昨日のおっさんひとり飯は・・・。
ナスとトマトが入った豚しょうが焼き。
月末になり、金がなくなってきた。
6月になってようやく確定申告をし、源泉徴収の還付金がずいぶんあるから、
来月はそれで生活しようと思っているのだが、
入金は1ヶ月から1ヶ月半後になると聞いている。
3週間では、さすがにまだ入っていないだろうから、
月内には家賃を振り込まないといけないし、
報酬の前借りをすることにした。
ぼくはネットの広告サイトの、コラム記事を書く仕事をしている。
ネットのライター募集サイトで見つけた仕事で、
分野を問わずに対応でき、さらに書くのが早いというので
重宝がってもらっている。
広告会社の社長とは、電話で一度話したことがあるきりで、
顔を合わせたことはないのだが、
ギリギリ生活できるだけの数の仕事をずっと続けて発注してくれ、
さらに報酬の前借りもさせてくれるというのだから、
ぼくにとっては、何ともありがたい存在だ。
ただ報酬は、以前の前借り金が、まだ残っている。
前借り金が残っているのに、さらに前借りするとは、
ぼくも我ながらどうかとは思うが、
来月は還付金も入るのだし、
多少の前借りをしても、残額を減らせる見込みがある。
メールを送り、いつも前借りする額の半額、前借りを申し込むと、
社長はすんなりとOKしてくれた。
昨日の晩飯は、豚肉が冷蔵庫に入っていたから、それを食べることにした。
野菜も月曜に買い物したものが、まだ色々残っている。
ナス、トマト、ピーマン、セロリ、シメジ、玉ねぎ、ジャガイモ、ニンジン・・・。
これをすべて叩き込んで、炒めものにしようかとも思ったが、
それではさすがに、ワケの分からないものが出来てしまう。
そこでこの中から、厳選して使うことにした。
この中で、まず使い切ってしまいたかったのは、ナス。
ナスなら、ピーマンとあわせて豚肉と炒めるのは定番だ。
ただそれではつまらないから、もう少し考えた結果、
トマトと炒め合わせることにした。
ナスとトマト、それに豚肉は、「ナスミート」があることからも分かる通り、
大変相性がいいと思う。
ここに、風味出しとしてシメジと玉ねぎを使う。
味付けは、みそにしようかとも思ったが、
もう少しあっさりさせたかったから、
醤油にショウガで行くことにした。
まずは多めのゴマ油とサラダ油で、
5ミリ幅くらいに切ったナスだけ先に炒めておく。
強火で炒め、しんなりしたら皿に取り出しておく。
フライパンに改めてゴマ油とサラダ油少々を引き、
輪切り唐辛子を入れたら強火にかけ、豚コマ肉を炒める。
豚肉の色が変わったら、酒としょうゆ大さじ1、
おろしショウガ小さじ1の合わせ調味料を入れる。
ひと混ぜしたら、ざく切りのトマトとうす切りの玉ねぎ、それにシメジを入れる。
トマトがしんなりしたら、小さじ1の片栗粉と小さじ2の水を混ぜた、
水溶き片栗粉でトロミをつける。
固めにゆでて水で洗い、さらにサラダ油でサッと炒めたそうめんを添えた。
トマトの酸味が利いている・・・。
前借り金が入金されたのを確認し、
ふと思い立って、還付金が入金する予定の口座も、
残高の照会をしてみた。
すると還付金は、1週間以上前に、すでに入金されていた。
「なんだ、それなら前借りはしなくてもよかったな・・・」
しかし金が余分にあると、急に金持ちになったような気がしてくる。
「気に入っていたメガネが壊れたし、この際だから買おうかな・・・」
「前借りは、借金と同じだからね。」
分かってる、使い過ぎないよう気をつけるよ・・・。
2013-06-30
2013-06-29
昨日は家でおとなしく、半熟卵のパエリア。
昨日のおっさんひとり飯は・・・。
半熟卵のパエリア。
おとといの朝まで飲んだ酒は、昨日にはもうすっかり抜けてはいたが、
まだ疲れが残っていた。
カフェで何とか仕事を終えると、もうヘトヘトになっていた。
「若いころは、寝れば疲れは取れたのに・・・」
だいたい今は、疲れるほど眠りが浅くなってしまうから、
それも仕方がないと思う。
金曜日はだいたい毎週、
京都四条大宮のバー「スピナーズ」へ行っていた。
「でも今日は、やめておいたほうがいいな・・・」
マスターのキム君が心配するといけないと思い、
「今日は家で飲むから」とメールを送る。
「承知しました~」と返事が来た。
家へ帰ってすこしギターの練習をし、パソコンを開いてみたら、
フェイスブックにメッセージが入っていた。
以前スピナーズで知り合いになった、29歳の女性からだ。
「今日はスピナーズ来ないんですか?
