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2011-03-29

常夜鍋

今回の震災が起こって、その津波による被害の状況や被災者のひとたちの様子などは、それはもちろんテレビで見るのがいちばん早いわけで、この秋に自宅のパソコンに地デジがつながり、数年ぶりにテレビが見られる環境が家に整ったのだけれど、これまではあまり見ていなかった僕だったのだが、さすがにテレビに釘付けになり、それ以来パソコンで何か作業をするときには、小さなウィンドウに音を消してテレビを表示して、記者会見やら緊急のニュースやらが入ったときには、音をつけてそれを見るというようになっている。
はじめのうちはチャンネルをパチパチ替えながら見たりもしていたのだが、そのうち民放が、地震からずいぶんたってもこれでもかとばかりに恐ろしい津波の映像をくりかえし放映したりして、不安をかきたてることにより視聴率を稼ごうとするセンセーショナルなつくりをしているということが明らかにわかって、それ以来NHKだけしか見ないようになってしまった。
まああと民放のお笑い番組とかドラマとか、ハマりやすい僕はうかつに近づくと危ないということもあるし。

しかしそれから原発の問題に焦点がうつって、
「じっさい原発はどのていど危ないものなのか」
などということを知ろうとすると、国営放送であるNHKは政府の大本営発表にそったことしか言わないわけで、いやもちろん、現在のような危機管理が必要ともいえる期間には、政府がどのような立場であるかということを国民に徹底させるというのも大事なことだから、それも重要な役割があるのだけれど、それだけだと「本当のところ」はよくわからない。

震災以来僕は「毎日」「読売」「朝日」、それに「Yahoo」「Google」のインターネットのニュースサイトを毎日丹念に見るということになっているのだが、基本的には日本の新聞社は、政府や東電、原子力安全保安院の記者会見の内容以上のことはあまり出てこない。
海外の通信社まで目配りすると、独自目線のおもしろいものが出てくるのだけれど、なかなかそこまでは時間もないし、できないなとおもうと、やはり力を発揮するのは「ツイッター」なのだな。
ツイッターには政府から民間、プロから素人まで、さまざまな人が情報を発信していて、もちろんそれは玉石混交で、その情報を信じるかどうかは、自分で判断しなくてはいけないことになるのだけれど、右から左まで全体を見ていると、新しい情報がどういう位置付けになるかということも何となくわかってきて、そのなかから「自分の意見」というものを固めていくこともできるようになるし、また時々は、目を見開かされるようにおもしろいものもあったりする。

今ツイッターで、全体像をつかむために誰かひとりだけフォローするとしたら、圧倒的に
「津田大介氏(@tsuda)」
だとおもう。
「ツイッターに24時間張り付いている」と自分で言うひとなのだが、津田氏自身はあまり強い主義主張をもたず、今回のことを一人ひとりが考えるうえで必要とおもわれる情報を、右から左までバランスよく取捨選択してくれているとおもえる。
これはかならずしも僕だけの意見というわけでもなく、震災以前はいくつかの核があったものが、以後は津田氏の一人勝ちになっているということは、わりとツイッター界共通の認識なのじゃないか。
まあしかし、それももちろん、気を付けなければいけないことではあるけれど。

あと、もっともリツイート(引用)されたものを自分のところへ送ってくれる、バイラッター(@viratter)というのもフォローしていて、これはくだらないのも多いのだが、「リツイートされた」ということは「人気だ」ということだから、ツイッターの「気分」がわかるし、それなりに笑えておもしろい。

それ以外には僕は「週刊文春」。
これは以前からずっと読んでいるのだが、週刊誌というのは、新聞やテレビとはスポンサーがちがうから、そちらでは書けないことが書けるということがある。
先週号でも東電の初動の遅れや官邸の混乱ぶりなどについて詳しく書いていて、読みごたえがあった。



昨日の晩に食べたのは、「常夜鍋」。
だし昆布とたっぷりの酒を入れた水で、豚肉とほうれん草、それに豆腐やらを煮てポン酢で食べるという簡単なものだが、なにしろ「豚肉とほうれん草」というのが黄金の取り合わせなわけで、たいへんうまい。

僕は池波正太郎「そうざい料理帖」を読んで以来、豚肉は「コマ肉」一辺倒。
日本産の豚コマ肉と、アメリカ産の豚バラ肉とは、スーパーでほぼおなじ値段なのだが、やはりコマ肉でも日本産のほうが、モチモチとしていてだいぶうまい。

ポン酢は市販のものは、僕にはちょっと甘すぎると感じられるのでつかわず、濃口しょうゆに「ポッカレモン100」を自分でたらし、そこに韓国唐辛子をどっさり入れる。
韓国唐辛子は日本の一味唐辛子とはだいぶちがって、それほど辛くはなく、むしろ甘味がある。だからたっぷり入れるのが正解なのだ。

酒は福島の酒「大七 純米生もと」。
2合のんで、のみ切った。



残しておいたこの豚のだしがたっぷりと出た汁をつかって、今日の昼めしは「他人丼」。
汁をペーパータオルでこして、みりんと淡口しょうゆでうすめに味を付け、すこし残しておいた豚コマ肉、それに長ネギを煮て、卵でとじる。
これを炊きたての白めしに汁ごとぶっかけて、クッパ風にしてみた。
いやこれはうまかったです。

この2、3日、ちょっとバタバタしていたこともあって、昼めしに酒などのまないほうが、もっと色々なことができるのじゃないかとおもったのだが、いやそうすると、かえって気が散って、つまらないオネエちゃんの「ニコニコ生放送」を見てしまったりするのだ。
それで今日は、昼めしでもきちんと酒をのみ、昼寝もしたら、そのあともきちんと集中できた。
やはり人間、そういうメリハリが大事だということなのだよな。