2010-11-01

鶏おでん

ふつうの鍋というものが、卓上コンロにかけっぱなしにしておくと、徐々に火が通りすぎて、最終的にはあまりおいしくなくなってしまうのに対して、おでんというものはそうやって、沸騰させないようにして火にかけておけばおくほど、味がしみておいしくなっていくということを、僕はおととい、悟ったわけだ。これはまさに、ちびちび熱燗をやるにはうってつけの鍋、なわけで、毎日でも食べたいなと、今日朝めしを食べて、うつらうつらとしながら考えていたら、思い付いたのだ。スペアリブおでん。スペアリブを、おでんと同じように、熱いだしにずっと入れておいたら、いかにもうまそうではないか。

ということで、今日は「一の市」という特売日だったグルメシティ、サウナへ行きがけに豚肉コーナーを見てみたら、100グラム98円のスペアリブが大量に積まれている。これはラッキー、僕がスペアリブを食べたい時に、スペアリブが特売とは、まさに天の恵み、と神様に感謝して、サウナの帰りにまた来てみたら、なんと売り切れ。あれだけ積まれていたスペアリブが、一つもない。そのスペアリブがあったはずの場所に、ポッカリと口を開けた、虚ろな空洞を見た時のショックと言ったら。

かなり落ち込みはしたが、仕方ないから、スペアリブおでんは次回に取っておくことにして、100グラム78円で鶏の手羽元を買って、今日は鶏おでんにすることにした。

手羽元はさっと熱湯に通して水で洗う。大根は下ゆで、玉子は固ゆで。ジャガイモは水にさらし、昆布は水にひたして、やわらかくなったところで結んでおく。これを鍋に入れ、昆布を浸しておいた水を張って、酒は適当にじゃばじゃば、うすくち醤油も味を見ながらじゃばじゃばと入れ、火にかける。アクを取り、沸騰寸前で火を弱め、あとは沸騰しないように火加減をして、時々水を足しながら、そのまま何時間でも置いておく。

今日は3時間ほど置いたのだが、いやうまいっす。まず澄んだ鶏のだしが、なんとも美味。これが大根やらジャガイモやらにしみこみまくるのだから、これはたまらん。かといって鶏も出がらしになってしまっているわけではなく、それなりにプリプリ感を残している。酒飲みにはたまらん肴と言えるのではないでしょうか。