私は友達と今飲んでいます~」
ぼくは10分ほど、どうしようかと考えた。
「今から行って、一杯だけ飲んで帰る手もある・・・」
しかしさらに考えてみると、
ぼくはスピナーズへ「一杯だけ」と思って行って、
一杯で帰れたためしが一度もない。
泣く泣く、お断りの返事を送った。
晩酌は、「京永野無添加赤わいん」が半分残っていたから、
それに合う肴を考えないといけなかった。
あれこれ考えているうちに、思い浮かんだことがあった。
「パエリアを、卵で閉じたらどうだろう・・・」
パエリアの材料は、ニンニクと玉ねぎ、鶏肉、トマト・・・。
チキンライスの材料と同じである。
「これを卵で閉じれば、オムライスと同じことになるのだから、
きっとうまいに違いない・・・」
2日つづけてパエリアというのも、芸がないとは思ったが、
思い付いてしまったものは、仕方がない・・・。
早速やって見ることにした。
途中までは、普通にパエリアを作る。
オリーブオイルでみじん切りにしたニンニクと玉ねぎ、セロリ、
さらにぶつ切りの鶏肉、1カップの米を、それぞれじっくり炒める。
1カップ強の熱湯と大さじ1の酒、小さじ1の塩を入れ、
くし切りにしたトマトとピーマン、シメジをのせる。
フタをして、弱火で15分、さらに火を弱めて10分炊く。
ここで溶き卵を流しいれる。
弱い火加減を保ったまま、卵が半熟加減になるまで加熱する。
なかなかうまい・・・。
半熟卵がご飯に絡むところが、
また何ともいいと思った。
パエリアは、3分の1くらい残して、翌日の昼飯にしようと思ったが、
けっきょく昨日も、おととい同様、残さずすべて平らげた。
「腹ごなしにちょっとだけギターを弾いてから寝よう・・・」
そう思ってギターを触りだしたら、止まらない。
寝たのは2時を過ぎてしまった。
「スピナーズへ行っても良かったんじゃないの?」
そんな、後悔させるようなことを言うなよ。
半熟卵のパエリア。
おとといの朝まで飲んだ酒は、昨日にはもうすっかり抜けてはいたが、
まだ疲れが残っていた。
カフェで何とか仕事を終えると、もうヘトヘトになっていた。
「若いころは、寝れば疲れは取れたのに・・・」
だいたい今は、疲れるほど眠りが浅くなってしまうから、
それも仕方がないと思う。
金曜日はだいたい毎週、
京都四条大宮のバー「スピナーズ」へ行っていた。
「でも今日は、やめておいたほうがいいな・・・」
マスターのキム君が心配するといけないと思い、
「今日は家で飲むから」とメールを送る。
「承知しました~」と返事が来た。
家へ帰ってすこしギターの練習をし、パソコンを開いてみたら、
フェイスブックにメッセージが入っていた。
以前スピナーズで知り合いになった、29歳の女性からだ。
「今日はスピナーズ来ないんですか?
私は友達と今飲んでいます~」
ぼくは10分ほど、どうしようかと考えた。
「今から行って、一杯だけ飲んで帰る手もある・・・」
しかしさらに考えてみると、
ぼくはスピナーズへ「一杯だけ」と思って行って、
一杯で帰れたためしが一度もない。
泣く泣く、お断りの返事を送った。
晩酌は、「京永野無添加赤わいん」が半分残っていたから、
それに合う肴を考えないといけなかった。
あれこれ考えているうちに、思い浮かんだことがあった。
「パエリアを、卵で閉じたらどうだろう・・・」
パエリアの材料は、ニンニクと玉ねぎ、鶏肉、トマト・・・。
チキンライスの材料と同じである。
「これを卵で閉じれば、オムライスと同じことになるのだから、
きっとうまいに違いない・・・」
2日つづけてパエリアというのも、芸がないとは思ったが、
思い付いてしまったものは、仕方がない・・・。
早速やって見ることにした。
途中までは、普通にパエリアを作る。
オリーブオイルでみじん切りにしたニンニクと玉ねぎ、セロリ、
さらにぶつ切りの鶏肉、1カップの米を、それぞれじっくり炒める。
1カップ強の熱湯と大さじ1の酒、小さじ1の塩を入れ、
くし切りにしたトマトとピーマン、シメジをのせる。
フタをして、弱火で15分、さらに火を弱めて10分炊く。
ここで溶き卵を流しいれる。
弱い火加減を保ったまま、卵が半熟加減になるまで加熱する。
なかなかうまい・・・。
半熟卵がご飯に絡むところが、
また何ともいいと思った。
パエリアは、3分の1くらい残して、翌日の昼飯にしようと思ったが、
けっきょく昨日も、おととい同様、残さずすべて平らげた。
「腹ごなしにちょっとだけギターを弾いてから寝よう・・・」
そう思ってギターを触りだしたら、止まらない。
寝たのは2時を過ぎてしまった。
「スピナーズへ行っても良かったんじゃないの?」
そんな、後悔させるようなことを言うなよ。
2013-06-28
思っているより簡単にできる。
「あさりのパエリア」
昨日のおっさんひとり飯は・・・。
あさりのパエリア。
おととい朝まで飲んだおかげで、
昨日は昼ごろ起きてもまだ酒が、
