2011-12-31

ビールとの相性抜群。
「アサリの入ったカレー鍋」


カレー鍋は、日本酒に合わないと決めつけて、敬遠していたのだけれど、実際のところどうだかは、食べてみなければ分からない話だ。ご飯を添えて食べるカレーライスが、日本酒に合わないことは言うまでもないけれど、カレー鍋はまたそれとはまったく別だから、だいじょうぶかもしれない。

カレー鍋といっても色々あるわけで、何といっても、洋風か和風かの選択がある。ニンニクやローリエを入れて煮込む洋風にしてしまえば、やはりワインがないとイマイチ、ということになる可能性は高いが、カレーうどんというものもあることだし、和風にしてしまえば、日本酒がまったく合わないということはなさそうだ。

和風というと、きちんとだしを取れば、おいしくなるに決まっているけれど、家で作るのならば、できればだしを使わずに、簡単にできるのがいい。さらにもちろん、ほんだしなどの化学調味料も、できれば使いたくないところだ。そこで入れる材料を工夫して、だしを使わなくても、おいしくカレー鍋が作れるやり方を、試してみることにした。



だしを使わないといっても、だしが出るものをなにか入れないといけないのは、言うまでもないことだ。そこで豚バラ肉。200グラム。豚バラ肉は、不思議なことに、肉屋で買うと、スーパーより断然安く、日本産のおいしいのが買える。これに塩コショウをして炒める。炒めるときに塩コショウをしないと、煮込んでしまう場合は、肉に味が付かなくなってしまうからダメだ。平らなパッドにでも置いてやってもいいが、直接鍋に入れて塩コショウしてしまう。並べたら1位列じゃすまなかったので、まず1列肉を並べて、塩コショウし、さらにもう1列肉を並べて、また塩コショウした。

豚肉を中火で炒め、ひと通り色が変わったら、今度は玉ねぎを、うす切りしたのを炒める。これも色が透きとおる程度に、わりとていねいに炒める。玉ねぎはていねいに炒めたほうが、だしの味がうまくなる。

ここにS&Bカレー粉を、ドバっと入れる。そしてさらにていねいに炒める。カレー粉も、ちゃんと火を通したほうが、辛さが引き立つものだ。

カレー粉をひと通り炒めたら、水を入れる。600ccくらいとか。それからだし昆布。だし昆布でとりあえず、最低限のだしを出してもらう。肉のだしと昆布のだしは、動物と植物で、相性がいい。あとは日本酒。鬼ころしなどの安いやつ。これはスーパーで、2リットルの酒パックが500円ほどで売っているから、料理酒と比べてもそれほど高いこともない。こないだ行ったおでん屋も、やはり料理に使う酒は、鬼ころしを使っていた。日本酒は、1カップくらい、たっぷり入れる。だしを取らない場合、日本酒をたっぷり入れると、いいうまみを出してくれる。さらに日本酒は、肉の臭みも取ってくれるから、言うことない。

味付けは、あまり早い段階でやってしまうと、狂う場合があるから、先にキャベツを入れる。しかしこれは、やってみてわかったのは、キャベツより白菜のほうがうまかったのじゃないかと思う。このレシピでカレー鍋を作る場合は、ぜひ白菜でやってもらいたい。

10分ほど煮込んで、肉からも野菜からも、味がしみ出してきたところで、味をみる。その上で、まず醤油。これは入れすぎないことが肝心だ。味付けは、あとになるほど、汁が煮詰まって濃くなったりしがちだから、ちょっと足りないくらいで留めておいて、もし足りなければ、最後に醤油でも塩でも足せばいい。

それからトマトピューレー。これはケチャップでも可。ケチャップを入れる場合は、言うまでもないが、醤油を少なめにしておく。やはりカレーは、ちょっと酸味がないと寂しい。生のトマトなどを入れてしまうというのも、悪くないのじゃないかと思う。

今回、考えてみたら、甘みをまったく入れなかったが、もしかしたら少し、みりんを入れたほうが良かったのかも。

それから、ショウガなどをすりおろしたのを、入れてもよかったかも。

さらに実は、ここで痛恨の失敗をしたのだ。せっかく買ってあった、豆腐屋のおいしい油揚げを、ここで入れるのを忘れた。あとからアサリを入れたから、煮直すわけにもいかず、泣く泣くあきらめたが、油揚げを入れれば、絶対にまちがいなく、100倍はうまかった。このレシピを見てカレー鍋をつくろうと思う人は、ぜひ油揚げだけは、忘れずに入れてほしい。

さらに10分か15分くらい煮て、キャベツがくたくたに柔らかくなったら、しめじ。

そしてよく洗ったアサリ。スーパーで、水の入ったパックに入っているアサリを買うのなら、砂出しは別にしなくてもいい。砂出しが必要だったら、海水くらいの濃さの塩水に、アサリを1時間ほどひたしておく。

あさりの口がひらけば出来あがり。青ネギをふって食べる。



このカレー鍋は、レシピを見てのとおり、だしは取らなかったのだけれど、うま味にはまったく不足がない。豚肉やら玉ねぎやら、それにキャベツにアサリだから、それで十分なのだ。甘みだの、ショウガだのがあったらいいような気は、食べながらしたから、それは次回の課題ということにさせてもらう。

どう考えても、このカレー鍋にはビールが合いそうな感じがしたから、まずはビールを飲んでみた。抜群の相性。このカレー鍋は、ビールのためにあると言っても過言ではない。ビールが好きな人には、まさにおすすめだ。

このあと、日本酒に切り替えてみたが、決して悪くない。最高の相性とまでは言えないが、十分ありだと思う。

あとこのカレー鍋は、これも言うまでもないかもしれないが、まちがいなく、うどんが最高に合う。はじめからうどんを入れてしまい、うどんすき風にするのも悪くないだろうし、残り汁をうどんでしめるのもいい。