2012-08-31

甘とうがらしの焼いたの、サンマのお造り

昨日の晩酌は・・・。

新物のサンマが出回りはじめていて、魚屋の店先にも並ぶようになっているのだけれど、まだ280円もする。
せめて100円台になるまで待とうと思っていたら、魚屋のお兄ちゃん、どうしても買ってほしそうな顔をする。
サイズも大きいし、活きがいいからお造りで食べるとおいしいとのこと。

それで結局、そのサンマを買ってお造り。
豆腐屋では厚揚げを買い、あとは冷蔵庫にあるものを並べてみた。






きょうの一品。



ご主人に出す酒の肴として、手がかからずに、しかも絶対によろこばれると思うもの・・・。
甘とうがらしの焼いたの。



これはほんとに、ただ焼き網かグリルで甘とうがらしを軽く焦げ目がつく程度に焼くだけだから、まったく手はかからない。
削りぶしをのせ、ポン酢しょうゆをかけて食べる。
八百屋のご主人から教えてもらった食べ方。



甘とうがらしは、京都なら万願寺とうがらしとか伏見とうがらしとか、色んなのが売っていて、昨日は赤万願寺とうがらしを使ってみたけど、べつにシシトウとかで全く問題ありません。
苦味があってほろ苦くて、そこにポン酢の酸味がきいていて、酒の肴としてはほんとに最高。



ヘタと種を取るか取らないかという選択があるのだけれど、男なら絶対、取らずに丸ごと。
その方が見た目がいい。

種は、多少強めに焼くようにすれば固いことなど全くないし、むしろ酸味があってうまい。
ヘタは食べられないから、自分で残してもらうようにする。






それからこれは、作るのには30分くらいはかかるから、まったく手がかからないというわけにはいかないけれど、酒の肴として最高におすすめなのが、とうがん汁。
おとといの残りだけれど、冷やして食べるとまたうまい。



酒に汁物は合わないと思う人もいるかもしれないけど、懐石料理でも初めに吸物が出てくるように、飲み始めに汁をすするのは、胃が落ち着いていい。
ただやはり、酒にはみそ汁よりは、吸物が合う。



出しを吸い、やわらかく煮えたとうがんと、とろみのある汁、それにちょいと落としたおろしショウガは、ほんとに癒される組み合わせ。
とうがんの皮をむく時は、緑のところを残さないよう、厚くむくようにする。






サンマのお造り。
みょうがと大葉をたっぷりと刻み、ショウがじょうゆで食べる。
魚屋のお兄ちゃんがおすすめしてくれるだけあって、脂が乗ってほんとにうまい。



最近の若い人は、魚を料理しない人も増えているとのこと。
それでスーパーでは、「ファストフィッシュ」と呼ばれる骨などのない、手軽な魚の加工品を開発し、少しでも魚を食べてもらおうとする取り組みを始めているのだとか。



これはスーパーの立場としては、わからないこともないのだけれど、ほんとうは魚を買うなら、魚屋へ行くのが一番いいんですよね。



魚はどうしても、ある程度下処理の手間がかかることになり、それが魚によって違ったりするわけだけど、それを本やネットのレシピで勉強しようとすると、すごく難しいものになる。
サンマを3枚におろしたりするのも、そう大して難しいものではないけれど、やり方をこのブログに誰にでもわかるように書けと言われると、それは難しいということになる。



日本人が魚を食べるやり方は、「方法」ではなく、「技能」なのだと思う。
西洋流に、物事をなんでも方法として書き下ろせと言われても、技能についてはどうしてもそれができないところがあり、自転車に乗ったり、泳いだりすることを身に付ける時にするように、技能を身に付けるには人がやっているのを見て、それを真似して自分でやってみるしかないという気がする。

だから魚の下処理も、初めは魚屋にやってもらうようにして、それをやっているところを見せてもらい、今度は自分でやってみるようにするのが、身に付けるには一番手っ取り早い。



スーパーも、ほんとは「魚ソムリエ」でも鮮魚売り場に配置して、料理法などを色々きけるようにするのが、魚の売上げを上げるためには、ファストフィッシュなどよりよっぽど近道だと思うけれど、でもそれでは経費がかかりすぎるということなんでしょうね。



最近は商店街が壊滅してしまった地域も多いから、家の近くに魚屋がないということも多くなっているのだと思うけれど、もし近くに商店街があり、魚屋があるのだったら、行ってみると新しい世界がひらけるだろうという気がします。






「誰かこのブログを見て、魚屋へ行く人が現れるといいね」
そう簡単な話でもないよ。






あとは厚揚げの焼いたの。







ナスの塩もみおかかポン酢しょうゆかけ。







焼酎の水割り。
サンマをあまり時間をおいてはいけないからとバクバク食べたら、早めにつまみがなくなって、昨日は3杯で終了。
ダラダラ食べなきゃ、酒も飲み過ぎないのはわかっているけど、なかなかそれが改められないという・・・。