頭のてっぺんから足の先まで残っている。
トイレへ行ったらまた布団にもどり、
そのまましばらく、前の晩のことを思い出しながらグズグズする。
「やはり20代は、30代とは若さが違うな・・・」
30代でも、50のおっさんに比べれば十分若いが、
30代になると、「自分の人生これでいいのか」と、
迷いはじめる人が多いと思う。
でも20代は、脇目もふらず驀進している。
「息子も驀進しているのかな・・・」
息子たちとはしばらく会っていないから、
どうしているのかよく分からない。
何とか起きだし風呂に入り、
出かける支度をした。
お世話になっている商店街の八百屋の、
おじいさんが亡くなった。
「お香典を持って行かないといけない・・・」
おじいさんは、ぼくが八百屋に行くと、
堀川ごぼうの起源やら、戦争中の体験やら、
あれこれ話しをしてくれた。
祇園祭のお神輿のときには、
宴会にも呼んでくれた。
昔気質の背筋がきちんと伸びた人で、
ぼくはおじいさんと話をするのが好きだった。
八百屋でお悔やみをし、カフェでブログを更新したら、
もう晩酌の支度をはじめる時間になった。
昨日は注文した「京永野無添加赤わいん」が届いていたので、
パエリアを作ることにしていた。
無添加赤わいんは、ぼくがよく行く京都四条大宮のバー「Kaju」で知ったもので、
出来立てを瓶詰めしていてグレープジュースのような味がする。
賞味期限が短いので、すぐに飲んでしまわないといけない。
パエリアは、アサリを入れることにした。
パエリアは米を研ぐ必要もなく、作るのがとても簡単で、
しかも肉類、魚類、野菜類、あれこれを入れることができるから、
ひとり暮らしの食事にはうってつけだとぼくは思う。
フライパンは20センチくらいの小さめのものを使うと、
米1カップを炊くのにちょうどいい。
1カップの米は、一食分にはちょっと多いが、
残れば翌日の昼飯にもなる。
多めのオリーブオイルをフライパンに入れ、
みじん切りのニンニク1かけと玉ねぎ1/4個を弱めの火で炒める。
昨日は冷蔵庫にセロリがあったから、それもみじん切りにして入れた。
2~3分炒めたら、鶏肉100グラムを入れて色が変わるまで炒め、
米1カップを研がずにそのまま入れる。
米も2~3分、じっくり炒める。
熱湯1カップと酒大さじ1、塩小さじ1を入れる。
熱湯は、普通のパエリアはもう少し多いほうがいいが、
アサリから水が出るので少なめにする。
8等分のくし切りにしたトマト1個、細切りにしたピーマン1個、シメジ、
それに塩水に1時間くらい浸けてよく洗ったアサリ200グラムをのせる。
フタをして、火加減を弱火にして15分。
さらに火を弱めて10分炊く。
ひとり暮らしだから、フライパンから直接食べる。
3分の1くらい残しておこうと思っていたが、
けっきょく全部食べてしまった。
昨日は晩酌の支度をしながら焼酎の薄い水割りを2杯、
晩酌しながらワインを2杯、
晩酌を終えてウイスキーを1杯飲み、
1時に寝た。
今朝目が覚めたのは、5時。
朝まで飲んだ翌日は、なぜか早く目が覚める。
二度寝したいと思ったが、できずに6時半に布団を出た。
今日はちゃんと仕事しないといけないね。
がんばるよ。
あさりのパエリア。
おととい朝まで飲んだおかげで、
昨日は昼ごろ起きてもまだ酒が、
頭のてっぺんから足の先まで残っている。
トイレへ行ったらまた布団にもどり、
そのまましばらく、前の晩のことを思い出しながらグズグズする。
「やはり20代は、30代とは若さが違うな・・・」
30代でも、50のおっさんに比べれば十分若いが、
30代になると、「自分の人生これでいいのか」と、
迷いはじめる人が多いと思う。
でも20代は、脇目もふらず驀進している。
「息子も驀進しているのかな・・・」
息子たちとはしばらく会っていないから、
どうしているのかよく分からない。
何とか起きだし風呂に入り、
出かける支度をした。
お世話になっている商店街の八百屋の、
おじいさんが亡くなった。
「お香典を持って行かないといけない・・・」
おじいさんは、ぼくが八百屋に行くと、
堀川ごぼうの起源やら、戦争中の体験やら、
あれこれ話しをしてくれた。
祇園祭のお神輿のときには、
宴会にも呼んでくれた。
昔気質の背筋がきちんと伸びた人で、
ぼくはおじいさんと話をするのが好きだった。
八百屋でお悔やみをし、カフェでブログを更新したら、
もう晩酌の支度をはじめる時間になった。
昨日は注文した「京永野無添加赤わいん」が届いていたので、
パエリアを作ることにしていた。
無添加赤わいんは、ぼくがよく行く京都四条大宮のバー「Kaju」で知ったもので、
出来立てを瓶詰めしていてグレープジュースのような味がする。
賞味期限が短いので、すぐに飲んでしまわないといけない。
パエリアは、アサリを入れることにした。
パエリアは米を研ぐ必要もなく、作るのがとても簡単で、
