2011-02-01

韓国のザ・ミニマル料理、キムチチゲ

僕が韓国でホームステイをしたときに、ホストの64歳、ベテラン主婦から作り方を教わったキムチチゲ、味付けはほんとに、キムチと塩だけだったのだ。
キムチは白菜を塩漬けして、そこに唐辛子だのニンニクだのアミの塩辛だの、おいしい味がするものをがっぽりと入れて、それを漬け込んで発酵させたものなわけなので、もうそれだけで、ほかのものは何もいらないということなのだな。
このキムチのうまみを存分に味わうのが、キムチチゲなのであって、だから入れる具材も、豚肉と豆腐のみ。
まさにシンプル・イズ・ベスト、韓国のザ・ミニマル料理なのである。

作り方は何度も書いているが、ポイントはキムチの味を、肉にしっかりとつけること。
そのためにまず、ザクザクと切った豚のブロック肉を鍋にならべ、その上にキムチをこんもりとのせ、キムチの汁があればそれもふりかけて、しばらく置く。
豚肉は、脂っこいのが好きならバラ肉で、あっさりしたのが好きならロースで、お好みしだいで選べばよい。

そのあとさらに、鍋にフタをして、弱火にかけて、蒸し焼きにする。
韓国ではこれを「ポックム」と言っていたが、「キムチ・ポックム・パプ」はキムチチャーハンだから、ポックムは「炒める」という意味かと思っていたら、日本の「炒める」とは、意味がちょっとちがうのだな。

10分くらいポックムしたら、ここで初めて水を入れ、フタをして弱火でコトコト、肉がやわらかくなるまで30~40分煮込む。
味付けがキムチだけなので、水を入れすぎないように気をつける。

そしたらこれに、味を見ながら塩で味をつけ、木綿豆腐をいれひと煮したら出来上がりなのだが、豆腐だけだとちょっと寂しいので、アスパラとしいたけも入れてみた。

これはほんとに激ウマ。
味付けがキムチのみなので、キムチがうまいかまずいかで、すべてが決まってしまうわけだが、スーパーでふつうに売ってるキムチでも、かなりおいしくできる。
僕はキムチを、家の近くの韓国食材を売ってる店で買ってみたのだが、そちらのほうがやはりうまいのは、言うまでもない。


酒は以前は、べつにアルコールでありさえすれば、味は関係ないと思っていたのだが、最近になって、安い酒だと味に満足感が得られないため、つい飲み過ぎてしまいがちで、その点うまい酒は、すこし飲めば満足して、値段と酒量が反比例するということが、はっきりとわかったのだ。
それでこれからは、健康のためにも、すこしいい酒を飲むことにして、スーパーではないところで、いろいろ買ってみることにしたわけなのだが、とりあえず賀茂鶴、特別純米酒。

賀茂鶴は酒どころ広島を代表する銘柄で、甘すぎも辛すぎもしない、落ち着いた、上品な味が特徴だ。
これは純米酒だから、値段はそれほど高くないのだが、ただの純米酒ではなく「特別」純米酒となっていて、要は精米歩合を70%から60%へ落としただけで、作り方は純米吟醸酒と同じ、味はそのままに、値段だけお手頃に設定されたものなのだ。
世界へむけて日本の酒文化を発信する「JAPANブランド SAIJO SAKE」にも認定されている。

冷やか常温がおすすめということで、そのまま飲んでみたが、賀茂鶴の落ち着いた味に、フルーティーな風味が匂いたち、いやいいですな、これは。
おかげで昨日は、なんと1合半で、じゅうぶん満足した。


今朝は昨日のキムチチゲに、ご飯をいれて雑炊にしたが、晩飯は基本は酒だけ、米は食わない僕のような食生活だと、冷やご飯の備蓄がない。

そういう場合は、このレトルトご飯がおすすめ。
チンなどせず、冷たいまま、いっしょに煮てしまえばよい。
キムチチゲを雑炊にする場合、あまり煮込まず、米がほぐれたらすぐ火を止めて、クッパ風にするのが僕は好き。