2011-05-07

牛肉と小松菜の煮物

菅首相が昨日ようやく、浜岡原発の全原子炉について、運転を停止すると発表した。東海地震がかなりの確率で予測されるなか、福島原発と同様、津波に直撃されかねないこの原発を停止するということについては、当然のことであるとおもうのだが、菅首相が何を考えているのかということについて、イマイチわからないところがある。

だいたい浜岡原発を止めたほうがいいということについては、大震災の直後から言われてきたにもかかわらず、なぜそれから2ヶ月近くも時間がかかったのか。「各方面の話を聞き、慎重に検討していた」と新聞に出ていたけれど、結局いまになって決めるというのは、ただグズで決断力がなかったということなのじゃないのか。

それに記者会見で、菅首相の話しぶりに、どうも覇気が感じられなかった。記者がどちらかというと否定的な主旨の質問をしたのにたいして、いかにも自信がなさそうな様子をみせていた。

菅首相がもし、自分の支持率を上げたいとおもうのだとしたら、それはいま、これほど簡単なことはなくて、福島原発の事故で明らかになった、産官学の「原子力村」のこれまでの不明にたいして、徹底的に攻撃したらよい。それがいいことであるとは、かならずしも言えないとおもうけれど、原子力村のあまりのひどさに辟易している多くの国民は、支持をし喝采を送るのはまちがいないから、政治家としてあり得るひとつの判断であるとおもう。

そこに踏み出すチャンスは今まで、いくらでもあったとおもえるのだけれど、小沢氏も反旗ののろしを上げ、追い込まれに追い込まれたところでようやく、そちらに舵を切る気になったのか。原子力村は、日本の中枢であるといってもよいくらいなもので、それを攻撃するとなったら、壮絶な反撃があることだろう。それをおそれて、今まで足がすくんでいたのが、窮鼠猫を噛む、ここまで追い込まれてやけばちになって、ようやく頑張るつもりになったのか。それならいいんだがな。

毎週木曜日は、グルメシティが「木曜の市」ということになっていて、アメリカ産の牛コマ肉が100グラム100円くらいの激安価格で出てくるから、僕はいつもそれを買うことにしている。これまではいつもジャガイモとあわせて、池波風スキヤキだの、肉じゃがだのにしていたのだけれど、おとといは昼めしに、「ikoi cafe」で肉じゃがのランチを食べてしまったこともあり、何かちがう食べ方はないかと、ない頭でいろいろ考えた。

といっても僕の場合、家のレンジの火力が弱いこともあり、炒め物はハナから除外しているので、煮物になるわけなのだが、売り場で野菜をいろいろ眺めながら、牛肉に小松菜というのは、悪くないのじゃないかと考えた。

というわけで、それに厚揚をあわせて、牛肉と小松菜の煮物。

作り方は、池波風スキヤキと同じなのだが、沸騰した水に厚揚と小松菜、それに牛肉を入れ、まず砂糖、そして醤油で味を付け、牛肉の色が変わったら出来上がり。だしも使わないし、アクも取らない。酒やみりんも入れない。しかしこれが、大層うまいだしになる。牛肉と小松菜の相性も、おもったとおりバッチリだった。

ただこれは鉄則があって、七味をふって食べること。これを忘れると、なんとも間の抜けた味になる。

翌朝は残りの牛肉を使って牛丼。玉ねぎを入れるということだけちがって、作り方はまったく同じ。七味をふって食べるというのも同様。