このサイトは、おっさんひとり飯の「旧サイト」です。
新サイトはこちら
へ移動しました。
なんでサイトを移動したの?⇒ こちら

2012-04-13

タケノコ料理で旬を味わう。
「タケノコと鯛あらの炊合せ」
「タケノコご飯」
「タケノコとわかめの吸物」



京都でもようやく、タケノコが旬に突入し、八百屋の店先に朝掘りのタケノコが並ぶようになりました。

中国産ならば、安い水煮のタケノコが1年中出回っていて、普段はそれを食べることになるわけですが、やはり旬の時期には、とれたばかりのタケノコの味を味わってみないわけにはいかないというものです。



タケノコは、八百屋で水煮してくれたのを買うのが、いちばん無難です。

タケノコにはかなりきついアクがあるので、水煮することによりそれを抜かないといけないということなんですね。

ただその日の朝にとった「朝掘り」のタケノコは、その日のうちならば、水煮せずに食べられます。

アクはその日のうちにも、だんだん強くなっていきますから、朝掘りでも夜になると、多少の刺激が出てくるようにはなりますが、食べ物のアクを味わってみるのも楽しみの1つですから、恐れずやってみるのも悪くはありません。



水煮をするなら、タケノコの外側のかたい皮をむき、穂先を斜めにカットして、縦に切込みをいれておきます。

これは、八百屋に頼めばやってくれます。

鍋にたっぷりの水を張り、タケノコと、やはりこれも八百屋でくれる米ぬかをいれ、タケノコが浮かないようにひっくり返した皿でもかぶせて、1時間くらいコトコトゆで、さらにゆで汁が冷めるまで、そのままひたしておく。

冷めたらさらに中のやわらかい皮をむき、根本のぶつぶつを包丁か割り箸でこそげ取れば、タケノコの水煮の完了です。



朝掘りのタケノコを、その日の夜などにつかう場合、出てくる多少のアクを、もっと簡単に抜く方法もあります。

タケノコを、外側の皮ごと縦半分に断ち割って、皮をむき、タケノコ本体をとり出します。

これを料理で使うように、いちょう切りなどにカットしてしまい、大根おろしと同量の水、塩少々を加えたところへ、30分くらいひたしておく。

大根の酵素の働きで、タケノコのアクが抜けるのだそうです。



タケノコは、生のままにせよ、水煮、アク抜きしたものを使うにせよ、そこから先の料理の方法自体はおなじです。

ちなみに僕は、朝掘りのタケノコを、何もせずそのままで料理しました。



昨日作ったのは、「タケノコと鯛あらの炊合せ」「タケノコとわかめの吸物」「タケノコご飯」です。

タケノコ1本の、まず上のやわらかい部分を吸物に、中間の部分をタケノコご飯に、一番下のちょっと固いところを炊合せに使います。





◎ タケノコと鯛の炊合せ

まずはタケノコと鯛あらの炊合せ。

鯛のあらを炊くときに、一緒にタケノコをいれることで、鯛のだしがたっぷりタケノコにしみ込むという企画です。

京都の人は、野菜の料理法には非常なこだわりがあるので、魚と野菜を炊合わせるときは、「まず魚を煮て、完全に煮詰める少しまえに煮汁を別鍋に分け、魚はそのまま煮詰め、別鍋の煮汁をうすめて野菜を炊く」というやり方を、魚屋のおばちゃんなどは教えてくれます。

「野菜を濃い味で炊いてしまってはいけない」ということですが、昨日は時間の関係もあり、また関東人の僕は、野菜がこってり炊けても、それほど問題は感じないので、タケノコと鯛とをいっしょに炊合せてしまいました。



