2010-09-06

百万遍 「中華そば たく味」

京都大学近くの「百万遍」という交差点付近、そしてそこから東大路通をずっと上がっていった辺りには、数多くのラーメン屋が軒をならべ、京都における一大ラーメンタウンを形成しているわけなのだが、家から百万遍までは、自転車で30分ほどかかるので、ラーメン一杯のために、往復1時間以上をかけるというのは、それがよっぽどおいしければいいが、そうでもなかった場合、ちょっと効率が悪すぎるなと思って、これまでこちらに足を向けるのをためらっていたのだ。

しかし魚心あれば水心、違うな、名案が浮かんで、一杯ではなく、二杯食べればよい。
なんだ、そんな簡単なことだったのか、二杯食べるなら、たしかに1時間くらいはかける価値はあるし、二杯なら、どちらもクソまずいという可能性は、かなり低いことになる。
それに自転車で1時間走るというのは、健康のためにもいいわけだ。

というわけでまず来たのは、百万遍交差点をちょっと西へ行ったところにある、「たく味」。
「中華そば」と書いてあるから、そういえば前に、ちょっと気になった店だった。
中華そばをくれと言ったら、「あっさりでいいですか」というから、訊いたら、鶏がらスープの「中華そば」と、「豚骨しょうゆ」、広島では「しょうゆ豚骨」というが、京都ではこうなのだ、があるとのことで、迷わず豚骨しょうゆを注文。

「たく味ラーメン」だったかな、650円。

なるほど、このラーメン、京都では珍しいタイプだな。
豚骨しょうゆなのだが、京都の豚骨しょうゆは、第一旭を代表として、あっさりと澄んだスープが多いのだが、このスープはかなりこってりと濃く出して、白く濁っている。
広島によくあるやつだ。
こってりはしているのだが、臭いはまったくなく、それをちょっときつめのしょうゆ味と合わせてある。

麺がまた、広島と同じく、ワシワシとした歯ごたえのある、かためのタイプ。
もしやと思って訊いてみたが、大将は広島とは関係がないそうだ。

脂身少なめのうす切りチャーシューが、どんぶり一面を覆っていて、そこにさらに大量の九条ねぎ、あとはメンマ。
チャーシューの脂身を少なくしてあるのは、たぶんスープがこってりしているからと、バランスをとったものなのだと思うけれど、僕などはこれに、京都仕様のぷりぷりとしたチャーシューを合わせても、何も問題ないと思うがな。

たぶん僕と同じくらいの年の大将、京都に珍しいこの味は、自分で考えたのだそうだ。
たいしたものだな。
今の流行りとは関係なく、伝統をふまえながら、それを自分なりに進化させていく。
それが偶然、広島ラーメンのスタイルと重なるものがあったということは、このラーメンの完成度を物語るものと思う。
オープンして13年になるそうだが、これからも頑張ってほしいな。


たく味 ラーメン / 出町柳駅元田中駅
昼総合点★★★★ 4.0