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2012-04-09

具をぜんぶ別に焼く。
「ゴーヤチャンプルー」



まだようやく春になったばかりなのですが、ちょっと気の早いゴーヤチャンプルー。

ゴーヤはさすが夏の野菜だけあり、ちょっと苦味のきいた味が、食欲がなくなりがちな夏でも、バクバク口に入りますよね。

おまけに入れる具も、豆腐に肉に玉子という、栄養満点なものばかりで、食べるとすごく元気になる感じがします。



沖縄は地理的に、日本と中国、それに東南アジアの中間に位置しますから、料理もそれら3地域のものが入り混じったようになっているのが面白いですね。

日本の伝統的な料理にはあまり見られない「炒めもの」が多用されながら、味付けには香辛料をあまり使わず、日本的に仕上げるところなど、「なるほどな」と思うところがたくさんあります。



ゴーヤチャンプルーは、ゴーヤと豆腐、肉を炒め、醤油ベースの味付けをして、最後に卵で閉じるという単純な料理ですが、全部をいっしょに炒めてしまうと、なかなかうまくいかないことが多いのではないでしょうか。

家庭用のコンロは火力が弱いから、フライパンに具をたくさん入れてしまうと、なかなか火が通らないですよね。

それに沖縄ではゴーヤチャンプルーを作るとき、「島豆腐」という水気が少く、かなり固い豆腐を使いますが、これを木綿豆腐でやろうと思うと、炒めているうちに水気は出るし、鍋返しなどすると粉々に砕けてしまう。

だからゴーヤチャンプルーを日本の家庭で作るときには、

「具を別々に炒める」

のがポイントになるといえると思うんですよね。



まず炒めるのは、豆腐です。

1丁の木綿豆腐を、縦半分に切り、さらに横に四等分して、大さじ2くらいのすこし多めのサラダ油で、中火でじっくりと火を通します。

これは「炒める」というよりも、「焼く」という感じですよね。

時々フライパンを揺すって焦げ付かないようにしながら、豆腐にしっかりと焼き色が付くまで焼く。



水切りは、してもいいですが、別にしないでそのままやってしまっても、問題ありません。

水切りしないと、初めは大量の水が出てきますが、そのうちそれが蒸発し、きちんと焼けるようになります。

火加減を中火にしていれば、水が出ても、とくに油はねすることなどもありません。



豆腐を入れるとき、「ちょっと大きすぎるかな」と思っても、焼いているうちに豆腐の厚みは半分くらいになります。

途中で油がなくなってしまうようならすこし注ぎ足し、両面にしっかり焦げ目がついたら、皿にとり出します。



次にゴーヤ。

ゴーヤは上下を落とし、縦半分に割り、中のワタをスプーンでとり出し、3ミリ厚さくらいに切ります。

豆腐を焼いた時のサラダ油がなくなっているようならすこし足し、強火で炒めます。

ゴーヤは青臭さが強いので、ある程度ちゃんと火を通したほうが、おいしいのじゃないかと思いますが、まあこれは、好みですよね。



それから豚肉。

豚肉は、うす切り肉なら何でもいいです。

これも強火で、サッと炒める。

具を別々に炒めるときは、そのたび油を足しますから、油が多くなりがちですので、「すこし少ないかな」というくらいの量の油で炒めるのが、ポイントかと思います。



肉の色が変わったら、合わせ調味料をいれます。

合わせ調味料は、まず酒をすこし多めに、カップ4分の1くらい。それにうすくち醤油大さじ1と、ショウガのすりおろしたの1かけ分。

醤油はぜひ、うすくち醤油を使いたいです。濃口醤油だと、仕上がりが黒っぽくなってしまいます。

うすくち醤油は、野菜をいろどりよく仕上げるのにほんとに便利ですから、常備しておくといいですよ。

でももしうすくち醤油がないときは、塩小さじ3分の1くらいに、醤油大さじ2分の1ほどをいれるようにしても、問題はありません。



合わせ調味料を入れたら、すこしのあいだ煮立たせて、調味料に肉のうまみを溶かし込むようにします。

この肉のうまみのついた調味料で、全体に味を付けるんですね。



とり出してあった豆腐とゴーヤをもどします。

火加減は強火のままで、鍋返しをして、調味料を豆腐に吸い込ませるようにしながら、調味料を煮詰めます。

豆腐は固く焼いてあるので、鍋返しをしても、くずれたりはそれほどしません。

ここで味見をしてみて、必要なら塩を足します。



煮汁がおおかた煮詰まったら、溶き卵2個分をまわしいれる。

火を弱火にしてフタをして、卵が固まれば出来あがり。



皿に盛って、かつお節をたっぷりかけます。

このかつお節がまた、味のポイントになるんですね。



酒は焼酎のお湯割り。

ゴーヤチャンプルーはこの作り方で作ると、豆腐にしっかり味がしみ、大変おいしいです。

豆腐は1丁まるまる入れてしまったので、食べきれるかと一瞬不安になりましたが、ペロリとかるくいけちゃいました。