野田氏が総理大臣になることが決まったということで、野田氏は年も僕に近いし、ぜひ頑張って欲しいと思うんだが、まあしかし、野田氏が総理大臣になったからといって、日本がどうなるともあまり思えないというのが正直なところだろう。
というか、誰が総理大臣になっても、あまりどうなるとも思えない。それ以前に、日本がどうなったらいいのかも、ようわからん。
脱原発・自然エネルギーの人たちは、「自然エネルギーこそが日本が進むべき道だ」と言うんだろうが、あまりそうとも思えん。日本にソーラーパネルやら風車やらが立ち並ぶ未来を想像しても、全くワクワクせん。自然エネルギーが、一つの重要な方向性であることは確かなのだろうが、僕はあまり興味はない。
僕は原子力発電所については、味の素と同じ考えだ。僕は消極的脱味の素派だ。
僕は自分で味の素を使おうとは、全く思わない。味の素は料理の面白さを、半減させてしまうどころか、特に初心者にとっては、「料理」というものが何なのかを、全くわからなくさせてしまう害悪すらあると思う。
あの、粉をパラパラと水に溶かすということが出汁であると思ってしまうと、肉や魚を煮ることの意味が、全くわからなくなってしまう。出汁は料理の基本だから、出汁がわからなくなるということは、料理がわからなくなるということだと思うんだな。
同じ粉でも、煮干しや鰹節を砕いて粉末にしたものと、味の素は決定的に違うと思う。天然の材料を砕いたものは、どうしたって煮出さなければならない。しかも出し殻があとに残る。まだそれだと、出汁の意味は、かろうじてわかるような形になっている。
ただ、例えばラーメン屋で、味の素を使わないとする。そうするとラーメンの値段が上がり、結果としてお客が離れ、ラーメン屋の経営が成り立たなくなるわけだ。僕はだから、ラーメン屋が味の素を使うことは、全く否定しない。
食の安全を考える人達の中には、味の素を全く使わないことを目標にする人もいると思うんだが、僕はそれとは全く異なる。味の素で多少犠牲になるものがあったとしても、ラーメン屋の経営のほうが大事だという考えだ。
まあこれと原発問題がどう関係があるのかは、もう面倒臭いから説明しないが、原発問題は、日本が山ほど抱える問題の、その中の一つであり、例えば企業の経営の問題とか、安全保障の問題とか、膨大な金額にのぼる赤字国債の問題とか、そういうものの中で、優先順位を決め、バランスよく考えていくことが必要なのだと思う。
原発の問題でいえば、未来のエネルギーの問題などよりも、まず福島の放射能汚染問題が、最優先に解決されなければならない、よほど深刻な問題だ。日本人は福島限定の問題だと、どうしても他人事になってしまうのだろうな。まあ僕もそうかも知れないが。
放射能に汚染された地域の除染の問題や、いま実際放射能を浴び続けている子供たちの問題、強制退避地域から外れた人たちへの補償の問題…等々。とにかくこれは、一刻も早く何とかしてもらいたい。
そのために増税が必要だというのなら、増税したってかまわない。もう今の時代、借金で何とかしようと考えるような時代じゃないだろう。これからする借金など、経済が減速するこれからの日本に、返していけるわけがない。
日本のこれからを考えた時、一番大きな問題は、終戦以来日本を引っ張ってきたシステムややり方が、もう通用しなくなっているということだろう。貧しかった日本が、経済大国を夢見て、猛烈に頑張り、金持ちになっていった。そのジャパニーズドリームを、日本は20年ほど前に、達成したというわけだ。しかしそのやり方は、金持ちになってしまった日本には、もう通用しない。同じやり方を、今中国がひた走りに頑張っているわけだろうが、金持ちになってしまった日本には、もうその真似はできない。
それでは日本は、これからどうしたらいいのかというのが解らないままに、ここまで来てしまっているわけなのだよな。その途中で震災と原発事故が起こり、このままではいけないということが、なおさらはっきり解るということになってしまった。
僕はこの混乱は、まだまだ続くと思うのだよな。あと20年くらいは続くんじゃないか。
「今までのやり方」というものは、何も政治家や財界の人たちに限ったことじゃない。日本人の一人一人が持っているものだろう。
今回菅首相を見ても、団塊の世代特有の、あの他人を押しのけ、何としてでも自分が一番になろうとするという、高度経済成長時代の考え方が、まったく抜けていないんだなとつくづく思った。だからこれまでのやり方で、成功体験を持っている人は、新しいやり方を見つけることなど無理なんじゃないか。またもし誰かが見つけたとしても、みんなでよってたかってそれに反対して、潰してしまうことになるだろう。
僕ぐらいの世代でも、やはりこれまでのやり方の中で、いい思いをしてきた部類に属するのじゃないかと思う。バブル真っ盛りの頃に仕事を始め、仕事とはこういうもんだとか、それなりに考えているものがあったりするわけだ。
僕は日本は、そういう成功体験を一切持たない世代が、社会の中枢を占めるようになるまで、変わらないんじゃないかと思うんだな。それはたぶん、いま30代前半くらい以下の人たちじゃないか。
この人達は、大学を卒業したのは、完全にバブルが崩壊してから。就職もすごく大変だっただろう。それ以来、日本の経済は悪くなり続けているから、いい思いを一つもしていない。それにこの世代の人達は、コンピュータ世代であるということもある。小学校の頃からファミコンに親しみ、中学高校でマックやウィンドウズを体験し、コンピュータを使うのが当たり前という世代。
僕はこの世代が、今の野田首相の年くらいになる20年後あたりになって、初めて日本は、大きく変われるということになると思うんだよな。
そう考えると、僕の世代や、もう少し下の40代の世代がやるべきことが何かといえば、日本を決定的な破綻に至らせないようにすることとか。また何がほんとうに大事なのかを、一人ひとりが考え、それを後輩に伝えていくこととか。そういうことなのじゃないかと思ったりする。
とにかく今の時点で、日本を大きく変えるウルトラCなぞあるわけがないし、そんなことを言おうとする奴は、眉に唾して話を聞いたほうがいいんじゃないかと僕は思うね。
昨日は昼めしに、焼きそばを作った。この焼きそばは、いつも2玉で作るのに、昨日は1玉にしたもんだから、しょうゆの加減を間違えて、ちと塩っぱかった。
つなぎにうどん。冷凍うどんを湯がいて冷やし、おかかと青ねぎ、生姜に醤油をぶっかけて食う。冷凍うどんは、値段のわりに、すごくうまいんだよな。でも最近は、京都に来て、コシのないへなちょこのうどんも、なかなかいいなと思うようになっている。
晩飯は豚肉と水菜のうどんすき。水菜としいたけを、見切り品で買ったはいいが、使わずに冷蔵庫に入っていたのを消費するため。しかしこれは、しいたけが効いたんだな、出汁が死ぬかと思うくらいうまかった。やはりしいたけはエライのだ。
朝飯に、またうどんを食った。