせず、最後のひと口までおいしく食べられた。

何が違うのか、僕なりに考えると、まず焼きの加減がこちらの方が強い。
たっぷりの油を使い時間もかけるから、モソモソになりにくいということがあるのかな、たぶん。
それから焼くのが片面だけということ。
八昌は麺の両面を焼くが、そうするとキャベツに面する側が水分を吸いやすくなってしまうのではないかと思う。

まあいずれにせよこの店、きちんとした修行の経験を持ちながら、店構えや従業員やそして焼き方やに強い特徴を持たせ、なかなか挑戦的で大変よろしい。
店も活気があり、開業して丸3年だそうだが、ぜひ頑張ってほしいなと思う。
上から目線だが。

ぼう (お好み焼、鉄板焼) (お好み焼き / 五日市)
★★★★ 4.0