2011-01-30

名古屋めし

新年会に呼ばれて、名古屋にやってきた。
行きつけの飲み屋でうまいものをたらふく食い、そのあとはカラオケに行き、朝方までハメを外したわけなのだが、そのほかに今回は、名古屋めしをけっこう食べた。

まずは昼過ぎに名古屋に到着し、昼ビール。

つまみは手羽先。

スパイスのピリっときいた、甘辛いタレに漬け込んだ手羽先を揚げたもので、これがあると、ビールがいくらでも飲める。
名古屋は鶏料理にかんしては、本場中の本場なわけで、これもその一つということなのだろうな。

名古屋駅新幹線口の地下街「エスカ」にある「風来坊」で食べたのだが、店を出たら目の前に、「スガキヤ」があったので、ラーメン。

スガキヤのラーメンは、名古屋のソウルフードといわれていて、同行した友人は、これまでにこれを500杯は食べたと言っていた。
500杯というのは、まったく考えられない数字なのだが、スガキヤはだいたい、地域のスーパーのイートインのコーナーにあり、小さなころから親と行き、少し大きくなると友達と行きということを、毎週のように続けていると、こういうことになるらしい。

スーパーにあるスガキヤは、ラーメン一杯380円で、そのほかに甘味がいろいろ揃っていて、またそちらも人気ということなのだが、ここは駅前にあるから、サラリーマンや観光客を相手として、ラーメン中心の、ちょっと違った品揃えになってるみたいだ。
ラーメンは一杯530円、そのかわりチャーシューが、すこし高級になっている。
先割れスプーンが有名なのだが、こちらはふつうに箸とレンゲだった。

塩味の豚骨スープに、かつお系の和風だしがブレンドされているという、ダブルスープになっていて、友人はラーメンというのは醤油味だと思っていたところに、このラーメンが白かったのが、斬新だったと言っていた。

名古屋のラーメンは、塩味か、そうでなければ激辛味が中心で、全国的には主流であるはずの、醤油味が少ない気がするのだが、これはどういうことなのかな。
こってりと甘辛い、味噌味が好きだというのは、醤油味をそれほど好まないということと、つながりがあったりすることなのか。

ラーメンを食べて、喫茶店に入ったら、そこで思わず小倉トースト。
バターをタップリとぬったトーストに、つぶあんがのせられているというものなのだが、これはじっさいたいへんうまく、名古屋以外でほとんど見ないというのが、不思議なくらいなのだ。

日本で菓子パンの王者といえば、なんといってもアンパンなわけで、これはパンとアンコが黄金の取り合わせであることを、たしかに意味しているだろう。
だからトーストにアンコというのも、当然ながらよく合うわけだが、これを名古屋以外で、ほとんど見ないというのは、なぜなのか。
それが広がらない、何かの理由があるということなのか、それともたんに、そこまでやってみたことがないというだけのことなのか。

あんかけスパゲティ。
これもほんとに、名古屋独特の食べ物。
昔ながらの、ちょっと太めのスパゲティーに、赤ウィンナー、ハム、マッシュルーム、玉ねぎ、ピーマンを炒めたものがのっていて、そこにミートソースがかかっている。
このミートソースが、なんとも独特で、ひとことで言えば、いわゆるふつうの、トマト味のミートソースに、カレー味をくわえたというもの。

名古屋の人というのは、ちがったものを足し合わせるというのが、好きなのだよな。
チキンカツなどに、ドミグラスソースとタルタルソースを両方かけるというのは、けっこうふつうの食べ方で、じっさいこれはけっこううまい。

という感じで今回、名古屋めしをそこそこ堪能したわけなのだが、名古屋の店は、やはり店員のオネエちゃんが楽しい。
生ビールを頼むのに、僕がオヤジ丸出しで調子にのって、「ぬあまビールください」というと、若いオネエちゃんだが、「ぬあまビールですね」と、そのまま真似して返してくる。
「とぅえばさき、ください」というと、「とぅえばさきですね」。

喫茶店のオネエちゃんに、「いや小倉トースト、おいしいですね」というと、「ありがとうございます」と、ここまでは日本全国、どこの店員も言うと思うが、僕を県外の人間であると見たのだろう、「ぜひまた名古屋にいらしてくださいね」と重ねてくる。
こういうやりとりを重ねることで、名古屋の人は、濃い人間関係というものを、つくっていくということなのだろうな。