しかも肉類、魚類、野菜類、あれこれを入れることができるから、
ひとり暮らしの食事にはうってつけだとぼくは思う。
フライパンは20センチくらいの小さめのものを使うと、
米1カップを炊くのにちょうどいい。
1カップの米は、一食分にはちょっと多いが、
残れば翌日の昼飯にもなる。
多めのオリーブオイルをフライパンに入れ、
みじん切りのニンニク1かけと玉ねぎ1/4個を弱めの火で炒める。
昨日は冷蔵庫にセロリがあったから、それもみじん切りにして入れた。
2~3分炒めたら、鶏肉100グラムを入れて色が変わるまで炒め、
米1カップを研がずにそのまま入れる。
米も2~3分、じっくり炒める。
熱湯1カップと酒大さじ1、塩小さじ1を入れる。
熱湯は、普通のパエリアはもう少し多いほうがいいが、
アサリから水が出るので少なめにする。
8等分のくし切りにしたトマト1個、細切りにしたピーマン1個、シメジ、
それに塩水に1時間くらい浸けてよく洗ったアサリ200グラムをのせる。
フタをして、火加減を弱火にして15分。
さらに火を弱めて10分炊く。
ひとり暮らしだから、フライパンから直接食べる。
3分の1くらい残しておこうと思っていたが、
けっきょく全部食べてしまった。
昨日は晩酌の支度をしながら焼酎の薄い水割りを2杯、
晩酌しながらワインを2杯、
晩酌を終えてウイスキーを1杯飲み、
1時に寝た。
今朝目が覚めたのは、5時。
朝まで飲んだ翌日は、なぜか早く目が覚める。
二度寝したいと思ったが、できずに6時半に布団を出た。
今日はちゃんと仕事しないといけないね。
がんばるよ。
2013-06-27
若い女子と外飲みし、そのあと一人で飲んだら朝になってしまった件
昨日は外飲み。
いつも仕事をしに行くカフェの、いつもすわる一番隅の席で、
ノートパソコンを開いて仕事をしていたら、
若い女性がぼくの隣にすわった。
気配を感じてそちらを見ると、
若い女性はさっきまで入口近くのカウンターで仕事をしていたカフェの店員で、
仕事が終わったのか、私服に着替えている。
女性はぼくを見ていた。
少しの間モジモジしていたが、やがて意を決したように口を開いた。
「私、あなたのことが前から気になっていたんです。
お話しさせてもらえませんか?」
これはウソのようだが、本当の話である。
山口百恵に似た20代後半のその女性は、
昼間から毎日カフェに来て、
ノートパソコンを開いて何やらしているぼくに興味を持ち、
「何をしている人なのだろう」と思っていたのだそうだ。
それでも普段なら、声をかけたりはしなかったかもしれないが、
旅行帰りで気持ちが高揚していたこともあり、
「仕事が終わるまでもしまだいたら、声をかけてみよう」
と思い立ったのだとのこと。
若い人、しかも女性に声をかけられ、嬉しくないわけがない。
コーヒーを一杯おごって話を聞くと、
山口百恵は路上で人のために言葉を書くのが本業で、
来年は日本全国を野宿をしながら回り、再来年は世界一周をして、
そのあとカフェを開きたいと思っているという。
「20代のうちにたくさんの出会いを経験したいと思っているんです」
と話す山口百恵は、その言葉通り、
ぼくに声をかけてくるくらいで、かなり積極的なタイプに見える。
「この子と酒を飲んだら面白いだろうな・・・」
そう思って四条大宮の飲み屋の話をしてみると、
「ぜひ行ってみたい」
との反応。
「このあとは時間もある」と言うし、
一緒に四条大宮へ繰り出すことにした。
まず行ったのは、いつも行くバー「スピナーズ」。
カウンターにはバーテンのコウイチ君と、
寺島進に似た30代の男性がいる。
その場にすぐに溶け込み、話が盛り上がる山口百恵。
「行きつけのバーが欲しいと思っていたんですが、
ここは私にピッタリだわ・・・」
スピナーズでひとしきり話をしたら、
食事をしに「酒房京子」へ。
遅い時間に行くと、食べ物が全部なくなってしまうこともある京子だが、
昨日はまだ早かったので、色々出してくれた。
昨日もどれもうまかった。
サバは白みそ仕立ての汁で煮てあり、
ご飯はハモとさつまいもが炊き込まれ、
ポン酢醤油がちょこっとかかっている。
酔いが回ると、もちろんカラオケ。
山口百恵は、尾崎豊を歌っていた。
すぐに場に溶け込む山口百恵を、京子さんも気に入った様子。
「今度、9人の予約が入っているんだけど、
その日、お店を手伝ってくれへん?」
山口百恵に尋ねている。
「ぜひやらせていただきます!」
山口百恵もうれしそうだ。
山口百恵は、11時過ぎに帰って行った。
ぼくもそれで家に帰ればよかったのだが・・・。
帰れるわけがないのである。
息子とさして年が変わらない若い人に、
いくつかの新しい出会いを演出できたうれしさで、
気持ちが高ぶっていたぼくは、
酒房京子で知り合った他のお客さんと意気投合。
さらにKaju・・・、
小料理とき・・・、
近くの店を、はしご酒。