2012-08-30

冷や奴特集、ナスと鶏の蒸し物、とうがん汁

今日の晩酌は・・・。
ナスと鶏の蒸し物、とうがん汁。





献立を考える時、メインのおかずはお子さん中心で考えて、
お酒が好きなご主人のためにはつまみを別に一品用意するということも
あるんじゃないかと思います。
時間もないし、ご主人のつまみにはそうそう手はかけられない・・・。

そういう時、手間がかからず、
しかも酒飲みの男性がかなりの確率で満足するとおもえるものが「冷や奴」です。



俵万智の短歌に、

「冷や奴があればよろしい父のため ネギをたっぷり刻んで待とう」

というのがありますが本当で、
僕も豆腐は100%毎日食べ、そのうち半分くらいは冷や奴。

居酒屋などへ男性数人で行くと、
全員が1つずつ自分の「マイ冷や奴」をたのみ、
冷や奴が3つも4つもならぶことも珍しくありません。



豆腐は良質なタンパク質を含むので、
肝臓の機能を強化する働きがあるそうです。
またつるんとしていて食べやすいから、
飲みはじめの食べ物より酒がほしい時に食べるのにちょうどいい。






冷や奴は、やはりまずは基本は、
ショウガとかつお節、それにネギを乗せたものだと思います。
ネギはいらないという人もいるみたいですが、僕はあったほうがいい。






みょうがを刻んでポン酢をかける・・・。
みょうがはタテに切ると、上から液体をかけてもシャキシャキ感を保ちます。






さっとゆでたオクラにちりめんじゃこ。
これもポン酢をかける。






オクラにアジの干物を焼いてほぐしたのを混ぜポン酢をかける・・・。
これはちょっと豪勢な感じになりかなりイケました。






それからこれはオススメ。
ナスじゃこ炒めの冷や奴。
5ミリ幅くらいに切ったナスをゴマ油でしんなりするまで炒め、
じゃこを加えてひと混ぜしたら、しょうゆでちょっと濃いめに味付けする。
ナスと豆腐のやわらかいもの同士のコンビネーションが抜群で、
ほんとうにうまいです。






厚揚げを焼いたのもうまい。
厚揚げを、湯通しもせずそのまま、フライパンでこんがり焼き、
ネギにショウがじょうゆで食べる。






というわけで、冷や奴をずらりと並べてみたところで、
昨日の晩酌は、ナスと鶏の蒸し物。

ナスは皮をむいて蒸すととてもうまいんですが、
さらにこれが、蒸しているあいだに出てくる鶏のスープをたっぷり吸って、
あっさりとしながらも濃厚、
この世のものとは思えないほどうまいです。






ナスはヘタを取り皮をむいて、5分ほど水にさらしてアクを抜き、
塩少々をすり込んで分厚く切る。
鶏もも肉も塩少々をすり込んで、食べやすい大きさに切る。
深めの皿にまずナス、その上に鶏肉をおき、
しめじと、彩りに赤ピーマンでも散らしたら、
酒をパラパラとふりかけ、
うすくちしょうゆ小さじ1くらいをたらして蒸し器に入れる。
蒸し時間は15分。
電子レンジなら7~8分だと思います。






レモン汁をふりかけて食べる・・・。







しっとりとしたナスがたまらん・・・。







またこのスープが絶品。







「でも実は蒸し時間を10分にしたら蒸し足りなかったんだよね」
それは内緒にしておいてくれよ。






とうがん汁。
とうがんを吸物だしで透き通るまで煮て、
水溶き片栗粉で軽くとろみをつけ、おろしたショウガをのせる。
これはほんとに癒されます。






ささげマヨネーズ。
十六ささげは一束60円とかで売っている。






酒は焼酎水割り。





2012-08-29

鯛のかぶと煮

昨日の晩酌は・・・。
鯛のかぶと煮。






ご主人がビールやワイン、ウィスキーを飲む場合は、
つまみは肉のほうがいいと思いますが、
焼酎や日本酒など日本の酒には、つまみはやはり魚が合う。
魚の中でも鯛は、日本酒への合い方が尋常ではなく、
つまみの王道と言っていいものだと思います。



魚屋やスーパーで鯛を買う場合、刺身を別とすれば、
頭などのアラにするか切り身にするかの選択がある。
たぶん女性は、アラは料理するのも面倒だし、骨があって食べるのも面倒だから、
切り身のほうがいいと思う人が多いんじゃないかと思うんですよね。

実際値段も、切り身はアラの倍以上する。



でも酒を飲む男なら、圧倒的にアラがいいと思うんじゃないかと思います。



まず第一に、男は頭をありがたがるところがある。
「頭を取る」とか、「ヘッドになる」とか、大好きなんですね。
だから鯛の頭が出てくるだけで、ほんとは値段は安いのに、
すごく豪華なごちそうであるような気がしてしまう。