鯛あらは、スーパーなどでも安く売っていますよね。

いうまでもありませんが、魚は色つやがよく、ピカピカ光っていて、「いかにもおいしそう」という感じがするものが新鮮です。

あらを使うまえには、かならず「湯通し」します。

給湯器の熱湯を、ボウルや鍋にでも受けた中にあらを入れ、箸でしゃぶしゃぶとし、アクをよく落とします。

そのあと水でよく洗って、血のかたまりやぬめり、それに鯛の場合は残ったウロコなどを、ていねいに取り去ります。



フライパンに昆布をしき、あらとタケノコをならべます。

タケノコは、7~8ミリ厚さの、半月切りでも、いちょう切りでも、しておいたらいいですね。

ここに入れるのは、まず水100cc。日本酒50cc。

砂糖を大さじ1と、みりんを大さじ2。

この分量は、タケノコや鯛あらの量が多少ちがっても、フライパンに入る程度であれば、おなじでかまいません。

水の量が少ないので、これでほんとに火が通るのかと思うかもしれませんが、心配ありません。



フライパンを強火にかけます。

初めのうち、あくが出てきますので、それをていねいに取り去ります。

あくが大体とれたら、アルミホイルかペーパータオルでつくった落しブタをのせ、火加減を中火にし、まず5分炊きます。

煮汁がきちんと沸き立ち、落としブタの下で魚にかぶる程度の火加減を保ちます。

5分たったら、醤油を大さじ2。

醤油は一気に大さじ2を入れてしまわずに、味を見ながら入れてください。

火加減を調整しながら、全体で15~20分くらいで、煮詰めるようにしていきます。

最後に煮汁は、食べるときにソースとしてかけるのにいい程度に、残っているようにするといいですね。



タケノコと鯛あらの炊合せ。

旬のタケノコに敬意をはらい、すこし値段が高い木の芽ものせます。

これはもう、いうまでもなく、うまいです。

タケノコにもしっかり味がしみ、最高です。





◎ タケノコご飯

次はタケノコご飯。

タケノコご飯は、「だしを使う」やり方と、「だしを使わず、油揚げのうまみだけで味をだす」やり方とがあるんですね。

今回は、後者の、「だしを使わない」やり方で作りましたが、タケノコのさわやかな味ととてもマッチして、意外なほどおいしいです。

ただやはりこの場合、油揚げは、スーパーで3枚98円とかで売っているものではなく、1枚100円程度の、すこしいい物を買う必要はあるでしょう。



材料は、まず米を1カップ。

これは研いでから、水に15分くらいひたして、さらにザルに上げて、15分ほど置いておきます。

どういうわけか、炊込みご飯の場合には、米をザルに上げて、すこし乾かしておかないと、炊き上がりに芯が残ってしまうんですね。

水を、米と同量の1カップ。

米をあらかじめ吸水させておくので、水の量はこれでだいじょうぶです。

うすくち醤油と酒を、それぞれ大さじ1.5。

油揚げは、大きいものなら半分。普通サイズなら、1枚まるごとでだいじょうぶ。

これは給湯器のお湯をかけ油抜きして、水気をよくしぼり、1センチ角ほどに切っておきます。

タケノコ。全体の3分の1ほどの量を、7~8ミリ厚のいちょう切りにでもしておきます。



炊飯ジャーがあるのなら、これらすべてを入れ、スイッチを押すというのでOKでしょう。

でも鍋で炊くのも、それほど難しくありません。

鍋は小さめの土鍋があれば、やはりおいしく炊けますが、ふつうの片手鍋でも、まったく問題ありません。

材料をすべて入れ、まず強火で加熱します。

沸き立ってきたら、中火に落として5分。

弱火で15分。

さらに最弱のとろ火に落として5分。

あとは5分蒸らせば出来あがり。

ほぼこれで、間違いありません。



タケノコご飯。

これはうまいです。

だしを使っていないとは、まったく信じられないような味がします。





◎ タケノコとわかめの吸物

あとはタケノコとわかめの吸物。


わかめも、やはり今が旬なんですね。

ですから炊合せの定番である「タケノコとわかめ」は、旬の海の幸と山の幸とを、一緒にたのしむものになっているというわけです。



スーパーでも、生わかめや、ゆでただけのわかめなどを売っていたりしますから、そういうものを利用するのもいいですね。

生のわかめでも、さっとゆで、色が緑色になれば、それをそのまま料理に使えます。

ゆでたわかめは、冷凍すれば保存もできます。




タケノコとわかめは、「若竹煮」にするのが定番ですが、今回は鯛あらの炊合せを作りましたので、吸物にしました。

昆布と削り節のだしをとり、これに塩とうすくち醤油で味を付け、5ミリ厚さくらいのうす目に切ったタケノコを、10分ほど煮ます。

ここにわかめを入れ、ひと煮したら出来あがり。



タケノコとわかめの吸物。

これもおいしいです。

旬のタケノコとわかめ、もうたまりません。





じつは僕は、水煮でなく、生のタケノコを自分であつかうのは今回がはじめてでした。

身だと思っていた部分をいじっていたら、まだ皮がむけてしまう。

どんどんむいていたら、最後はすべてなくなってしまい、途方に暮れてしまった場面もありました。

まあそれは、単に、そこはまだ「皮」だったというだけの話なんですけど。



初めてやることは、あとで振り返ると、「どうしてそんなことが分からなかったんだろう」と思うようなことが、分からないものなんですよね。

まあしかし、初めは誰でも分からないのですから、分からなくても、くじけてやめてしまわずに、前に進んでいきたいですね。