スピナーズでシメるつもりが・・・、
バーテンのコウイチ君と、さらに王将・・・。
すっかり明るくなってから家に帰った。
またやっちゃったね。
アホすぎるよな。
いつも仕事をしに行くカフェの、いつもすわる一番隅の席で、
ノートパソコンを開いて仕事をしていたら、
若い女性がぼくの隣にすわった。
気配を感じてそちらを見ると、
若い女性はさっきまで入口近くのカウンターで仕事をしていたカフェの店員で、
仕事が終わったのか、私服に着替えている。
女性はぼくを見ていた。
少しの間モジモジしていたが、やがて意を決したように口を開いた。
「私、あなたのことが前から気になっていたんです。
お話しさせてもらえませんか?」
これはウソのようだが、本当の話である。
山口百恵に似た20代後半のその女性は、
昼間から毎日カフェに来て、
ノートパソコンを開いて何やらしているぼくに興味を持ち、
「何をしている人なのだろう」と思っていたのだそうだ。
それでも普段なら、声をかけたりはしなかったかもしれないが、
旅行帰りで気持ちが高揚していたこともあり、
「仕事が終わるまでもしまだいたら、声をかけてみよう」
と思い立ったのだとのこと。
若い人、しかも女性に声をかけられ、嬉しくないわけがない。
コーヒーを一杯おごって話を聞くと、
山口百恵は路上で人のために言葉を書くのが本業で、
来年は日本全国を野宿をしながら回り、再来年は世界一周をして、
そのあとカフェを開きたいと思っているという。
「20代のうちにたくさんの出会いを経験したいと思っているんです」
と話す山口百恵は、その言葉通り、
ぼくに声をかけてくるくらいで、かなり積極的なタイプに見える。
「この子と酒を飲んだら面白いだろうな・・・」
そう思って四条大宮の飲み屋の話をしてみると、
「ぜひ行ってみたい」
との反応。
「このあとは時間もある」と言うし、
一緒に四条大宮へ繰り出すことにした。
まず行ったのは、いつも行くバー「スピナーズ」。
カウンターにはバーテンのコウイチ君と、
寺島進に似た30代の男性がいる。
その場にすぐに溶け込み、話が盛り上がる山口百恵。
「行きつけのバーが欲しいと思っていたんですが、
ここは私にピッタリだわ・・・」
スピナーズでひとしきり話をしたら、
食事をしに「酒房京子」へ。
遅い時間に行くと、食べ物が全部なくなってしまうこともある京子だが、
昨日はまだ早かったので、色々出してくれた。
昨日もどれもうまかった。
サバは白みそ仕立ての汁で煮てあり、
ご飯はハモとさつまいもが炊き込まれ、
ポン酢醤油がちょこっとかかっている。
酔いが回ると、もちろんカラオケ。
山口百恵は、尾崎豊を歌っていた。
すぐに場に溶け込む山口百恵を、京子さんも気に入った様子。
「今度、9人の予約が入っているんだけど、
その日、お店を手伝ってくれへん?」
山口百恵に尋ねている。
「ぜひやらせていただきます!」
山口百恵もうれしそうだ。
山口百恵は、11時過ぎに帰って行った。
ぼくもそれで家に帰ればよかったのだが・・・。
帰れるわけがないのである。
息子とさして年が変わらない若い人に、
いくつかの新しい出会いを演出できたうれしさで、
気持ちが高ぶっていたぼくは、
酒房京子で知り合った他のお客さんと意気投合。
さらにKaju・・・、
小料理とき・・・、
近くの店を、はしご酒。
スピナーズでシメるつもりが・・・、
バーテンのコウイチ君と、さらに王将・・・。
すっかり明るくなってから家に帰った。
またやっちゃったね。
アホすぎるよな。
2013-06-26
鯛アラのにゅうめん
昨日のおっさんひとり飯は・・・。
鯛アラのにゅうめん。
今週も、月曜日の買い出しで鯛アラを買った。
養殖とはいえ、280円でパックに山盛り入ってくる鯛アラは、
安いし、うまいし、日持ちはするしで、ついつい毎週買ってしまう。
鯛アラは、やはりシンプルに和風の味付けをするのがうまい。
その分、和風はもちろん、洋風の味付けにも合うイワシなどと比べると、
料理の種類が限られてきて、
料理の面白さには欠けるところがあるのだが、
これだけうまいのだから、それも仕方がないことだ。
鯛アラを料理するには、
鯛アラから出てくる黄金のだしを、どう利用するかがポイントになる。
だから一番シンプルなのは、潮汁。
鯛アラのだしに薄く味付けした吸物のうまさは、
この世のものとは思えない。
昨日はここに、そうめんを入れることにした。
鯛アラの吸物は、味のきついものを入れてしまうと、
鯛のせっかくの風味が消えてしまってもったいない。
ネギやシメジなどは、もちろん論外。
豆腐も、汁を味わうのを重視するならやめたほうがいい。
昨日は三つ葉だけを添えることにした。
鯛アラを料理するのは、難しいことは何もない。
まず熱湯でさっと湯通しし、アクの出たお湯を捨てたら、
水で洗い、ウロコや血の塊をていねいに落とす。
ここでどれだけ丁寧にやるかで、ほぼ味が決まる。