それから酒のつまみには、チビチビ食べられるものがいい。
お腹が一杯になってしまうと酒がまずくなるから、
酒飲みはつまみをできるだけ少しずつ食べ、
ちょっとでも長いあいだ、酒を飲んでいたいと思うんですね。

その点、魚のアラはこれ以上のものはありません。
骨のあいだからちょこちょこと身をつまみ出したり、
骨をチューチューと吸ったりするのは、
酒を飲むときの儀式としては最高のものだと思います。






鯛のアラは、いちばん簡単に料理するなら、
ウロコだけ取って塩をふって焼き、
ポン酢でもちょんとつけて食べれば十分おいしいですが、
定番はかぶと煮。

たしかに下処理の手間はかかりますが、それほど面倒臭いこともありません。






まず表裏に軽く塩をふり、5~10分くらい置いておく。






80度くらいの熱湯でさっと湯通しし、そのあと水でよく洗う。
残っているウロコをすべて取り、血の塊やぬめりを落とします。






鍋に昆布をひき、水と酒をカップ2分の1ずつ、みりんとしょうゆをカップ4分の1ずつ、
砂糖を大さじ2~3杯入れ火にかけて、沸騰したら、アラと水にさらしたゴボウを入れる。
軽くアクを取って落としブタをし、強めの中火で10分煮る。
調味料の分量は、アラが2人前になっても、変えずに同じでかまいません。






鯛のかぶと煮。







目のまわりのゼラチン質が、また珍味。







口のまわりもうまい。







鯛のうまみがしみたゴボウも死ねる。







「でも最近の若い人はあまり魚を食べなくなったと聞くよ」
そうかな。会社にでも勤めていれば、上司や先輩に飲みに連れて行ってもらって、
魚の食べ方を習っていると思うけどね。






背骨が入っていれば、15分くらいコトコト炊いて、
酒とうす口しょうゆ、それに塩それぞれ少々で味付けして吸物にする。
味がにごるからと何も入れなかったけれど、豆腐くらい入れてもよかった。






さっとゆでたゴーヤにかつお節とポン酢。
これは八百屋の奥さんに教えてもらった食べ方。






酒は焼酎水割り。
つまみがよすぎて、延々2時間半も飲んでしまった。





2012-08-28

ゴーヤチャンプルー梅肉味

昨日の晩酌は・・・。
ゴーヤチャンプルー梅肉味。






「亭主元気で留守がいい」というから、
ご主人は家にいないほうが気楽だとおもう人も多いのかもしれないけど、
もし早く帰ってきて家で食事してもらったほうがいいのなら、
やはりある程度は、ご主人の好みを考えてあげる必要があるわけですよね。

特にお酒を飲むご主人に家で酒を飲んでもらおうとおもうなら、
食事が酒に合う必要がある。



例えばゴーヤチャンプルー。
ゴーヤチャンプルーは基本的に酒に合うから、どんなふうに作ってもいいのだけど、
より酒に合うものにしようとおもうと色々と検討の余地がある。

ゴーヤチャンプルーは多くのレシピで、
フライパンに次々材料を入れいっしょに炒めていくようになってます。
そうすると、豆腐は粉々に砕け、
卵も上から回しかけるから、炒り卵のようになってしまう。



でも酒飲みの立場から言わせてもらえば、
「つまみは箸でつまめるものであってほしい」とおもうんですよね。
酒を飲むには、おかずをご飯にのせたり、パンにつけたりするわけにいかないから、
粉々に砕けたものだと食べにくい。

ちなみに僕は、史上最もつまみにならない食べ物は、カレーだとおもっています。
でもカレーで酒を飲む人、知り合いにいますけど・・・。



そういうわけで、ゴーヤチャンプルーは材料をいっしょに炒めてしまうより、
一つ一つ別に炒めたほうが、より酒に合いやすいことになる。



それから味付け。
多くのレシピで、ゴーヤチャンプルーは塩で味付けすることになっている。

ゴーヤチャンプルーはゴーヤの苦味が一つの味付けになっているから、
塩だけで味付けしても十分おいしいですが、
ご飯でなく、酒に合わせようとおもうのなら、ちょっとさわやかな味がしていてほしい。