鍋に、鯛アラの量にもよるが、4~5カップの水を入れ、
5センチ角ほどのだし昆布を入れて中火にかける。
煮立ったら鯛アラを入れ、丁寧にアクを取りながら、弱火で5分煮る。
酒大さじ3~4、うすくち醤油大さじ2~3、塩少々で味付けし、
さらに5分煮る。
固めにゆでて水で洗い、熱湯で温めたそうめんを器に入れ、
鯛アラを乗せたら汁をかけ、ざく切りにした三つ葉を散らす。
一食分の原価200円ほどで、最高のごちそうになる。
あとは、厚揚げの焼いたの。
おとといの南蛮漬け。
赤カブのぬか漬け。
昨日も晩酌前に、京都四条大宮のバー「スピナーズ」へ行った。
まずは、七夕ライブで借りることになっている、
マスター キム君所有のギターアンプの試験を兼ねて、
その場にいた4~5人のお客様を相手に、ギター演奏を一曲披露。
パチパチと拍手はしてもらったが、演奏した曲が古すぎて、
30代のお客さんは聞いたことがなかった様子。
当日がちょっと不安になった。
その後はカウンターで、
隣り合わせた松嶋菜々子似の女性と話しながらビールを飲んだ。
松嶋菜々子は、これからの人生に迷っているところがあるらしい。
「これまで夫のため、子供のため、両親のためと、
人のためばかりに生きてきたけれど、
これから自分の人生を見つけていかないといけなくなっているんです・・・」
彼もいるが、彼が自分の存在にどう意義を感じてくれるかよく分からず、
「自分は彼の、足手まといになっているのではないか」
と考えてしまうこともあるとのこと。
「高野さんは、彼女さんと付き合うのは、
何がいいと思っているんですか?」
子供を作り、家庭を築こうとするわけでもないカップルの、
どこに意義を感じるのかと松嶋菜々子に聞かれた。
ぼくの答えは簡単だ。
「彼女と一緒にいると、幸せを感じるからなんですよ・・・」
ぼくは以前も、幸せを感じる瞬間はたくさんあった。
家で好きな肴をつくり、ツイッターをしながら晩酌するとき・・・。
新福菜館三条店の、餃子とラーメンを食べるとき・・・。
でも彼女と付き合い始めてみて、
彼女と一緒に過ごしているときには、次元が違うかと思うくらい、
大きな幸せを感じるようになった。
「ぼくは人生で、幸せを感じられれば十分で、
それ以上のことはあまり求めていないんですよ・・・」
「高野さんは、分かりやすいわ・・・」
「おっさんは単純だからね。」
というよりアホだよな。
鯛アラのにゅうめん。
今週も、月曜日の買い出しで鯛アラを買った。
養殖とはいえ、280円でパックに山盛り入ってくる鯛アラは、
安いし、うまいし、日持ちはするしで、ついつい毎週買ってしまう。
鯛アラは、やはりシンプルに和風の味付けをするのがうまい。
その分、和風はもちろん、洋風の味付けにも合うイワシなどと比べると、
料理の種類が限られてきて、
料理の面白さには欠けるところがあるのだが、
これだけうまいのだから、それも仕方がないことだ。
鯛アラを料理するには、
鯛アラから出てくる黄金のだしを、どう利用するかがポイントになる。
だから一番シンプルなのは、潮汁。
鯛アラのだしに薄く味付けした吸物のうまさは、
この世のものとは思えない。
昨日はここに、そうめんを入れることにした。
鯛アラの吸物は、味のきついものを入れてしまうと、
鯛のせっかくの風味が消えてしまってもったいない。
ネギやシメジなどは、もちろん論外。
豆腐も、汁を味わうのを重視するならやめたほうがいい。
昨日は三つ葉だけを添えることにした。
鯛アラを料理するのは、難しいことは何もない。
まず熱湯でさっと湯通しし、アクの出たお湯を捨てたら、
水で洗い、ウロコや血の塊をていねいに落とす。
ここでどれだけ丁寧にやるかで、ほぼ味が決まる。
鍋に、鯛アラの量にもよるが、4~5カップの水を入れ、
5センチ角ほどのだし昆布を入れて中火にかける。
煮立ったら鯛アラを入れ、丁寧にアクを取りながら、弱火で5分煮る。
酒大さじ3~4、うすくち醤油大さじ2~3、塩少々で味付けし、
さらに5分煮る。
固めにゆでて水で洗い、熱湯で温めたそうめんを器に入れ、
鯛アラを乗せたら汁をかけ、ざく切りにした三つ葉を散らす。
一食分の原価200円ほどで、最高のごちそうになる。
あとは、厚揚げの焼いたの。
おとといの南蛮漬け。
赤カブのぬか漬け。
昨日も晩酌前に、京都四条大宮のバー「スピナーズ」へ行った。
まずは、七夕ライブで借りることになっている、
マスター キム君所有のギターアンプの試験を兼ねて、
その場にいた4~5人のお客様を相手に、ギター演奏を一曲披露。
パチパチと拍手はしてもらったが、演奏した曲が古すぎて、
30代のお客さんは聞いたことがなかった様子。
当日がちょっと不安になった。
その後はカウンターで、
隣り合わせた松嶋菜々子似の女性と話しながらビールを飲んだ。
松嶋菜々子は、これからの人生に迷っているところがあるらしい。