それで、梅肉味。
梅肉は、ゴーヤにも豚肉にも、豆腐にも卵にも、よく合います。






というわけで、ゴーヤチャンプルー梅肉味。






まずはフライパンにサラダ油少々をひき、ゴーヤを強火で炒める・・・。
ゴーヤは炒めすぎると、せっかくの苦味が飛んでしまいますよね。






水切りした木綿豆腐を手でちぎり、すこし多めのサラダ油でしっかり炒める・・・。
水が出なくなり、さらに軽く焦げ目がつくまで炒めるのが、僕は好きです。






少し多めのサラダ油で卵を炒める。
かき回して炒り卵のようにしてしまわず、大きめにまとめるようにする・・・。






最後に豚肉を炒め、火が通ったらゴーヤと豆腐、卵をもどし入れ、
梅肉ソースで味付けする。
梅肉ソースは包丁でよく叩いた梅肉3~4個分と、うすくちしょうゆと酒を大さじ2。






皿に盛ったら、削りぶしをたっぷりかける・・・。







しっかり火が通りちょっと固くなった豆腐が、味を吸い込んだのがうまい。







「ちょっと注文が細かすぎるんじゃないの」
そうかな、ゴメン。






船場汁。
湯通しした塩サバのアラを大根、だし昆布といっしょに炊き、
酒とうすくちしょうゆで味付けする。
「これがサバか」とおもうような、うまい吸物になる。






塩もみナスとみょうがのおかかポン酢がけ。







酒は焼酎水割り。





2012-08-27

しめサバ

昨日の晩酌・・・。
しめサバ!






しめサバは、男にとってのキラーアイテムの1つであるとおもいます。
女性は刺身なら鯛などの白身が好きなのじゃないかとおもいますが、それだとちょっとあっさりし過ぎていて、男にはどうも物足りない。

それなら大トロとかなら、脂がたっぷり乗っていていいだろうという話ですが、大トロは値段も高いですし、いかにも「うまいだろう」とドヤ顔をしてくるところがある感じがして、「それもちょっと・・・」とおもうところがある。

ところがしめサバは、酢でしめて一見あっさりとしているにもかかわらず、濃厚なうまみが潜んでいるところに、奥ゆかしさを感じるというわけなんですね。






ですからしめサバが食卓に並んでいたりしたら、ご主人は目をキラキラさせることは間違いないとおもうんですが、これを店で買うとなると、そう安いものでもない。
4~5切れ入った4分の1身で500~600円、半身なら1000円は下らないんじゃないでしょうか。

ところがこれを自分で作るとなると、値段は一気に安くなる。

冬場のトップシーズンの、新鮮で脂が乗りまくった大きなサバでも、1匹を600~700円で買うことができます。
おととい僕が買った塩サバは、ちょっと小さめだったので、1匹で380円。
しめサバを店で買うのの数分の1の値段になってしまうんですね。





しめサバを作るのは、まったく難しいことはありません。
ただ酢につけるだけ。
ただ生サバか塩サバの新鮮なのを買う必要があるので、魚屋へ行かないといけないのが、スーパーしか行かない人には面倒といえば面倒かもしれません。

それで魚屋で、3枚におろして、生サバなら塩をふるところまでやってもらう。
サバのアラの部分も、船場汁にするととてもおいしいですから、やはりいっしょに塩をふってもらって持ち帰るようにします。






塩をしてもらった生サバは、5時間以上おくようにします。
別に一晩おいてもかまいません。

塩サバを買えば、すぐに漬け込み始められます。
しめサバは、生サバより塩サバを使ったほうが、コクがあっておいしかったりすることもあります。

さっと水で洗って、キッチンペーパーで水気をよくふき取る。

ビニール袋にサバとだし昆布を入れ、砂糖ほんの少しを溶かし込んだ酢をサバがかぶるところまでそそいで口を閉じます。


漬け時間は、色々考え方があるんですが、サバにはこだわりがある京都の魚屋の若大将が指定するのは3時間。

3時間たったら引き上げて、酢をぬぐい取り、皮を頭の方からピーっとむいて、中骨の目立つやつを5~6本抜いたら、キッチンペーパーとラップにくるんで1日ほど寝かせておく。

すぐ食べるより、少し寝かせたほうが味がなじんでおいしいです。






しめサバ!

もう昨日は、一匹丸ごとの大人食い。

今はシーズンオフだから、脂が乗りまくりというわけでもありませんが、おいしいことに変わりありません。

しめサバはわさび醤油で食べるのが定番かとおもいますけど、みょうがや大葉の薬味を添えて、ショウガじょうゆで食べるのが僕は好きです。






「ゴキゲンだね」
しめサバは大好物だからね。






あとはナスじゃこ炒めの冷奴。
ナスをしんなりするまでゴマ油で炒めてちりめんじゃこをくわえ、しょうゆで味付けしたものを冷奴にのせる。
これはご飯のおかずにはどうかとはおもいますが、酒の肴には最高です。
ナスと豆腐の、やわらかいもの同士の取り合わせがたまりません。






パプリカとしめじのみそ汁。
冷蔵庫に残ったものの処理にはみそ汁にするのがいいことを、昨日あらためて認識しました。






酒は焼酎の水割り。