「これまで夫のため、子供のため、両親のためと、
人のためばかりに生きてきたけれど、
これから自分の人生を見つけていかないといけなくなっているんです・・・」
彼もいるが、彼が自分の存在にどう意義を感じてくれるかよく分からず、
「自分は彼の、足手まといになっているのではないか」
と考えてしまうこともあるとのこと。
「高野さんは、彼女さんと付き合うのは、
何がいいと思っているんですか?」
子供を作り、家庭を築こうとするわけでもないカップルの、
どこに意義を感じるのかと松嶋菜々子に聞かれた。
ぼくの答えは簡単だ。
「彼女と一緒にいると、幸せを感じるからなんですよ・・・」
ぼくは以前も、幸せを感じる瞬間はたくさんあった。
家で好きな肴をつくり、ツイッターをしながら晩酌するとき・・・。
新福菜館三条店の、餃子とラーメンを食べるとき・・・。
でも彼女と付き合い始めてみて、
彼女と一緒に過ごしているときには、次元が違うかと思うくらい、
大きな幸せを感じるようになった。
「ぼくは人生で、幸せを感じられれば十分で、
それ以上のことはあまり求めていないんですよ・・・」
「高野さんは、分かりやすいわ・・・」
「おっさんは単純だからね。」
というよりアホだよな。
2013-06-25
塩を入れない豆アジの南蛮漬けフレッシュトマト入り
昨日のおっさんひとり飯は・・・。
塩を入れない豆アジの南蛮漬けフレッシュトマト入り。
仕事を終え、京都四条大宮のバー「スピナーズ」へ行くと、
カウンターに桐島かれん似の女性がいた。
以前はスピナーズでよく一緒になった桐島かれん似の女性だが、
最近はすれ違いで、顔を合わせるのは久しぶりだった。
「こっちに座っていっしょに話そ。」
ぼくは桐島かれんの隣に座り、
生ビールを注文した。
「彼女さんとはどうなの?」
桐島かれんは、彼女とぼくが出会ったころからスピナーズに居合わせ、
事情を詳しく知っている。
ぼくは彼女が、用事で東京へ帰っていることを説明した。
「会えないからって、浮気しちゃダメよ。」
「分かってますよ。
ぼくは真面目にやってるよな、コウイチ君。」
ぼくは一緒に話を聞いていた、バーテンのコウイチ君に話を振った。
「いや、分かりませんよ。
ぼくは高野さんがスピナーズ以外の場所で、
何をしているかまでは知りませんからね・・・」
桐島かれんとの会話は、やがて料理の話になった。
桐島かれんから料理についての話を聞くと、
「さすが京都の人らしく、料理の仕方が繊細だ」
と、ぼくはいつも思う。
「今日は豆アジを買ったので、南蛮漬けにしようと思うんですが、
桐島さんは南蛮漬け、どういう風に作りますか?」
桐島かれんは、南蛮漬けの作り方を説明する。
「豆アジのエラとワタを取って、片栗粉をふって・・・」
(塩コショウはしないのか?)
ぼくは不思議になって聞いてみた。
「私、南蛮漬けには、塩は使わないのよ。
漬け汁にも、塩や醤油は入れないよ・・・」
(塩をまったく使わないとは、
さすが桐島かれんらしいこだわりだ・・・)
ぼくは感心し、どんな味がするのか、早速ためしてみることにした。
豆アジは、指でエラとワタを取る。
洗って水気をふき取り、片栗粉をまぶす。
酢に味を見ながら砂糖を溶かし、ゴマ油と輪切り唐辛子少々を入れる。
ここに玉ねぎとピーマン、セロリ、そしてトマトのうす切りをひたしておく。
トマトはやはりスピナーズで、松下奈緒似の女性からもらったので、
南蛮漬けには普通は入れないと思ったが、せっかくだからと入れてみた。
フライパンにサラダ油を1センチ高さくらいに入れて、弱めの火にかけ、
豆アジを途中で表裏を返して、じっくりと揚げる。
じっくり揚げると、骨までやわらかくなる。
揚げた豆アジの油を切り、野菜をひたしておいた甘酢に漬ける。
10分ほど漬ければとりあえず食べられるようになるが、
2~3日でも、漬ければ漬けるだけやわらかくなる。
たしかに塩を入れなくても、酢の酸味があるから、
味は足りないところがない。
むしろ塩を入れないほうが、やさしく、すっきりとした味になる。
トマトも、入れたのは大正解だとぼくは思った。
あとは梅干しととろろ昆布のにゅうめん。
お椀にゆでて水で洗い、熱湯で温めたそうめんと、
削りぶし、とろろ昆布、梅干し、青ねぎを入れ、
熱湯を注いでうすくち醤油で味をつける。
みょうがと大葉の冷奴。
おろしショウガと削りぶし、ポン酢醤油。
農家のおばさんから買った、赤カブのぬか漬け。
スピナーズで桐島かれんと飲んでいたら、
松下奈緒似の女性が来て、
ぼくの、桐島かれんとは反対側の隣りに座った。
桐島かれんとの料理の話はひとしきり終わり、
話題は7月6日三条会商店街七夕祭りでの、ぼくの演奏の話になった。
ぼくは当日の衣装について、
桐島かれんと松下奈緒に相談してみた。
「加トちゃん風の、ハゲヅラにちょびヒゲ、
腹巻にサルマタでやろうと思うんですが・・・」
聞いた途端に、桐島かれんと松下奈緒は、嫌そうな顔をした。
「それ絶対、ドン引きされるよ・・・」
七夕祭りで一番多いのは、桐島かれんや松下奈緒と同世代、
30代後半の家族連れのはずだ。
小さな子供は加トちゃんなど知らないし、
お母さんも、加トちゃんの衣装をいいと思うとは思えない・・・。
「私、高野さんがドン引きされて、
一人ぼっちになっているのを見たくない・・・」
桐島かれんは、憐れむような顔でぼくを見る。
変に衣装などに凝るよりは、
ぼくがいつも着ているような、
自然な服装でやったほうがいいと言う。
「こういうことは、女性が言うのがまちがいないね。」
加トちゃんの衣装はやめることにするよ。
塩を入れない豆アジの南蛮漬けフレッシュトマト入り。
仕事を終え、京都四条大宮のバー「スピナーズ」へ行くと、
カウンターに桐島かれん似の女性がいた。
以前はスピナーズでよく一緒になった桐島かれん似の女性だが、
最近はすれ違いで、顔を合わせるのは久しぶりだった。
「こっちに座っていっしょに話そ。」
ぼくは桐島かれんの隣に座り、
生ビールを注文した。
「彼女さんとはどうなの?」
桐島かれんは、彼女とぼくが出会ったころからスピナーズに居合わせ、
事情を詳しく知っている。
ぼくは彼女が、用事で東京へ帰っていることを説明した。
「会えないからって、浮気しちゃダメよ。」
「分かってますよ。
ぼくは真面目にやってるよな、コウイチ君。」
ぼくは一緒に話を聞いていた、バーテンのコウイチ君に話を振った。
「いや、分かりませんよ。
ぼくは高野さんがスピナーズ以外の場所で、
何をしているかまでは知りませんからね・・・」
桐島かれんとの会話は、やがて料理の話になった。
桐島かれんから料理についての話を聞くと、
「さすが京都の人らしく、料理の仕方が繊細だ」
と、ぼくはいつも思う。
「今日は豆アジを買ったので、南蛮漬けにしようと思うんですが、
桐島さんは南蛮漬け、どういう風に作りますか?」
桐島かれんは、南蛮漬けの作り方を説明する。
「豆アジのエラとワタを取って、片栗粉をふって・・・」
(塩コショウはしないのか?)
ぼくは不思議になって聞いてみた。
「私、南蛮漬けには、塩は使わないのよ。
漬け汁にも、塩や醤油は入れないよ・・・」
(塩をまったく使わないとは、
さすが桐島かれんらしいこだわりだ・・・)
ぼくは感心し、どんな味がするのか、早速ためしてみることにした。
豆アジは、指でエラとワタを取る。
洗って水気をふき取り、片栗粉をまぶす。
酢に味を見ながら砂糖を溶かし、ゴマ油と輪切り唐辛子少々を入れる。
ここに玉ねぎとピーマン、セロリ、そしてトマトのうす切りをひたしておく。
トマトはやはりスピナーズで、松下奈緒似の女性からもらったので、
南蛮漬けには普通は入れないと思ったが、せっかくだからと入れてみた。
フライパンにサラダ油を1センチ高さくらいに入れて、弱めの火にかけ、
豆アジを途中で表裏を返して、じっくりと揚げる。
じっくり揚げると、骨までやわらかくなる。
揚げた豆アジの油を切り、野菜をひたしておいた甘酢に漬ける。
10分ほど漬ければとりあえず食べられるようになるが、
2~3日でも、漬ければ漬けるだけやわらかくなる。
たしかに塩を入れなくても、酢の酸味があるから、
味は足りないところがない。
むしろ塩を入れないほうが、やさしく、すっきりとした味になる。
トマトも、入れたのは大正解だとぼくは思った。
あとは梅干しととろろ昆布のにゅうめん。
お椀にゆでて水で洗い、熱湯で温めたそうめんと、
削りぶし、とろろ昆布、梅干し、青ねぎを入れ、
熱湯を注いでうすくち醤油で味をつける。
みょうがと大葉の冷奴。
おろしショウガと削りぶし、ポン酢醤油。
農家のおばさんから買った、赤カブのぬか漬け。
スピナーズで桐島かれんと飲んでいたら、
松下奈緒似の女性が来て、
ぼくの、桐島かれんとは反対側の隣りに座った。
桐島かれんとの料理の話はひとしきり終わり、
話題は7月6日三条会商店街七夕祭りでの、ぼくの演奏の話になった。
ぼくは当日の衣装について、
桐島かれんと松下奈緒に相談してみた。
「加トちゃん風の、ハゲヅラにちょびヒゲ、
腹巻にサルマタでやろうと思うんですが・・・」
聞いた途端に、桐島かれんと松下奈緒は、嫌そうな顔をした。
「それ絶対、ドン引きされるよ・・・」
七夕祭りで一番多いのは、桐島かれんや松下奈緒と同世代、
30代後半の家族連れのはずだ。
小さな子供は加トちゃんなど知らないし、
お母さんも、加トちゃんの衣装をいいと思うとは思えない・・・。
「私、高野さんがドン引きされて、
一人ぼっちになっているのを見たくない・・・」
桐島かれんは、憐れむような顔でぼくを見る。
変に衣装などに凝るよりは、
ぼくがいつも着ているような、
自然な服装でやったほうがいいと言う。
「こういうことは、女性が言うのがまちがいないね。」
加トちゃんの衣装はやめることにするよ。